25章 野心の行方  01

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名前:ケイイチロウ クスノキ

種族:人間 男

年齢:26歳

職業:ハンター 4段

レベル:361(32up)


スキル:

格闘Lv.86 大剣術Lv.87 長剣術Lv.79

斧術Lv.64 短剣術Lv.57 弓術Lv.42

投擲Lv.41 二刀流Lv.8(new)

九大属性魔法(火Lv.78 水Lv.74

氷Lv.60 風Lv.83 地Lv.85 金Lv.94

雷Lv.68 光Lv.70 闇Lv.42)

時空間魔法Lv.85 生命魔法Lv.76 

神聖魔法Lv.73 付与魔法Lv.70 

転移魔法Lv.26

九属性同時発動Lv.49 算術Lv.6

超能力Lv.120 魔力操作Lv.98 魔力圧縮Lv.88

魔力回復Lv.89 魔力譲渡Lv.76

体力注入Lv.34

毒耐性Lv.31 眩惑耐性Lv.38 炎耐性Lv.46

風耐性Lv.26 地耐性Lv.28

水耐性Lv.26 闇耐性Lv.28

衝撃耐性Lv.72 魅了耐性Lv.18

幻覚看破Lv.15 朧霞Lv.20

多言語理解 解析Lv.2 気配察知Lv.62

縮地Lv.70 暗視Lv.50 隠密Lv.53 

俊足Lv.72 剛力Lv.88 剛体Lv.82 

魔力視Lv.65 最適ルート感知Lv.52

不動Lv.83 狙撃Lv.89 

錬金Lv.83 並列処理Lv.93

瞬発力上昇Lv.76 持久力上昇Lv.78

反射神経上昇Lv.60

〇〇〇〇生成Lv.31  人間向け〇〇〇〇生成Lv.16  


称号:

天賦の才 異界の魂 ワイバーン殺し

ヒュドラ殺し ガルム殺し 

ドラゴンゾンビ殺し 悪神の眷属殺し 

闇の騎士殺し 邪龍の子殺し 邪龍殺し

四天王殺し 魔王の影殺し 魔王殺し

奈落の獣堕とし 穢れの君殺し

悪神殺し(new) 聖弓の守護者殺し

玄蟲殺し(new) 

レジェンダリーオーガ殺し

キマイラ殺し サイクロプス殺し 

オリハルコンゴーレム殺し 

ガーディアンゴーレム殺し

ソードゴーレム殺し

ロイヤルガードゴーレム殺し

エルフ秘術の使い手 

エルフの護り手 錬金術師

王家の護人

オークスロウター オーガスロウター

ゴーレムクラッシャー 

エクソシスト ジェノサイド 

ドラゴンスレイヤー

アビスの飼い主  トリガーハッピー 

エレメンタルマスター シャープシューター

人間重機 光を導く者 喜びを与える者

解放者 再来の預言者 武闘王

聖杯を掲げし者 女王の騎士

古代文明の探究者(new)


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『悪神』討伐を終えた俺は、いったん国境の砦近くに転移をした。


 リースベンとの交戦状態は完全に解除されたが、それでもリースベンの現状を砦の司令官に話しておこうと思ったからだ。現場の責任者に話を通しておくのは職務上非常に大切である。


 砦の周辺に陣を張っていた軍勢はすでに半分ほどがいなくなっていた。


 さすがに動きが早い……と言いたいところだが、少し早すぎる気もしないではない。


 少なくとも俺が情報を伝えるまではリースベン側の動きは確定できないはずなのだ。その前に軍勢が引き上げたというのは、俺に嫌な予感を覚えさせるには十分な異変であった。


 急いで砦の司令官のもとに向かう。砦の中に充満する妙に慌ただしい雰囲気も、俺の不安感を増大させる。


 作戦室に入ると、そこには砦の司令官とアメリア団長、それと意外な人物、王家の密偵エイミがいた。


 エイミは久しぶりに見る忍者装束だが、その黒い衣服はところどころが引き裂かれている。憔悴しょうすいの隠せない顔からして、間違いなく喫緊きっきんの何かが起きたのだと見える。


 不安が的中したことがこれで明らかになった。あとは状況がどの程度進んでいるかだ。


 俺の姿を認めた砦の司令官が声をあげた。


「おおクスノキ卿、お待ちしておりました。お戻りになられて早々申し訳ありませんが、緊急の事態が起きたようです。どうかご助力を」


「承知しました。取り急ぎ、リースベンについては国王が『悪神』から解放され、今後こちらに侵攻する意志はないと確認がとれていることをご報告いたします。『悪神』討伐も完了いたしましたので、こちらの国境に関しての問題はひとまず解決しました」


