16章 セラフィからの手紙 01
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名前:ケイイチロウ クスノキ
種族:人間 男
年齢:26歳
職業:ハンター 3段
レベル:153(21up)
スキル:
格闘Lv.53 大剣術Lv.55 長剣術Lv.45
斧術Lv.40 短剣術Lv.34 投擲Lv.24
九大属性魔法(火Lv.49 水Lv.48
氷Lv.40 風Lv.53 地Lv.59 金Lv.61
雷Lv.47 光Lv.43 闇Lv.23)
時空間魔法Lv.55 生命魔法Lv.48
神聖魔法Lv.45 付与魔法Lv.48
九属性同時発動Lv.17 算術Lv.6
超能力Lv.72 魔力操作Lv.64 魔力圧縮Lv.56
魔力回復Lv.54 魔力譲渡Lv.39
毒耐性Lv.16 眩惑耐性Lv.22 炎耐性Lv.27
風耐性Lv.11 地耐性Lv.14
水耐性Lv.11 闇耐性Lv.16
衝撃耐性Lv.49 魅了耐性Lv.15
幻覚看破Lv.7 朧霞Lv.5(new)
多言語理解 解析Lv.2 気配察知Lv.44
縮地Lv.51 暗視Lv.33 隠密Lv.39
俊足Lv.49 剛力Lv.60 剛体Lv.52
魔力視Lv.38 罠察知Lv.20 不動Lv.58
狙撃Lv.57 錬金Lv.51 並列処理Lv.64
瞬発力上昇Lv.53 持久力上昇Lv.54
反射神経上昇Lv.28
〇〇〇〇生成Lv.18 人間向け〇〇〇〇生成Lv.3
称号:
天賦の才 異界の魂 ワイバーン殺し
ヒュドラ殺し ガルム殺し
ドラゴンゾンビ殺し 悪神の眷属殺し
闇の騎士殺し 邪龍の子殺し
四天王殺し 魔王の影殺し
奈落の獣堕とし(new)
聖弓の守護者殺し(new)
レジェンダリーオーガ殺し
キマイラ殺し サイクロプス殺し
オリハルコンゴーレム殺し
ガーディアンゴーレム殺し
ソードゴーレム殺し
ロイヤルガードゴーレム殺し
エルフ秘術の使い手
エルフの護り手 錬金術師
王家の護人
オークスロウター オーガスロウター
ゴーレムクラッシャー
エクソシスト ジェノサイド
ドラゴンスレイヤー
アビスの飼い主 トリガーハッピー
エレメンタルマスター シャープシューター
人間重機(new)
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ボナハ青年がロンネスクを去ってから3日後。
俺は数日間に渡る勇者パーティのトレーニング引率を終え、アシネー支部長の元へ報告に来ていた。
例によって支部長室のソファに二人掛けなのだが、一体いつまでこのゴージャス美女は俺をからかい続けるつもりなのだろう。
「今回もお疲れ様でしたわね。勇者パーティの育成は順調なのでしょう?」
「ええ、皆恐ろしいほどの速度で成長しています。ラトラはすでにハンター1段相当、ネイミリアはそろそろ2段に上げていただいてもいいレベルですね」
「素晴らしいですわ。きっと師の教えがよろしいのでしょうね」
「そう思いたいのですが生徒が優秀すぎますね。もう彼女らだけで付近の狩場の異常程度なら解決できるかと」
「でも彼女たちはまだ若いのですから精神的な支えは必要でしょう。もちろんわたくしも、ですわ」
そう言いながら寄りかかって頭を俺の肩に乗せる支部長。ご期待通り俺は微動だにせず耐えるのみである。
「ええと、もちろん必要ならばアシネー支部長のこともお支えしますよ。ところで例の弓の件はどうなったのでしょうか?」
「ふふ、言質はいただきましたわよ。弓の件はこちらを」
と言って、支部長はまた豊満な胸の間から手紙を取り出す。
ボナハ青年の一件が終わってから、あのダンジョンであったことは転送先で起きたことも含めてすべて報告した。
アビスについてはありがたいことに俺に一任するということで話がまとまった。
『聖弓ソルグランデ』は形式上コーネリアス公爵閣下に献上したが、もちろんものがものだけにそのまま王家へ引き渡された。
その結果が記された手紙なのだが、どうやら公爵閣下経由のもののようだ。一通り目を通す。
「どのようなことになりましたの?」
「……ええ、どうやら王家はすでに『聖弓』の存在を知っていて捜索を始めていたようです。その手間が省けたという礼が書かれていますね。それから『聖弓の使い手』についても捜索をしているそうで、こちらも何かあったら知らせるようにとのことです」
「さすがに女王陛下の動きはお早いようですわね。その使い手が見つかり次第『邪龍』の討伐となるのでしょうね」
「先に『使い手』が見つかるといいのですがね。『邪龍』の行方についても私の手が届くところではありませんし、今のところは待つしかないでしょう」
「そうですわね。しかし待つ身というのも辛いものですわ」
そう言いながら俺の腕を抱き寄せる支部長。これ「待つ身」に深い意味を……「いつも貴方を待っています」的な意味を……持たせてたりするのだろうか。いや、そう思わせる罠だな。反応すると危険だ。
俺がさらに固まっていると「もうっ」と小さく言いながら、支部長はもう一通の手紙を胸元から取り出した。
「それともう一通、ケイイチロウ様宛にお手紙が届いていますの」
その手紙を俺の胸に押し付けつつ、支部長は顔をぐいっと近づけた。
