第223話 もう一度言ってみろ!
就職先として自由の森に入り込み、
テキトーなことをホザいてわしの前に立ちはだかった、
無能な保母。
おまえは、わしに言ったな。
現実を考えなさい!
と、な。コギタネエ岡山弁で、小柄で小太りな体型の無能女。
おまえのような人間に保母資格など与えた者の気が知れんわ。
慣れん仕事なんか、するもんじゃねえな。
短大の二部を紡績会社で働きながら卒業したのだから、
定時制高校に進んだ彼にもよい指導ができるやろと、
自由の森の幹部職員らに思われたのか知らんが、
土台、おまえ程度じゃ無理だったってことだ。
恨むなら、当時の盆暗上司どもを恨めよな。
おまえは、制度を調べてものを言うという姿勢がまったくなかったな。
盆暗児童指導員の弾除けにされたことは、同情せんこともない。
だが、おまえの自分が指導者とばかりの言動は、一切許さん。
おまえの同郷の元経営者が土下座してもだ。
おまえに、わしの情報が今入っているかどうかは、知らん。
興味も関心も、わしには、ねえ。
わしも無能を相手にしてやるようなヒマはねえからな。
でも、どこかで会ってあの頃のことを懐かしく話せるかな、なんて、
そんな夢にもならん話は、今生では通用しねえよ。来世でもだ。
だが、どこかで会えば、一言だけ、問うてやらあ。
現実を考えろ、だぁ?
今のこのわしの前で、もう一度言ってみろ!
なお、警告しておく。
その言葉を吐いた唾で、恥をかくのはおまえだぞ。
今のわしには歯牙にもかける値打ちもねえが、
総括する以上、おまえを屠り去らねばならん。
悪いが、あの1年間のツケは、おまえにも払わせる。
知らなかったで許すほど、わしは甘くねえから、よう。
あの頃のわしに行っていたおまえのあの言葉。
今のこのわしの前で、もう一度、言ってみろ!
ただし、おまえのその後の人生の保障はできねえぞ。
この警告は、一度きりだ。
じゃあ、あとは自己責任で何なりさらせや。
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