初体験、してきました。


 へへ。調子に乗って、連日の投稿です。

 先週末。ステージの大道具さんばりに音響反射板の設置をしてきました。え、なんでそんなことを素人の主婦が? って。それは、娘の吹奏楽県大会後に遡ります。


 今回。県大会当日は、蔓延防止措置が出たもので、無観客コンクールになったんですね。音楽ホールでの無観客って、どういうことを意味するかお分かりになりますか?

 ——そうです。響き過ぎるって、いうデメリットが発生するんですね。


 ホールの音響って、観客がいての計算がされていることが多くって、客がいないホールの響きってものすごい。私も経験があります。カクコン6作品の舞台になっている(仮)星音堂も然り。ゲネプロの時は響き過ぎて、周囲の音がよくわからない。ところが本番に客が入ると、あら不思議。響きがまとまってくれるという魔法です。


 今回も、そのデメリットが全面に出たようです。動画配信で見ているこちらからは、そう不具合があるようには聞こえませんでしたが、演奏している当事者たちは、もうすったもんだしていたようです。


 大会後の反省会で指揮者の先生が子ども達に言いました。


「先生、びっくりしました。あんなに響いて、みんなの音があちこちから聞こえて、最初ちぐはぐになってしまった。みんなはどう? 隣の音聞こえなかったでしょう? 今回の演奏をそのまま次の大会に使うことはできますが、どうでしょうか? みんなはどうしたい?」


 子ども達も大きく頷いているのを見ると、それは結構なアクシデントであったということは理解できました。先生以下、子ども達全員が、動画の撮り直しを希望したんです。まあ、そんな中で最高の演奏を見せたというのは、日頃の訓練の賜物なのでしょう。


 動画が必要な理由は、次の大会は九月の上旬で、県外の学校が集まる大会になるため、このコロナ禍の影響で、動画審査になる可能性があるとのこと。で、通常開催の可能性は模索しつつも、動画を先に提出しろと、連盟からのお達しがあったのです。


 で、お盆休み返上。連日の練習に加え、お盆期間中にも関わらず、バスに乗って、遠征をしての作業を行うことになったのです——。


 と、ここまではなんだかカッコイイ感じなんですけれども、実情はシビア。急に押さえられる音響設備の整ったホールがなかなか見つからなくて、初めて使うホールに足を運んだんですよ。付き添いは、保護者五名、先生三名。、講師二名という小規模人数で。


 楽器の積み下ろしは、今度の大会に保護者が付き添えないので、子ども達に練習を兼ねてやらせることになったので、気分は楽だったんです。しかし——。


 なんと、到着してみると、ホールがすっからかん。なんにもない。音響反射板すらない。どういうこと!?


 よろよろとして、声の小さな、ホール担当のおじいちゃんが一人ぽつんといるだけ。


「(ボソボソ)あの、これから音響反射板を設置してもらってから、山台の組み立てをしてもらって……」


 ——はあ!? こちとら素人だぞ! 音響反射板を設置って、……え? え!?


 音響反射板は、ステージの背面にあるクリーム色をした、壁みたいなやつですよ。あれ、何個かのバーツに分かれていて、動かせるんですよね。一つ200キロあるんですって。それを約十個程度動かすんですよ。


 もうね。田舎のホール、ヤダ。死にそう。終わったら片付けまでしろって。おかしいだろう? 倒れて怪我したらどうするんだよ~!


 でもやっちゃうのが主婦。母の強いところ。結局、お母さんたち五名と、先生一名(先生も女性で同年代ね)の六名で、見事に設置完了させました。もう職人ですよ。


「〇〇(苗字)側に押してください!」

「ここから旋回します!」

「こちらOKです!」


 みんなで掛け声をかけて、素晴らしい連携プレー。音楽ホールの出入りは良く致しますが、設置から関わるのは初めて。初体験です♡


 結局、不慣れなところでの作業で、設置までに1時間半を要しました。そして、片付けの時間も差し引くと、それだけ練習時間は削られる羽目に。

 

 そこにきて、子どもって正直なもんで、いい成績をとったおかげで、気がそぞろ。集中力の欠片もないんですよ。

 

 うちの娘なんて「私は褒められて伸びる子」なんて豪語しているくせにね。やっぱりね、怒られてなんぼですよ。子どもって。褒められると気が抜けるんだよな~。


 体中、打撲痕作りながら作業した母たちは、もうハラハラですよ。だって、。5月6月くらいに戻ったんじゃないかってくらい下手。これじゃあ、東日本大会になんて進めるはずがありません。このままでいくと、動画開催の線が濃厚なのに、へたくそな動画では勝負も出来ない。北海道はどうした! 頑張れ! もう、気が気じゃないってこのことです。


 講師の先生も頭を抱えています。で、会長さんのところに「設置に1時間半でしょう? 片付けってどれくらいで出来ます? ちょっとこれじゃあねえ——もうちょっと録画したいんですけど」と打診にきたんです。で、会長さんの返答。


!」


 ——言っちゃったよ~! いや、多分、出来ると思うけれども。


 結局。片付けは45分で完了。きちんと音響反射板も元の場所に片付けて帰ってきました。


 いや。昨日も風呂に入って自分の足を眺めましたが、膝周囲の打撲痕が消えません。それだけ、無我夢中でやってのけたのでしょう。おにぎり騒動で深まった絆に勝るものはありませんね。母の愛、強し……。終わった時の連帯感ったら、堪らないものでした笑


 なんとか最後の演奏はになりましたけれども、そう納得のいく動画ではありません。9月になんとか無観客での開催が出来ることを祈りつつ、今日も娘と大好物を断って、願掛けをしているところです。


 もー、本当にコロナくん。お願いします!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る