「差出人は女性のようですが、どのようなお方かお聞きしてもよろしくて?」
冷気を放つ真紅の瞳から目をそらし、俺はその手紙の差出人を確認した。
そこ書かれた名は「セラフィ」。
ニールセン子爵領で出会った少女、野心家のギラギラ貴族・トリスタン侯爵の娘の名であった。
「ふむ……、まさかそのような情報が卿のところから入ってこようとは、まったくもって面白いものだ」
そう言って椅子に背をもたれるのは、黒髪に口髭をたくわえた外資系エリートビジネスマン風大貴族、コーネリアス公爵閣下である。
セラフィの手紙を一通り読んだ俺は、支部長を通してすぐに公爵閣下への面会を求めた。
早急に相談をしないとならないとその手紙の内容から判断したからだ。
「しかし自分の娘を
「目的も手段も、到底受け入れられるものではございませんわね」
そう続けたのはもちろんアシネー支部長。公爵閣下の執務室には我々3人がいるのみである。
支部長の言葉に公爵閣下は深く頷くと、鋭い光をたたえた瞳を俺に向けた。
「さて、クスノキ卿はその依頼をどうしたいと考えているのかね?」
「依頼」……セラフィの手紙に書かれていたのは、非常に簡潔、かつ信じがたいものであった。
つい先日『闇の皇子』の大きな
いかにもあの
「私は以前、セラフィ嬢に悩みがあれば力を貸すと約束いたしました。ですので、この手紙の内容を確認の上、真実であれば妹君を助けたいと思っております」
「卿ならばそう言うであろうな。しかしこれはかなり繊細な案件だ。この話が真実なら確かに看過し難いが、かといってこの手紙だけでは表立ってトリスタンに
「そうですわね。手のものを派遣して探らせるにしても、かの侯爵は防諜にかなり力を入れていると聞きますし」
「防諜と言えば、以前捕らえた灰魔族の男はどうなったのでしょうか?」
俺がそう聞くと、公爵閣下は少しだけ眉を歪めた。
「あれに関しても卿はよくやってくれたのだがな。あの男は尋問が始まる前に自分に闇魔法をかけ記憶を消去したらしい。審問官ですら対応できん」
「そんなことが……」
ありがちなフラグをへし折って捕まえた男なのだが、まだそんな手があったとは。もしかしたら強制イベント的な存在だったのかもしれない。
「わかりました。いずれにしろ、私としては一人のハンターとしてトリスタン侯爵の懐に入ってしまおうかと考えております。侯爵は力のあるハンターを集めていると聞いておりますので」
自分の中では、セラフィの手紙を読んだ時点で助けに向かうことは確定事項であった。
「義を見てせざるは勇無きなり」――過剰な力をもっていながら何もしないのは、もと日本人としての倫理観が許すはずもない。
今知りたいのは、そのために俺が取る行動が可能かどうかである。支部長に頼んで公爵閣下に直接ねじ込んだのはそのためであった。
「一人のハンターとして、か。しかし卿はすでに国内に名を知られつつある俊英、私とつながりがあることもすでに伝わっていよう。その身を偽って潜り込むことは難しいと思うが」
「ケイイチロウ様のお顔も、ハンターたちの情報網によっておそらくトリスタン侯爵領でも知られておりますわ」
公爵閣下やアシネー支部長の言うことはもっともである。
しかし俺は、それを覆すためのスキルをすでに身につけていたりする。
「それに関してなのですが、今から私が使うスキルが通用するかどうかをご判断いただきたいのです。御覧ください」
俺が発動したのは『朧霞』というスキルだ。
これは忍者少女エイミが習得している『朧』というスキルの上位互換である。
『朧』が「自分の印象を限りなく曖昧にする」という効果を持つのに対して、『朧霞』はさらに「別の人間の印象を持たせる」という効果を付加する。
エイミに『朧』を使ってもらって覚えたのだが……さすがにこれを習得した時はエイミに幽霊でも見るような顔をされてしまった。
「……なんと、クスノキ卿がまるで別の人間のように見えるではないか。このようなスキルが存在するとは聞いた事もないな」
「体型まで違って見えますわ。ケイイチロウ様は一体どれだけのお力を隠していらっしゃるの?」
公爵閣下と支部長にも問題なく通用するようだ。
「いかがでしょうか。このスキルを使えば、他人になりすますことも可能かと思いますが」
「声も変わるとはな。確かにこれなら問題はあるまい。ケンドリクス、協会は偽のハンターカードを出すことは可能か?」
「協会の信用に関わることなので恐らく本部は許可しないかと思います。ですがわたくしの権限で発行いたしますわ」
「よいのか?何かあれば地位を追われることになると思うが」
「その時はケイイチロウ様に責任を取っていただきますわ。よろしいですわよね?」
そう言って、アシネー支部長は艶然とした微笑みを俺に向けた。
「責任」というのがどこまでを指すのか分からないが、もし支部長に累が及ぶようならその時はできることをするつもりだ。
もっとも支部長が本当に言いたいのは「絶対ヘマはするな」ということだろうけど。
「もちろん支部長に迷惑がかかるようなことがあれば私が責任をとらせていただきます」
なんか前世でも上司にこんなことを言ったことが一度だけあったような……。
でもその時の上司は、目の前のゴージャス美女みたいに嬉しそうな顔はしていなかったなあ。
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