5章 穢れの足音(前編) 01

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名前:ケイイチロウ クスノキ

種族:人間 男

年齢:26歳

職業:ハンター 1級

レベル:62(3up)


スキル: 

格闘Lv.17 大剣術Lv.16 長剣術Lv.13

斧術Lv.11 短剣術Lv.12 投擲Lv.6

八大属性魔法(火Lv.13 水Lv.17 

氷Lv.9 風Lv.22 地Lv.20 金Lv.15 

雷Lv.13 光Lv.9)

時空間魔法Lv.16 生命魔法Lv.10 算術Lv.6 

超能力Lv.23 魔力操作Lv.18 魔力圧縮Lv.17 

魔力回復Lv.9 毒耐性Lv.8 眩惑耐性Lv.7 

炎耐性Lv.6 衝撃耐性Lv.10 魅了耐性Lv.3 

多言語理解 解析Lv.2 気配察知Lv.15 

縮地Lv.8 暗視Lv.9 隠密Lv.12 俊足Lv.10 

剛力Lv.10 剛体Lv.9 不動Lv.11 狙撃Lv.9 

錬金Lv.9 並列作業Lv.12 瞬発力上昇Lv.12 

持久力上昇Lv.12 〇〇〇〇生成Lv.3

    

称号: 

天賦の才 異界の魂 ワイバーン殺し 

ヒュドラ殺し ガルム殺し 

エルフ秘術の使い手 錬金術師

オークスロウター オーガスロウター 

アビスの飼い主


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「あっネイちゃん、そのお皿取って」


「はい。ふわぁ、美味しそうですねっ。さすがサーシリアさん」


いつの間にか仲良くなってるキラキラ美少女とキラキラ美人を眺めながら、俺は黒猫アビスに例のペーストを食べさせていた。


しかしこの子なぜか俺の手の上から食べたがるのだが、俺の手から妙な物質でもにじみでてるのだろうか。


まあ子猫の舌に舐められるのはくすぐったくて気持ちいいので望むところではあるが。(平均的猫好きの感想)




さて、ここ数日は波風のないハンター生活が送れている。


実は何日かはあの二つの騎士団の訓練の指導をやらされていたりするのだが……キラキラ美人騎士団長に『貴殿は剣も堪能なようだから、一つ騎士たちを揉んでやって欲しい』とか言われて断れなかったのである。


ガルムの件で負い目もあるし、協会のキラキラ美女支部長にも『できるだけ手伝ってあげてくださいませ』とか言われたし、これは仕方がないだろう。


……あれ、なんかキラキラが多い気が。今さらか。


訓練の指導にあたって意外だったのは、内門騎士団員からそれとなく感謝の意を伝えられたことだ。


どれだけ嫌われていたんだろうあのギラギラ団長……。


ちなみにネイミリアも女性騎士たちの魔法の指導をしている。




「師匠って、神聖魔法は使えないんですか?」


サーシリア嬢お手製のシチューっぽい料理(めちゃくちゃ美味い)を食べていると、ネイミリアがそう言ってきた。


「神聖魔法、そういうのもあるのか。確かに使えない。それってどういう魔法なの?」


「いわゆるアンデッドモンスターに効果の高い魔法ですね。直接攻撃したり、動きを止めたり、近寄れなくしたり……あと高位アンデッドを封印するとか」


「なるほど……。そういえばアンデッドはまだ戦ったことないな」


「アンデッドを狩るなら北にある廃墟ですね。遥か昔に『けがれのきみ』によって破壊された城の跡だと言われています」


そう言ったのはサーシリア嬢だ。やり手受付嬢だけに、ロンネスク周辺の狩場の情報はすべて網羅しているらしい。


しかし『穢れの君』か。前にネイミリアから聞いた『厄災』の一つだが、名前からしてアンデッドの親玉なのかもしれないな。


「じゃあ今日はそこに行ってみるか。サーシリアさん、そこは許可は?」


「必要ありません。しかし神聖魔法がないなら教会で聖水などを用意しておいた方がいいですよ」


「まあ多分大丈夫だろうけど……、一応寄ってから行くよ」


「はい、頑張ってくださいね」


家で情報が得られたり、キラキラニッコリが見られたり……そりゃ他の男性ハンターには恨まれるよなあ。





朝食を終えると、俺とネイミリアは準備をして家を出た。


どうせ神聖魔法もすぐに身につくだろうとは思ったが、サーシリア嬢の助言に従い教会に行くことにする。


この国で最も有名な神は『アルテロン』という創造と破壊をつかさどる女神で、その女神を信仰する宗教を『アルテロン教』という。


教義は比較的穏やかなようで、倹約と節制を旨としつつも、信者に過度な義務を課すことはない。


どちらかと言うと日本における仏教や神道のように、生活になんとなく取り込まれている宗教、という感じである。


無論、宗派などによっては厳しい戒律を課したり修行したりすることもあるには違いない。


その教会は各都市にあるらしいのだが、そこは第二都市ロンネスク、教会と言うより聖堂と言うべき建物が中央区の近くにあった。


俺はその荘厳なたたずまいに圧倒されつつ、入口を入ってすぐの受付の修道女風の若い女性に声をかけた。


「すみません、こちらで聖水を購入できると聞いたのですが、どちらにうかがえばよろしいでしょうか?」


「ご寄付をいただけるのであれば、こちらでお渡しすることができます」


修道女風受付嬢は伏し目がちにそう小さな声で言った。


ああなるほど、購入じゃなくて『寄付とお礼』なんですね。教会としてはそのあたりの扱いは重要なんだろう。


しかし相場が分からないが聞くのもちょっとなあ……。


結局銀貨5枚(5000デロン)を出したら、透明な水の入った小さなビンを2本出してくれた。


「ビンは使用後にお返しいただくと助かります」


「わかりました。ありがとうございます」


俺が一礼をしていると、教会の奥で一人の少女が、偉そうな神官風の老年男性に何か大声で話しているのが聞こえた。


「クネノ大司教様、ソリーンを廃墟に送ったって本当なの!?今ロンネスク周辺にモンスターの異常が増えているって話があったばかりじゃない!」


「聖女リナシャよ、そう大声を出すでない。聖女ソリーンは自ら望んで調査に行ったのだ。無論護衛もつけている。何も問題はないのだ」


眉をつり上げて詰問している、リナシャと呼ばれた少女は、絵に描いたような金髪碧眼の超絶美少女であった。


いかにも聖女と言わんばかりの白い修道服風ドレス(?)を身につけ、頭部の白いヴェールから流れるような金髪を腰まで下ろしている。


透き通るような碧の瞳は意志の強そうな光を宿し……そして彼女は『私メインキャラよ文句ある?』的な感じでキラキラしていた。


一方で詰め寄られている老年神官は、時代劇の悪徳商人のような顔をした、豪華な神官服が微塵も似合わない男性であった。


こちらはどこかで見たようなギラギラオーラが漂っているのだが……正直見なかったことにしたい。


「護衛って、まさかカレンナル1人ってことはないわよね!?それに神官騎士なんてモンスター相手じゃ大して役に立たないじゃない!本気で言ってるの!?」


「だから安心せよ。モンスター専門の傭兵も同行させておる」


「はあ!?傭兵とかモンスターより危険でしょ!だいたい……」


俺はきびすを返すと、ネイミリアを伴ってその場を後にした。


これから向かう廃墟には多分ゲーム的イベントがあるに違いない。なにしろ今『フラグ』が立ってしまったのである。

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