◇世界法則等解説(戦闘計算式、状態異常計算式)
本稿では戦闘等に関わる世界法則の解説を行います。
本編中の世界に住む者の大半は以下の法則や計算式を知りませんし、専門に研究している者ですら、完全に正しい理解をしている訳ではありません。
パソコンやスマートフォンの構造や仕組みを知らずとも、その使用に何らの恐怖や躊躇を感じない、という方は斜め読み、ないし読み飛ばしても問題ないかと思います。
長くなりますので、最後の「総括」の部分のみご覧いただいても結構です。
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◇世界法則等解説
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◆ダメージ計算式
基本的なダメージ計算は以下の3通りとなります。
※ 上限100、下限0
※※ 直撃で100%、素手・盾・魔法による防御や受流し成功で0~50%程度、回避成功で0%
■変動威力攻撃(素手や武器による攻撃等):
{[攻撃力×物理補正%-防御力×(100%-(防御貫通%-貫通抵抗%)※)]×(100%-(耐性%-(耐性貫通%-貫通抵抗%))※)
+[攻撃力×物理補正%-防御力×(100%-(防御貫通%-貫通抵抗%)※)]×(関連する特効加算値の合計%)}
×(ガード補正%※※)
■固定威力攻撃(銃や爆弾等):
{[固定威力×物理補正%-防御力×(100%-(防御貫通%-貫通抵抗%)※)]×(100%-(耐性%-(耐性貫通%-貫通抵抗%))※)
+[固定威力×物理補正%-防御力×(100%-(防御貫通%-貫通抵抗%)※)]×(関連する特効加算値の合計%)}
×(ガード補正%※※)
■魔法攻撃(一般的な魔法等):
{[魔法威力-防御力×(100%-(防御貫通%-貫通抵抗%)※)]×(100%-(耐性%-(耐性貫通%-貫通抵抗%))※)
+[魔法威力-防御力×(100%-(防御貫通%-貫通抵抗%)※)]×(関連する特効加算値の合計%)}
×(ガード補正%※※)
物理補正は「鉄の塊で殴る/尖った骨で刺す/体重を乗せる/燃やす/急所に当てる」といった、武器や技や魔法による「痛そう」な行動によるダメージ補正です。
ただし、攻撃力の値は「その存在が魔力無し、無手で行う全力攻撃」(格闘家の回し蹴り、ムサボリオオウサギの噛み付き等)が元になり、その場合に物理補正が100%となります。
「戦闘慣れしていない一般人」は無意識な加減が生まれ、ステータス上の攻撃力に物理補正30%~50%をかけた程度の攻撃しか行えませんが、例えば「安物の鉄剣を持った新人冒険者」ならば120%程度の変動威力攻撃が可能です。
魔法威力は「練度/形状/属性/規模」による総合的な補正値です。練度は精神力、形状は器用度が関わります。「練度/形状/属性」が同じなら大量の魔力を注ぎ込む方が「規模」が高くなるので、魔法の最大威力は実質的に魔法力にも依存します。
特効は「対人/対獣/対空/対霊/対物」の5種類があり、ステータスメニューの備考に記載された種族ごとに有効な特効効果が違います。例えば、
特効ダメージ分の計算は攻撃力と防御力を元にしていますが、属性は一切関わりません。例えば、炎熱耐性が100%の
複数の属性を持つ攻撃、例えば「炎を纏った鉄の剣」なら「炎熱によるダメージ」と「切断によるダメージ」を個別に計算します。
それとは別に部位破壊による割合ダメージ、それに伴う出血や火傷等による継続ダメージもあるため、計算は極めて複雑になります。
そのため、この世界の住民の多くは戦闘前のダメージ計算を行わず、「倒せそうだったら倒せる」「死にそうだったら死ぬ」という経験則で判断しています。
◆神聖と邪法
属性には「炎熱/冷気/電撃」の3属性と「圧力/切断/刺突/衝撃」の4属性、「神聖」属性、「邪法」属性の計9属性が存在します。耐性があればこれらの攻撃によるダメージは軽減されます。
内容は基本的に名前の通りですが、「神聖」「邪法」は以下の分類となります。
神聖:神に由来する力
邪法:創造神が耐性制定時に想定していなかった力
つまり、各種状態異常と「炎熱/冷気/電撃/圧力/切断/刺突/衝撃/神聖」を除くあらゆる肉体的ダメージソースが「邪法」です。具体的には、「捩る」「引き抜く」「剥がす」「揺さぶる」「震わす」「
創造神が元々想定していなかった属性のため、スキル以外で邪法耐性を持つ種族は存在しません。
この「邪法」の分類を正確に理解している者は極めて少数であり、高い知性と知的好奇心を持つ種族が独自に研究している場合、拷問などに関わる職業の者が感覚的に理解している場合等に限られます。
