第141話 明日からお泊り

1979年。昭和54年の夏。暦では、もう秋だけどね。

明日からのお泊り、確定。

今回は5泊6日。


この年は、有象無象の集まりで何とか島にキャンプに行った。

やる側は楽しみを与えようとしてのことであろうが、

かの少年は、さして楽しみでもなかった。

くだらん群れ合いのイベントに過ぎぬと、

彼は心底から、思っていた。


だが、明日からはあの家でもお泊りである。これはうれしや。

世にもうざいだけの群れあいから脱出できるぜ。

彼は、そんなことを考えていた。


彼のその精神は、年齢が上がるにつれて高まっていった。

そして、あのような気休めを与え続けた者たちを、

確実に、葬り去ってしまうだけの力を身に着けてきたのである。


目先の気休めだけのイベントの効果、それもいつまで続くだろうか。

彼を指導する牧羊犬の出来損ないの如き職員らは、

そのイベントの思い出は永遠に残る、くらいに思っていたのだろうか。


とか書いていると、どこからともなく声が聞こえてきた。

牧羊犬に失礼だろう!

牧羊犬に謝れ!

ってか?

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