1章 異世界転移?異世界転生? 08

「話しくらいは聞いておいても良かったか」


その日の夜、焚火たきびの前で俺は昼間のエルフ少女の事を考えていた。


あの場を逃げるように去ってしまったのは、さすがに情に欠けたような気がしないでもなかったからだ。


そうでなくてもこの世界に来て初めて会った人間である。


自分には今情報がなにより必要であり、その情報を得られる機会をみすみす逃した感も確かにあった。


「いや、しかしな……」


だが、彼女が気配を感じさせずこちらを監視していたこと、何か訳アリな雰囲気を感じさせていたことから考えて、あれ以上やりとりをするのは悪手である気もした。


情報収集も重要だが、最初の情報は不特定多数の人間から、それもこちらが相手を選べる状況で収集したい。


そうでなければ相手の意図が含まれた情報を鵜呑うのみにすることになりかねない。


……そういえば、なぜ彼女は気配察知にひっかからなかったのか?


「ああそうか、彼女もスキルを持ってるのか。それはそうだよな、それくらい最初から用心しとけよって話だ」


杖を持ってたこと、彼女の興味が『魔法を使うこと』ではなく『使った魔法』にあったことを考えても、ネイミリアは魔法スキル持ちだろう。


それ以外にも『隠密』スキル、もしくはそれに類するようなスキルをも所持しているということだ。


よく考えれば……というか考えなくとも、俺以外の人間は当然として、もしかしたら魔物だってスキルを持っている可能性はあるのだ。


重大な反省事項だなこれは。情けない。


「そういえば電撃魔法を使ったんだよな。ステータス」




-----------------------------


名前:ケイイチロウ クスノキ

種族:人間

年齢:26歳

職業:なし

レベル:25


スキル: 

格闘Lv.5 長剣術Lv.6 短剣術Lv.5 投擲Lv.4

五大属性魔法(火Lv.4 水Lv.6 風Lv.6

地Lv.6 雷Lv.1)(new)

時空間魔法Lv.5 生命魔法Lv.3 算術Lv.6 

超能力Lv.7 毒耐性Lv.3   

多言語理解 解析Lv.1 気配察知Lv.5

暗視Lv.3 隠密Lv.3  


称号:

天賦の才 異界の魂 


-----------------------------




……またですか。またそういう感じですかそうですか。


「四大属性」が「五大属性」になるというのは、自然の原理的ななにかを勝手に書き換えているレベルなのではないだろうか。


「あ、まさかだが……」


手のひらを中空にかかげ、光を念じてみる。


電球やLEDなどの光をイメージしていると、手のひらに先にぼんやりとした光球が出現した。


何度か繰り返すと、それは直視できないレベルの輝度を持つにいたる。



-----------------------------


名前:ケイイチロウ クスノキ

種族:人間

年齢:26歳

職業:なし

レベル:25


スキル: 

格闘Lv.5 長剣術Lv.6 短剣術Lv.5 投擲Lv.4

六大属性魔法(火Lv.4 水Lv.6 風Lv.6 

地Lv.6 雷Lv.1 光Lv.2)(new)

時空間魔法Lv.5 生命魔法Lv.3 算術Lv.6 

超能力Lv.7 毒耐性Lv.3 眩惑耐性Lv.1(new)  

多言語理解 解析Lv.1 気配察知Lv.5

暗視Lv.3 隠密Lv.3 

 

称号: 

天賦の才 異界の魂 


-----------------------------




「今日はもう寝よう」


そういうことにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る