18章 邪龍討伐  01


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名前:ケイイチロウ クスノキ

種族:人間 男

年齢:26歳

職業:ハンター 3段

レベル:197(21up)


スキル:

格闘Lv.63 大剣術Lv.64 長剣術Lv.58

斧術Lv.48 短剣術Lv.40 弓術Lv.21(new)

投擲Lv.29

九大属性魔法(火Lv.58 水Lv.56

氷Lv.46 風Lv.62 地Lv.69 金Lv.74

 雷Lv.52 光Lv.52 闇Lv.26)

時空間魔法Lv.63 生命魔法Lv.54 

神聖魔法Lv.53 付与魔法Lv.55 

九属性同時発動Lv.28 算術Lv.6

超能力Lv.83 魔力操作Lv.73 魔力圧縮Lv.65

魔力回復Lv.62 魔力譲渡Lv.54

毒耐性Lv.19 眩惑耐性Lv.25 炎耐性Lv.32

風耐性Lv.15 地耐性Lv.19

水耐性Lv.17 闇耐性Lv.18

衝撃耐性Lv.53 魅了耐性Lv.15

幻覚看破Lv.8 朧霞Lv.12

多言語理解 解析Lv.2 気配察知Lv.49

縮地Lv.55 暗視Lv.39 隠密Lv.42 

俊足Lv.56 剛力Lv.68 剛体Lv.60 

魔力視Lv.44 罠察知Lv.29 不動Lv.64 

狙撃Lv.69 錬金Lv.61 並列処理Lv.74

瞬発力上昇Lv.60 持久力上昇Lv.61

反射神経上昇Lv.39

〇〇〇〇生成Lv.21  人間向け〇〇〇〇生成Lv.5  


称号:

天賦の才 異界の魂 ワイバーン殺し

ヒュドラ殺し ガルム殺し 

ドラゴンゾンビ殺し 悪神の眷属殺し 

闇の騎士殺し 邪龍の子殺し 

四天王殺し 魔王の影殺し

奈落の獣堕とし

聖弓の守護者殺し

レジェンダリーオーガ殺し

キマイラ殺し サイクロプス殺し 

オリハルコンゴーレム殺し 

ガーディアンゴーレム殺し

ソードゴーレム殺し

ロイヤルガードゴーレム殺し

エルフ秘術の使い手 

エルフの護り手 錬金術師

王家の護人

オークスロウター オーガスロウター

ゴーレムクラッシャー 

エクソシスト ジェノサイド 

ドラゴンスレイヤー

アビスの飼い主  トリガーハッピー 

エレメンタルマスター シャープシューター

人間重機 光を導く者


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「……ふむ、それではクスノキ卿としてはどう動くのが最適と考えるのかね?」


