第199話 汽車旅相談室2 ~時代の変わり目に立会った日
2006年の6月中旬の土曜の夜。
場所は、神戸市の神戸サウナ。
トワイライトエクスプレスに乗って札幌から大阪に戻った私は、
その足ですぐ新快速に乗換して三ノ宮へ。
それから、神戸サウナのカプセルにチェックインした。
まずはサウナでひと風呂浴びて、それから、カプセルに飛び込んだ。
まずは、ひと眠り。
目が覚めると、午後8時少し前。
ふと思って、外出した。行先は、三ノ宮駅前のダイエーの入っているビル。
そこで私は、旅と鉄道という雑誌を買った。
偶然にもその号は、ついさっきまで乗っていた列車の特集だった。
早速私は1冊買込み、神戸サウナに戻った。
そして、当時あった寿司コーナーに行って一杯飲んだ。
寿司を食べ終え、ビールを飲みながら、その雑誌に目を通した。
種村直樹の汽車旅相談室 最終回
このところのインターネットの普及で、あの手の情報はすぐにそちらに出回る。
質問しようものなら、誰かが回答してくれる。
何も何カ月も、雑誌が出るのを首を伸ばしてまで待つほどのことでもない。
確かにあのコーナーは、国鉄末期のたるんだ雰囲気を正す役割も果たした。
それだけでなく、当時の青少年らの夢をサポートしてくれてもいた。
私自身も、そのコーナーに限らず種村さんの文章に血沸き肉躍る思いで読んだ。
だけど、時代は完全に変わってしまった。
種村さん御自身も、その年で確か70歳だったっけ。
いつまでも、永遠にはできない仕事だよ。
ただでさえも、ね。
しかも、そのような媒体をもはや必要とされなくなったのね。
残念至極、ではあるけれど。
かくして、あのコーナーはその業を境に消滅した。
そして、そのようなコーナーが復活することもない。
時代というより、社会のインフラが完全に変わってしまったのである。
嗚呼、昭和は遠くになりにけり。
っていうより他、ないよな。
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