11章 魔王軍四天王 02
それから2週間は、公爵の依頼をこなしつつ、久々のハンター業に精を出した。
ハンター業に関してはネイミリアとともに他のハンターがあまり行かない遠距離・高難度の狩場を回ったが、いくつかの場ではやはり異常発生が起きており、いい鍛錬になった。
おかげで7等級の魔結晶がいくつか集まってしまい、ますます面倒が増える感もないではない。もっともそれによってネイミリアもついにハンター1段に認定されたので、悪いことばかりでもなかった。
公爵の依頼は、基本的に領軍や騎士団の練度を上げる補助をして欲しいというものであった。
模擬戦はすでに行っている通りだが、今回は一部の中レベル者(ハンター1・2級クラスのエリート兵、ベテラン兵)を高レベルまで引き上げて欲しいということで、彼らを高難度の狩場に連れていって指導をするという任務である。
これに関しては期間も限られていたので、異常発生が見られる狩場に連れて行ってスパルタで鍛錬を行った。
俺の無尽蔵の魔力によって、傷つけば『生命魔法』、魔力が切れれば『魔力譲渡』を行い、とにかく高い等級のモンスターと戦わせまくった。
公爵の領軍、そしてアメリア団長の騎士団ともに音を上げる者はおらず、特訓のあとは全員高レベルと言えるところまで至ったのはさすがである。
ちなみに好青年の騎士コーエンもそれに含まれていた。彼は将来的に副団長を務める予定だとは、アメリア団長の言である。
なお、魔導師兵にはネイミリアが光魔法と『魔力圧縮』スキル、そして『
ちなみに自分のステータスはこのようになっている。
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名前:ケイイチロウ クスノキ
種族:人間 男
年齢:26歳
職業:ハンター 2段
レベル:107(17up)
スキル:
格闘Lv.33 大剣術Lv.34 長剣術Lv.29
斧術Lv.30 短剣術Lv.23 投擲Lv.15
九大属性魔法(火Lv.34 水Lv.32
氷Lv.30 風Lv.40 地Lv.41 金Lv.38
雷Lv.30 光Lv.28 闇Lv.14)
時空間魔法Lv.34 生命魔法Lv.28
神聖魔法Lv.27 付与魔法Lv.23 算術Lv.6
超能力Lv.47 魔力操作Lv.42 魔力圧縮Lv.35
魔力回復Lv.35 魔力譲渡Lv.22
毒耐性Lv.13 眩惑耐性Lv.17 炎耐性Lv.15
風耐性Lv.4(new) 地耐性Lv.4(new)
水耐性Lv.3(new) 闇耐性Lv.13
衝撃耐性Lv.30 魅了耐性Lv.14
多言語理解 解析Lv.2 気配察知Lv.29
縮地Lv.32 暗視Lv.22 隠密Lv.26
俊足Lv.30 剛力Lv.33 剛体Lv.31
魔力視Lv.21 罠察知Lv.5 不動Lv.31
狙撃Lv.31 錬金Lv.33 並列処理Lv.41
瞬発力上昇Lv.31 持久力上昇Lv.37
〇〇〇〇生成Lv.14
称号:
天賦の才 異界の魂 ワイバーン殺し
ヒュドラ殺し ガルム殺し ドラゴンゾンビ殺し
悪神の眷属殺し 闇の騎士殺し
邪龍の子殺し(new) レジェンダリーオーガ殺し(new)
キマイラ殺し(new) サイクロプス殺し(new)
オリハルコンゴーレム殺し(new) エルフ秘術の使い手
エルフの護り手(new) 錬金術師
オークスロウター オーガスロウター
エクソシスト ジェノサイド
ドラゴンスレイヤー(new)
アビスの飼い主 トリガーハッピー
エレメンタルマスター
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正直もう数字がメチャクチャなので、このステータスを見る意味があるとも思えないのだが……。
レベルが100を超えたのが見どころだろうか。『厄災』の本体がどれだけ強いのか分からないので、99で上限でなかったのはありがたいはずだ。
耐性が増えているのは色々なモンスターと戦ってようやくという感じである。