「なんと、さすがクスノキ卿ですな。この短期間で『厄災』をまた一つ平らげるとは」


「ええ、協力者にも恵まれましたので。ところでエイミ……女王陛下の護衛がここにいるということは、もしや首都が陥落したということでしょうか?」


 俺は社交辞令を最小限で切り上げ、一番気になっていることを聞いた。


 問いに答えたのはエイミであった。


「その通りですクスノキ様。トリスタン侯爵がいくつかの貴族家を糾合きゅうごうし、3万の軍勢で首都ラングランを急襲しました。首都は2刻持たずに陥落、城にいた女王陛下以下重臣の方々はすべて虜囚となっています」


「ネイミリアとラトラは?」


「分かりませんが、城では大きな戦闘はありませんでしたので、恐らく捕えられたものと思われます」


「首都には『王門八極』が全員向かっていたはずだけど、なぜそんなに早く陥落したんだ?」


「信じられないことですが、噂によると『王門八極』は早々に投降したそうです。またトリスタン侯爵の軍勢も明らかに異常でした。瘴気しょうきを立ちのぼらせ、まるで『厄災』の軍勢を見るようでした」


「話を聞く限り、『闇の皇子』の軍勢の様子に似ているようだ。ケイイチロウ殿ならば何かわかるのではないか?」


 アメリア団長が補足してくれる。なるほど、確かにそう言われれば思い当たる節はある。


 野心家のトリスタン侯爵は、娘を生贄にして『闇の皇子』と取引をしようとしていた。


 その目的は間違いなく、己の野望を達成するために『闇の皇子』の力を借りること。


 ただその取引は、セラフィ・シルフィ姉妹が『光の巫女』に覚醒した時点でできなくなったと考えていたのだが。


 前世のメディア作品群の知識を探ると、確かに『厄災』のような超越的な力を借りる話はいくつかある。そしてその中には「借りる」という状況にとどまらないものも――。


「トリスタン侯爵が以前、『闇の皇子』の力を借りようとしていたことはアメリア団長も気付いていると思う。今回はそれをさらにおし進めた可能性があるね」


「おし進めた、というのは?」


「力を『借りる』のではく、力を『自分のものにする』という行動を取ったということさ。何らかの方法で『闇の皇子』の力を取り込んだとか、そんな感じだろう」


 完全にゲーム脳的な発想だが、恐らく間違いないだろう。娘二人の力を使って『闇の皇子』を倒し、その際に力を取り込む。『灰魔族』を配下に持つあの侯爵ならやるだろうという妙な信頼感がある。


 とはいえ突飛な意見ではあるのだが、エイミはそれを聞いて強く頷いた。


「それも信じられない話ではありますが、実際にトリスタン侯爵の軍勢を見た者としては、それを否定する気にはなれません。むしろクスノキ様の言う通りであれば、城壁が容易に突破されたのも納得がいきます」


「当たって欲しくない予想ではあるけどね……。司令官閣下、国軍は首都奪還のために引き返していったということでよろしいのでしょうか?」


「はい、一部を残して急ぎ引き返しております。ただもしトリスタン侯爵軍が『厄災』の力を得ているということになれば、ことは簡単にはいかないでしょう。ですので、クスノキ卿のご助力をいただきたいのです」


「もちろん私としても看過できない状況ですので、全力で対処いたします。まずはロンネスクに戻って情報を集めます。エイミも行こう。アメリア団長はどうする?」


「はい、お供いたします」


「私も同行するぞ。メニルの安否も不明となれば黙っているわけにはいかん」


「分かった。騎士団も一緒に転移させてしまおうか。コーネリアス公爵の軍までは無理だけど」


「承知した。すぐに準備をさせよう」


 さて、まさかこういう形でトリスタン侯爵と対決することになるとは思わなかったな。


 ネイミリアやラトラ、『王門八極』の面々の安否も非常に心配だが、投降したということなら正式な捕虜ということになる。


 トリスタン侯爵ならば有能な人間は手元に置こうとするはずであるし、手荒な真似をする可能性は低いだろう。


 むしろ俺のことを最大限に警戒しているであろう侯爵であれば、俺と関係の深い人間には使い道があると考えるはずだ。


 助けるためにすぐにでも首都に乗り込みたい気持ちはある。しかしここで拙速に出るのは悪手だろう。


 まずは落ち着け……俺は何度も自分に言い聞かせながら、司令官のもとを辞すのだった。

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