007. 細かいルールをつけるなら、まずヘルプを実装しろ
僕と山本さんの生き残り2人組は、ガチャを引いた時に皆がいた辺りを回って、ドロップアイテムを回収した。
この世界で生き残れる可能性を少しでも上げるためだ。
30人はいたはずなのに、落ちていたアイテムは3つだけ。
おじいさんのトレッキングポールを入れても4つだ。ドロップ率はざっくり10%前後だろうか?
僕達は装備品を2つずつ分配した。
ステータスメニューの「装備」タブを開くと、僕の装備はこんな感じになる。
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■装備一覧
右手/双剣:トレッキングポール
左手/双剣:トレッキングポール
頭部/
胴体/
腕部/
脚部/
装飾/首飾:絹のネクタイ
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これだけ見ると、裸ネクタイで両手に金属杖を構えている異常者みたいだけど、普通の衣服は装備欄に表示されないらしい。
この【双剣:トレッキングポール】や【首飾:絹のネクタイ】は、装備すると何かステータス的に補正がかかるようだ。
試しに
トレッキングポールは両手に持たないと装備扱いにならないし、ネクタイは頭に巻いても効果がない。その辺にも、何か厳密な仕様があるらしい。細かいルールをつけるなら、まずヘルプを実装しろ。
なお、実験後、装備変更の電子音声は設定メニューからオフにした。
それと、山本さんの方の装備はこんな感じ。
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■装備一覧
右手/
左手/
頭部/仮面:立体マスク
胴体/服:ダウンジャケット
腕部/
脚部/
装飾/
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もちろん、山本さんも全裸にマスクとダウンジャケットだけ着ている痴女ではない。ちゃんと制服の上に上着を羽織っている。
誰とも知れない他人がつけていたマスクをつけるのは衛生的にどうかと思ったんだけど、ドロップしたアイテムは新品と言うか、元の持ち物とは
「みぃの形見が出てくれてたら、良かったのにな」
山本さんは友達と一緒に通学していた所で、この、バスガス爆発からの異世界転移に巻き込まれた。
友達(多分みぃさん)の死んだ場所には、何も落ちていなかったらしい。
僕もガチャ直前まで会話していた、初対面のヤンキーっぽい人のドロップアイテムを探してみたけれど、こちらも特に何も見つからなかった。僕の方は正直大したショックでもないけれど、山本さんにとっては残念なことだろう。
その他の持ち物は、僕が通学用のデイパック、山本さんは革の学生鞄。
「それじゃ、これから……どうする?」
「一緒に人里を目指しましょう。お弁当はあるけど、1食分しかないものね」
ひとまず、そういうことになった。
人里に行けば何とかなるだろうか。
あの女神が管理してる(多分)異世界だし、人心も相当荒んでる気がするんだけど。
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