第261話 ちんけな妻子持ち

 ちんけな妻子持ち


そんなささやかな夢も、あったものかな。

人と一緒、みんなと一緒の免罪符。

寄り添い合うことの肌身の 

生暖かさ=生ぬるさ 

よ。


そんなささやかな夢など、歯牙にもかけず、

我が道を行く男もいる。


 男やもめに蛆がわき女やもめに花が咲く


それがどうした、寝言は寝て言え!

彼は今日も、自らの足で立ち、自らの足で酒場に行く。

そして、自らの身体に酒を飲み、栄養を流し込む。

たまには、締めのラーメンを。

今日は、このもつ鍋のスープで。


ちんけな妻子持ちになることもない。

オンナコドモノセワナド、ワシノシゴトジャネエ!

ってか?


 ちんけな妻子持ち

それを願う者を見下し軽蔑する気は、彼にはない。

ただし、彼の身に何かを求めない限りの話だが。


 口は禍の元。雉も鳴かずば撃たれまい。

警告は、この一度きりである。

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