「推し」の話を娘とする日常


 三日連続のエッセイですよ。おお、少しは書く気持ちになってきたのか? と自分で自分をほめているところです笑


 昨日から学校が始まりました。長女は六年生。で三クラス編成から二クラス編成になるんですって! このご時世に信じられません。六年生の図体の大きい子どもらが、三十人以上でみっちり座っているところを想像すると、親としては黙っていられない。たまりかねて教育委員会にメールをしました。


「このコロナ禍。さまざまな場面で国は特例措置を講じております。どうぞ教育の場面でもご配慮いただきたい」


 しかし回答はこう。


「○○県(今さら伏字)では、以前より国の基準よりも緩和してクラス編成を行っておりますので、規定通りにクラス編成は行いたいと思います。今後も感染防止対策を徹底し努めてまいりますので……うんぬんかんぬん」(こんなニュアンス)


 の返答。——嘘だろう! この堅物野郎! 人件費のこと考えたって致し方ないんだろうが。感染防止をしているのはお前らじゃなくて、現場だ! と叫びたくなりましたけれども諦めます。行政の白黒はよく理解しておりますので、一意見として届いただけで満足といたしましょう。


 そんな長女ですが、以前からアニメ好き路線に突入しているのは知っておりました。小学校高学年くらいになると女の子は二つの路線にわかれて人生が変化するのではないかと思っております。一つは「お洒落路線」。今時のお洒落に興味があり、動画などを鑑賞するタイプ。そしてもう一つは「ヲタク路線」。アニメを愛で、お洒落には少し興味があるけれども、漫画やアニメにはかなわないという路線。我が娘は明らかに後者であり、私と同じ人生を歩むのだと思っております。


 その彼女が最近、私に尋ねてくるんです。


「お母さんのは誰?」


 それが結構しつこいんですよね~。いやね。そこで芸能人の名前が出てこない時点で娘と同等なんですけれども笑


「えっとね。サイコパス3のけい。炯・ミハエル・イグナトフ。声出しているのがユウキャン(注:中村悠一さんのこと)だしさ。見て、あの立ち姿。もうね王子の風格でしょう? 蒼い目が素敵よね~」


「ユウキャン? ああ、おそ松さんのカラ松だ。 呪術廻戦の五条悟の声もでしょう! 私もあれ好き~。やっぱり五条悟は最高だよね。やっぱりね。少しクールなキャラがいいかな? 炯もいいよね~。すらっとしててカッコイイし。でもね。私、福山さんも好きだな~。ほら、妖怪ウォッチのラントでしょう? おそ松さんの一松だし。コードギアスにも出ているよね! あ、そうそう。やっぱり鬼滅はいまいちだな~。絵が美しくない」


 ——そうだ。彼女はもうすっかりアニメイトではないか! なにせ声優を判別する力を有したのだから……!


 ドラマもみない。テレビ番組もみない。ひたすらアニメを見ている彼女を眺めていると思うこと。


 ——血は争えない。いや。そういう環境に陥れたは私だ!


 彼女が生まれたのは十年前。当時、彼女とアニメの話、推しの話で盛り上がるなんて思いもよりませんでした。女子三人の家族。これからも推しの話で大盛り上がりの毎日になるんでしょうか。

 できれば私の希望としては、人並にお洒落な女子高校生になって欲しい。地味な女子高校生にはならんでくれ。そのためには母は何でもするぜ! 縮毛矯正だってさせてやるし、服だって買ってやる! そう思っているところですけれども、きっと彼女がせがむのは「漫画」「DVD」「アニメグッズ」になることが目に見えて明らかであります。

 コロナ禍が収まったら彼女が一番行きたいところは——アニメイト!


 いや、人生楽しそうです。


 お子さんと「推し」の話をしたりしますか? なかなか楽しいものですね。




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