これで本当の卒業です。


 先週、土曜日。長女の吹奏楽のミニコンサートがありました。本来であれば、2月くらいに開催されるんですが、新型コロナウイルス感染症の影響で、ズレにズレ込んで、まさかの4月。彼女たちは3月31日で、一応、小学生からおさらばしているはずなのにね。昨日まで小学校に行って後輩たちとの時間を満喫してきたようです。


 ミニコンサートは、全体合奏が出来なかったので、小分けのアンサンブル発表。

 当日、3年生の演奏もありました。簡単な曲です。正直に言って、とってもへたくそ。音になっていないんじゃないかって演奏なんです。もう可愛さだけで許しちゃうってレベルの話なんですが。長女もそんな時代があったんですよね。

 

 彼女たちが3年生だった頃、6年生の演奏を聞いて「ああ、こんなにうまくなるんだろうか」って、他のお母さんたちと話をしたことを思い出します。そんな3年生の赤ちゃんみたいだった子ども達も、こんなに立派になっちゃって。最後に披露された6年生だけの演奏を聴いていると、この4年間の色々が走馬灯のように巡って、涙なくしては聞くことができませんでした。


「うちの子、あんな風に吹けるのかしら……」


 3年生や4年生たちのお母さんたちから、そんな言葉を頂いて、自信をもって「大丈夫ですよ」って答えた自分は、数年前の6年生のお母さんたちと重なります。こうして、子ども達も成長するけれど、親も同じく成長するんだなーって、なんだかおもしろいと思いました。


 3年生の頃は、先輩たちが練習している裏で大騒ぎをして、一週間もしない内に「クビ」と言い渡されたことが。翌日、みんなで集まって先生に謝りに行く算段をしたそうです。赤ちゃんだったあの子たちには、最初のハードルでした。


 4年生。やっとスタメン入りしたものの、古い楽器と、スキルが伴わず、「音程ズレるから吹くな」と言われて、結局は一小節くらいしか出番なし。それでも練習には休まず参加をして、吹いているふりだけはすこぶる上達しました。


 5年生。卒業した先輩にちょっぴり意地悪をされて、「行きたくない」「辞める」って、しばらくお休みした時期もありました。コロナが猛威を奮っていて、ホールでの大会は軒並み中止。唯一開催された録音審査でのコンテストで全国に動画を送っただけの一年。この年の6年生は、本当に可哀そうなことをしたと思います。


 そして6年生。初めてのリーダー。大人しい子たち揃いの6年生でしたから、部長が決まらず、「全員部長」の意気込みでコンクールに挑みました。5年生の時、中止になったコンクールは、シード権というプレッシャーを受けながらも最高の賞を頂くことができました。今年の6年生はリーダーがいない分、団結力があり、それぞれがそれぞれの役割を担っている、まとまりのある学年。後輩たちもかわいがって、意地悪をするような子もいません。先生たちも「素直だから、今年は伸びる」と期待してくれて、お盆休みも返上の365日練習みたいな一年でした。


 その甲斐あって、みんな仲良し吹奏楽部だったと思います。出来ない子のために、何時間も話し合いをした経験も、一緒にお泊りをした経験も、みんな彼女たち、彼らの宝物になると思います。


「普通の女の子に戻る」と言って、中学校では吹部に入らない子もいると聞きますが、今年の6年生はみんな吹部に入る予定。後輩たちとも、「1年我慢すれば、また一緒に演奏できる。待っているね」と明るく挨拶を交わしている姿は、もうすっかりお姉さん、お兄さんですね。


 うちの娘は、引っ込み思案で、人見知り。吹奏楽やっていなかったら、友達なんてできなかったんじゃないでしょうか。先輩も後輩もいて、同級生もいて。幸せな小学校人生を送れたのではないかと思います。


 いや、母もこれで卒業です。どっと安堵したおかげで、お腹の風邪を引きました。日曜日からお腹が痛い。ずっとポカリで暮らしています。うう。美味しいの食べたいけれど、食べると腹が痛い。昨晩は、ちょこっと誘惑に負けてビックチョコを食べたら、今朝はもうトイレと主友達です。そんな理由でお返事が滞っております。すみませんー。


 少しずつ日常に戻って頑張ります。桜、やっと咲いてきました。

 春ってお別れもあるけれど、出会いもある。今年の春は色々と感慨深い春になりました。みなさんの春はいかができたか?



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