「私と『聖弓の使い手』ネイナル女史が先行し、『邪龍』をカントレアの手前で迎撃するのが良いと考えます。カントレアを諦める必要はありません」


俺がそう答えると、コーネリアス公爵閣下は目を少し見開き、ふうと溜息をついた。


俺の横ではアシネー支部長が「ふふっ」と色っぽく笑いを漏らしている。




ニルアの里から帰った俺たちを待っていたのは、妙に慌ただしい、というより厳戒態勢に近い雰囲気のロンネスクであった。


その理由は協会で支部長に聞くことで判明した。


予想通り『邪龍』が動き出し、その大軍がここロンネスクに向かってきているというのである。


すでに領軍や騎士団は動き始めており、ロンネスクの南で迎撃をするという方向で事態は動いているとのことで、俺にも戻り次第公爵閣下の元に来るように要請が出ていた。


そんなわけでアシネー支部長とともに公爵閣下の執務室を訪れ、報告と今後の行動について協議を行っているわけだが――


「クスノキ卿の言いようでは、自分とネイナル女史の2人だけで『邪龍』の大軍を殲滅できると言っているように聞こえるのだが、それで間違いないかね?」


「はい。先程も申し上げた通り、『聖弓』は極めて強力な武器です。私が補助を行えば、百体を越える程度なら問題なく殲滅せんめつできます」


「先程会ったネイナル女史の雰囲気からは到底そうは思えないのだがな」


この会議に先だって、『聖弓の使い手』であるネイナルさんは公爵閣下に紹介済みである。


ネイナルさんは公爵閣下を前にしてもおっとり系エルフの本領を遺憾いかんなく発揮しており、この懸念けねんは至極当然と言えた。


「ケンドリクス卿はどう考える?」


「ケイイチロウ様がおっしゃる通り、昨日『邪龍の子』の一団が『逢魔の森』上空で殲滅されたのはこちらでも確認しています。彼女が『聖弓の使い手』としての能力を持っていることは確かだと存じますわ」


「ふむ、確かにそうではあるか。クスノキ卿、貴殿が『邪龍』を迎撃するにあたって必要なものは何だね?」


「特に必要なものはございません。閣下には万が一に備えていただければと思います」


「ケイイチロウ様、万が一ということがございますの?」


「万が一」というのはもちろん「俺が失敗する」という意味だ。


アシネー支部長が俺の手を取って心配そうな顔をしたのもその意味を理解してのことだろう。


「絶対ということはありませんので。その場合でも、何とかネイナル女史は逃がす方向で努力します」


「そういうことを言っているのではありませんわ。ケイイチロウ殿が戻ってこないのでは意味がありませんの」


「もちろん自分自身も生還できるよう最大限努力しますよ。まだ『厄災』は残っていますし」


「だからそういう意味では……もう……っ」


支部長はさらに何か言いたそうであったが、公爵閣下がニヤリと笑ってるのに気付いて俺の手を放した。


その様子を見て「フッ」と息をこぼした公爵閣下は、表情を引き締めて俺の方に向き直る。


「トリスタン侯爵領で『闇の皇子』の本体をも退けたという話が真実なのであれば、貴殿のその余裕も当然なのかもしれんな。よろしい、クスノキ卿の思う通りに処置してくれたまえ。カントレアはすでに避難が進んではいるが、事は一刻を争う。よろしく頼む」


「はっ。全力で事に当たらせていただきます」


俺は一礼し、その場を辞した。


さすがエルフも吸血鬼もいる世界。「理解のある上司」という幻の生物も存在するのだから素晴らしい世界である。





「公爵閣下の許可が下りましたので、『邪龍』は我々だけで撃退することになります。ネイナルさんには申し訳ないのですが、ご協力をお願いします」


「お願いなんてやめてください。ケイイチロウさんが一緒なら『厄災』だろうと怖くありません。どこまでもご一緒しますわ」


領主の館を出て家に戻る道すがら、俺はネイナルさんとそんなやりとりをする。


「わたくしもご一緒できるなら、地の果てまでもご一緒いたしますのに。支部長に任じられたことを初めて後悔していますわ」


「アシネー支部長のお気持ちは大変嬉しく思います。私が比較的自由に行動できるのも、アシネー支部長のおかげだと感謝していますから」


支部長ともそんな会話をする。


のはいいのだが、なぜか二人とも左右から俺の腕をがっちり掴んで離さないのは大変困る。


これから『厄災』との決戦という緊張した場面のはずなんだが。


まあネイナルさんは口では大丈夫と言っていても実は不安なのだろうし、支部長はいつものからかいなのだろうけど……。


しかしすれ違う人が「こんな時にいちゃつくとか何考えてんだ?」とか「あれ『魔氷』アシネーよね?それに反対側のエルフもすごい美人だし……あの男何者?」とか「さすが3段位エゲツねえ」とか言ってるのは気にしていただきたい。


それでも何とか心を無にして家の玄関前にたどり着く。


「あの、腕をはなしていただかないと家に入れないのですが……」


と左右の美女二人に声をかけるが、二人は「お先にどうぞ」とか言って譲り合っている。


そんな意味不明のやりとりをしていると、玄関が内側から開けられた。


ラトラに気を使わせたか……と思って見ると、出てきたのはライダースーツを着た黒髪の美女ダークエルフ。


「ローゼリス副本部長!? なぜここに?」


「お久しぶり、と言うほどでもありませんね。しかしなるほど、これで『美女落とし』の実態がよく分かりました。『邪龍』の一件が終わりましたらまた弁解をお聞きいたしましょうか、ご主人様?」


