第28話 磨きのかかる社会性

1981年の春。

小学6年生の少年たち。


彼の通う学校の時間割、水曜日は5時間目まで。

つまり、早く帰れるのね。


彼はまず、帰りに友人宅に少し寄る。

その友人は、後の映画監督。

立寄った少年は、後の自称小説家。


程なく、少年はいったん自宅に戻る。

あ、自宅というにはおこがましい、自由の森だった。

ま、いいか。

そして彼は、おもむろにお出かけ。

行先は、天下の岡山大学。

鉄道研究会の例会は、すでに15時から行われている。

ほんの数十分でも、大学の空気を吸う。

こうして彼は、自らの社会性を大いに高めていった。


短大を出て間もない女性職員は言うまでもなく、

如何に百戦錬磨のベテラン保母と言えども、

もはや「指導」と称せることなどできっこない。


破綻は、やがて訪れる。

彼ら幹部職員らは、そのことに気付いていたのだろか?

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