じゃあ、少し調停のこと書いてみましょうか。


 プロフィールでも触れたところですが、昨年、「調停」なるものを経験しました。こんな機会は生まれて初めてで、かなり疲弊しましたが、終わってみると、「ああ、こんなものなんだな」という感想でした。


 仕事で調停員をされている方に「調停は簡単。揉め事があった時は、まず利用してみるのもいいもんなんだよ」と言われていたことを思い出します。今回、夫が「申立人」なので、私は「相手方」という括りで、書類が届きました。最初に「期日通知書」「提出書類について」申立人が書いた「申立書の写し」が郵送で届きます。しかし、申立書を眺めると、相手側の申立ての動機がまた……っ!「性格が合わない」に丸なんか付けやがって。違うだろ……っ、お前の理由は……とかね!

 もうもう頭に来て、闘志を燃やす訳ですよ。もう夜も眠れません。

 娘を取られるのではないかとか、お金はどうなるんだとか、不安だらけってヤツですよね。でも、ここは冷静に。

 はじめての調停までに着々と準備をこなさなくてはいけないのです。必要書類は調停の内容によって違うと思います。私の場合は、財産分割の内容があったので、「車検証」「預貯金通帳のコピー」「生命保険の解約した場合の返金がいくらになるか」などの資料の提示を求められました。

 今回の場合は、「離婚をするのか?」「子供の親権をどうするのか?」「養育費はいくらか?」「財産をどうするのか?」という四点。正直、心は「離婚する!」ですが、ここは堪えて。こちらから切り出すと「お前が離婚したいと言ったからだ」と言われかねないので、初回は「離婚はしたくありません。なるべく円満に調整して欲しい」と訴える作戦をとることにしました。

 

 調停ってすごく混んでいるんです。申立て日から、初回調停までの期間は1ヶ月以上ありました。初回は、申立人が先に呼ばれて相手方は30分遅れの時間が指定されます。この時間差呼び出しは、二回目以降も交互に続きます。

 家庭裁判所の窓口に顔を出すと、指定された待合室に案内されました。待合室は、申立人と相手方が顔を合わせないように工夫された場所になっています。

 私は合計五回の調停を行いましたが、毎回、いろいろな人が待合室にいましたね。これがまた面白い。

 スーツが不似合いな、ちょっとふくよかなおじさん。落ち着きなく、待合室を出たり入ったり、手帳を見たみたり、スマホで電話をかけたり。「めんどくせー」と独り言を呟くんですよ。そんな人と複数回一緒でした。

 弁護士同伴で、妻に財産を使われている上に、彼女には恋人がいる。だけど、今回、妻の方が申立てしてきたってことは「まずいなにかあるんですよ」と、弁護士に言われている中年の男性。

 高齢の弁護士同伴で来ている高齢女性。どうやら娘が申立人のようです。調停は、話が決まると申立人と相手方が同じ部屋で話をしなければならないのですが、この方は調停員の判断で、弁護士が代理人で呼ばれていました。

 いや。ほぼほぼが離婚調停なんですけど、お金の問題、近所とのトラブル、親子関係などなど、いろいろな事件があるものだと勉強になりましたね。待合室で待つ時間は本当に落ち着かなくて、好きな「パディントン」の本を読んで待ちました。


 調停員は二名。私の場合は、一人は弁護士で、もう一人は厳しい顔つきの中年女性でした。二人は、終始穏やかな口調で、世間話も交えて話をしてくれました。お互いの言い分を聞いて相手に伝えたり、法律上の規定なども説明してくれたり、離婚をすることでの子供への影響を考えるDVDを見せられたりしました。また、今回は養育費算定表が新しくなった時期でもありましたので、裁判官の方がその説明をしてくれました。調停は一ヶ月に一回のペースで行われて、半年を超えるような場合は、調停不成立になる場合もあると聞いていたので、五回で纏まったということは、まあまあ上出来でした。


 終わって思うことはですね。調停をしたら、平等にされるということです。相手が浮気でもしているなら慰謝料でも取れるんでしょうけど、一般的な離婚の場合は、こちらだけが美味しい話ではないということです。養育費も算定表に準ずることになるし、財産も全て半分こ。ともかく、私だけが得するなんてことはないということです。あとは、調停するなら、その事件についての出来事をまとめて提出するということが有効でした。私の場合は、離婚に至った一連の出来事を数年間、書き留めた書類を提出したので、短時間で事情を理解してもらえました。


 まあ、ともかく、終わってしまうと、「あっという間」なことですけど、疲弊したのは確か。この数年間で体重は18キロ減。夜は眠れず心療内科にも通いました。娘たちも不安定な時期があって、母親としてもずいぶん悩みましたね。自責の念もあったしなあ。離婚は結婚するより大変って、本当だなーって思います!


 あくまで私の経験したことでしたが、皆さんもなにか揉め事があった時には、ぜひ、調停をご活用ください!笑

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