第217話 日本国憲法精神注入棒

かつて日本海軍には、海軍精神注入棒なるものがあった。

これで若い水兵をぶん殴って鍛えたのだそうな。


彼は、自らを何かの意図で取り込もうとした者たちに、

同じような棒をちらつかせたという。

その名もなんと!


 日本国憲法精神注入棒!


ただでさえ田舎県のさらにまた片田舎の、

ヘッポコ村のちんけな家のアホども。

明治時代に付け焼刃で作られた家制度の残骸を、

後生大事にありがたがるゴミどもは、

この日本国憲法精神注入棒の存在の前には、

すごすご引き下がらずを得なかった。


ある者は、泣き落としのようなことを並べ、

ある者は、そそくさと逃げをかまそうとした。

前者はともかく、後者は、彼の追撃に心底震えた。

テメエが彼に押し付けようとした娘さん、

つまり、彼を結婚相手に押し付けられかけた娘は、

ナメた真似をさらしたその父親の恫喝される声を、

別の部屋で震えながら聞いたことであろう。


 わしには、田舎町の一つや二つ、叩き潰す力の持合せはあるのでねー。


考えてみれば、日本国精神注入棒は、案外にも、

この国のあちこちで旧世代の盆暗どもを叩き潰してきたのではないか。

それが、今の地方衰退の一因かもしれんぞ。

あと、少子高齢化もそうだけどな。

知らんけど。


それでも、世界有数の経済大国にして軍事大国である日本。

覚醒されると困る国は、どうやらあちこちあるようだな。

国家レベルはともあれ、

個人レベルであれば、そんな人間は存外いるってことだ。

残念ながら、彼もまたそのレベルの人間だったのだ。


見くびった田舎県のアホどもの墓標づくりに、

彼はどうやら忙しい日々を送っているようである。

恐らく彼がこの世にいる数十年来、

彼のライフワークはズバリ、その墓標づくりなのである!


 嗚呼、厄介なる獅子身中の虫。


田舎県のつぶやき、かくありなん。

ってか?

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