称号の『〇〇殺し』は鍛錬中に7等級モンスターを倒したもの。レジェンダリーオーガはオーガの最上位だが、『レジェンダリーオーガの大剣』という、『オーガエンペラーの大剣』の上位版をドロップしてくれたので武器を更新できた。
それにしても『ドラゴンスレイヤー』は、かなり男心を満足させてくれる称号だ。これが俺の二つ名になってくれるとカッコいいな……などとは決して考えていない。
しかし『解析』だけはずっとレベルが2のままで止まったままなのは不思議だ。
これが上限なのか、それとも他に上がるための条件があるのか……まあ現状の情報で十分と言えば十分ではある。
そしてエルフの里から帰ってきて3週間目に入り、俺は新たな公爵の依頼に着手することになった。
「クスノキさん、今日からヨロシクねっ!」
「クスノキ様、よろしくお願いいたします」
「クスノキ卿、この度は大変お世話になります」
目の前にいるのは教会の聖女、金髪碧眼の少女リナシャと黒髪ボブカットの少女ソリーン、そして神官騎士のカレンナルの3人。その後ろには白を基調とした軽鎧を着た神官騎士10名が控えている。
場所はロンネスクの城門外。
そう、今回の公爵の依頼は、教会の対アンデッド戦闘員の実地訓練である。
公爵の依頼とは言ったが、実際のところ依頼主は新しく赴任した大司教様であり、公爵は俺に口利きをしたという
「こちらこそよろしくお願いします。それでは全員、各自の個人装備を再度確認してください。現地で必要な物資は食糧等含めて私が運搬しますのでご安心を」
俺がそう言うと、神官騎士たちが確認を始める。
ソリーンとカレンナルも同様だが、リナシャだけ確認せずに俺に近寄ってくる。
「ねえクスノキさん、現地まではどうやって行くの?馬車でって言われてるけど、結構遠い場所よね?」
「馬車に乗ったら後は俺がスキルで運ぶことになってる。乗り心地はまあ、普通に馬車に乗るよりはだいぶマシだよ」
ちなみにリナシャ、ソリーン、カレンナルに関しては、何度か家に遊びに来ている関係で言葉遣いを変えた。変えたと言うか、そうしてくれと頼まれた。
「ええ、そんなスキルってあるの?クスノキさんって何でもできるんだね」
「何でもはできないけど、人よりはできることは多いかもね。ほら、装備の確認はしてくれよ」
ソリーンがリナシャを非難するような目で見ていたので、俺はリナシャに注意をして確認をさせた。真面目なソリーンはこういう適当さは許さないとか。
「ソリーンは確認は終わったかい?」
一応ソリーンにも声をかけておく。中間管理職マニュアルによると、こういうこまめな声掛けが不公平感を消すらしい。ただやりすぎが逆効果になるのは言うまでもない。
「あ、はい。大丈夫です。ありがとうございます」
普段は無表情気味のソリーンが少しだけ嬉しそうな顔をする。うむ、やはりマニュアルは重要だな。カレンナルにも同じく声を掛けておく。
「師匠、馬車の用意ができました」
馬車の受け取りをしていたネイミリアがやってくる。
ちなみに用意された頑丈そうな箱型の馬車2台に馬はついていない。
「では各自馬車に乗ってください。乗ったら扉は閉め、到着まで開けないよう注意してください。馬車から落ちた場合命の保証はありません」
俺がそう言うと、神官騎士たちは首をかしげながら馬無し馬車に乗り込んだ。リナシャ達3人も同様である。
「では出発します。しばしのご辛抱を」
馬車の扉が閉まったのを確認して、俺は念動力で馬車を少しばかり浮かせる。
念動力は『抵抗する意志』があるものに対しては効きづらいのだが、こういう使い方をすれば大勢の人間を運べることに気付いたのだ。
ただまあ、これだけの質量を浮かせられるのはさすがにどうかと思わないでもない。今なら人間重機にもなれそうだ。
「じゃあネイミリア、行こうか」
「はいっ」
俺とネイミリアはいつもの通り走り出し、馬車2台がそれを追うように空中を滑り始めた。
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