◆状態異常について
状態異常については本編中にも触れた通り、以下の種類があります。
■状態異常
毒………有害物質
混乱……精神異常
転倒……運動神経遮断
病気……身体異常
睡眠……精神活動遮断
魅了……感情異常
幻惑……認識異常
暗闇……感覚遮断(視覚以外を含む)
魔封……魔力操作異常
即死……霊魂遮断
この即死状態は「発症直後に死亡する状態異常」であり、死んだ者が即死状態になるわけではありません。
肉体/精神/霊魂が直接損傷した場合、ダメージ加算等によって死亡条件を満たせばそのまま死亡します。
あらゆる生物は個体内に「肉体/精神/霊魂」の要素とそれらの機能を持ち、例えば健康な人間は以下のような基本状態を持ちます。
人間{
霊魂{
個体認証:正常;
個体維持:正常;
};
肉体{
運動神経:正常;
魔力神経:正常;
感覚神経:正常;
臓器:正常;
};
精神{
思考:正常;
感情:正常;
認識:正常;
};
};
転倒の蓄積値が100を越えると
人間{
霊魂{
個体認証:正常;
個体維持:正常;
};
肉体{
運動神経:※遮断中;
魔力神経:正常;
感覚神経:正常;
臓器:正常;
};
精神{
思考:正常;
感情:正常;
認識:正常;
};
};
となり、一時的に動けなくなります。
混乱の蓄積値が100を超えると、
人間{
霊魂{
個体認証:正常;
個体維持:正常;
};
肉体{
運動神経:正常;
魔力神経:正常;
感覚神経:正常;
臓器:正常;
};
精神{
思考:※混乱中;
感情:※混乱中;
認識:※混乱中;
};
};
となり、考え方や感じ方が狂います。
暗闇状態にならなくとも視覚器官を損傷すれば視力は失われ、病気状態でなくとも不摂生で体調を崩すことはありますが、状態異常を発症すると、直接的に機能の異常が生じる訳です。(毒状態を除きます)
なお、即死状態の蓄積値が100を越えると、
人間{
霊魂{
個体認証:※遮断中;
個体維持:※遮断中;
};
肉体{
運動神経:正常;
魔力神経:正常;
感覚神経:正常;
臓器:正常;
};
精神{
思考:正常;
感情:正常;
認識:正常;
};
};
となり、そのまま死にます。
即死状態により死亡した場合、他の死因の場合と同様、状況等に応じて人間から亡霊などに変異することもあります。
あらゆる死者は個体内に「霊体/精神/霊魂」の要素とそれらの機能を持ちますが、生物から死者に変異した場合、霊体/精神/霊魂は生前の状態をモデルに新規構築されます。
健康な亡霊は以下のような基本状態を持ちます。
亡霊{
霊魂{
個体認証:正常;
個体維持:※不安定;
};
霊体{
運動操作:正常;
魔力操作:正常;
霊体感覚:正常;
};
精神{
思考:※鈍化;
感情:※鈍化;
認識:※鈍化;
};
};
多くの種族は種族特性として状態異常への耐性を持っており、肉体系の状態異常蓄積は体力、精神系の状態異常蓄積は精神力で軽減することが可能です。ただし、精神系については抗う意識の有無によって抵抗量が増減します。
例えば、元々好意を持った相手からの魅了付与はほぼ素通しになります。
この種族特性としての耐性は、戦闘に関わる者であれば、最低でも「我慢すれば耐えられる気がする」程度の理解は持っています。
◆総括
戦闘計算式、状態異常計算式に関する基本的な解説はこれにて終了です。
ここまでを3行でまとめますと、以下の通りです。
・この世界の住民もあまり理解していない
・死ぬ時は死に、耐えられる時は耐えられる
・最終的には結果が全て
本稿で解説した計算式にも関わることですが、現代では、
しかし、古代では状態異常耐性スキル、属性耐性スキル所有者の絶対数が多く、そのドロップアイテムによる耐性取得も比較的容易であったため、耐性を無視できる「特効スキル」が最も有利なスキルとされていました。
なお、神代ではスキルの違い以外に同格個体間の性能差が存在しなかったため、あらゆる相手に有利を取れる「能力強化スキル」が最も優秀なスキルとされていました。
昨今は古代程とは言いませんが、各地でガチャに関する新たな手法や裏技が生まれ、スキル保有者が徐々に増加する傾向があり、また環境が変わって各スキルの評価も変動する可能性があります。
1万年後にはどのようなスキルが主流となるのか楽しみですね。
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以上で世界法則等解説は終了となります。
それでは、引き続き本作をお楽しみください。
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