切れ長の目から放たれる今までにない強烈な「ゴミ扱い光線」に、俺は胃が急速にしぼんでいくのを感じるのであった。






アシネー支部長がネイナルさんと面識があるのはすでに判明していたが、ローゼリス副本部長ともパーティを組んでいたことがあるとかで、3人はすぐに打ち解けていた。


そこにネイミリアとラトラとエイミとサーシリア嬢が加わり、家の中は呼吸困難になるほどのキラキラガールズトーク劇場と化していた。


『邪龍』討伐に出るのはさすがに明朝になるのでそれは構わないのだが、ローゼリス副本部長がここにいる理由も聞けないのはどうなのだろう。


と思いつつ部屋の隅でアビスと戯れていたのだが、どうやらようやくガールズトークが『邪龍』の話になったようだ。


「なるほど、すでに『聖弓』とその『使い手』は揃っていたのですか。しかしほぼ単独で『邪龍』討伐に臨むというのは本気なのですか?」


ローゼリス副本部長の目はまだゴミを見るそれであるが、一応口調は心配そうではあった。


「ええ、大勢で行っても正直あまり意味はありませんから。むしろ移動が遅くなるので少数の方がいいのです」


「わかりました、ご主人様がそうおっしゃるならそうなのでしょう。無論私も同行いたします」


「あら、無論というのはよくわかりませんわね。本部長の指示ですの?」


「ええ、そう考えていただいて結構です。本部としてもご主人様の実力は把握しておかないとなりませんので」


アシネー支部長、「ご主人様」呼びの方も質問してくれませんかね。俺が聞いてもはぐらかされるのでぜひ。


「私も同行しますね師匠。お母さんが行くのに私が行かないのはありえないので」


「わたしも勇者として『厄災』との戦いは見ておいた方がいいと思います!」


「私も女王陛下にお伝えするためにこの目で確認をさせていただきます」


「え?ああそれは……」


どうもニルアの里に行く前後でネイミリアとラトラとエイミの押しが急に強くなった気が……。一体何が彼女らをそうさせるのだろうか。


「……分かったよ、一緒に行こう」


俺が三人娘の圧に負けていると、それを見たローゼリス副本部長がまた冷たい視線を向ける。


「ご主人様の節操のなさは存じておりましたが、まさかこれほど優秀な少女たちを複数お側にはべらせているとは思いませんでした。しかもサーシリアまですでに篭絡ろうらく済みとは恐れ入ります」


「ろっ、篭絡って……」


サーシリアさんそこは赤くなってないですぐ否定してください。というか同居してるって伝えてなかったんですね。


「いやまあそのいろいろ事情があるんですよ。『邪龍』の件が終わったら必ずお話しますので」


「ええそうですね。『聖弓の使い手』だけでなく『勇者』まで囲っているというのも興味深いですし」


「いや囲ってるってそんな人聞きの悪い……」


「あら、私とネイミリアは囲っていただいてかまいませんわ。ね、ネイミリア?」


「ちょっお母さん何言ってるの!?師匠、今のは聞かなかったことにしてください!」


「エイミさん、『囲う』って何ですか?」


「……それはラトラはまだ知らなくていい言葉だから」


「うふふ、わたくしはいつでも大丈夫ですから、ケイイチロウ様のお好きな時に」


「支部長、そういうお話はラトラちゃんの前ではちょっと……。協会職員として見過ごせませんからね」


あ、なにかカオスな様相を呈してきた。


というかこれが決戦前夜とか、ちょっとおかしくないだろうか。せめて俺とアビスくらいは緊張感を保たねば。


「んな? にゃあ、んなんな……」


そうだねそのペースト美味しいよね。


お前は『厄災』とか関係なくずっとそのままでいてくれていいんだよ。

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