キャラクターづくり その②【じゃあ、それどこまで晒す?】



 いやあ、もう連休も疲れ果てましたが、長期休暇明けの仕事もシンドイものです。私の業務は10日締め切りのものが多くてですね、昨日は自分でもなにをしているのかさっぱり分からずに一日が終了した、という感じです。

 電話はあちこちでなりっぱなしですしね。手間のかかる堂々たる新人おばちゃんには、逆切れされるしで、もう惨憺たる状況でした。


 今朝は長女が、火傷しながら卵焼きを焼いてくれましてね。もう涙ものです。「私もまぜまぜしたよ」と次女。お母ちゃんは涙が出ます。「たけのこ」娘のクセにね(エッセイ「たけのこ!?」参照)笑



 さて、先日から「キャラクターづくり」について拙い持論を展開しております。たくさんの方に読んでもらい、しかもコメントまでいただいて。本当に嬉しい限り。創作論をここで書くということって、結構勇気がいる行為なのだと自覚しました。

 「そんなのないよ~」とか、「嘘だろ?」みたいな反応が来やしないかとひやひやするもんですね。メンタル豆腐なもんで……笑


 先日の設定は、私の個人的な趣味も絡んでいます。そもそもがヲタク気質。好きになると隅々まで知りたくなる。そういう性質の結果、自分で作るキャラの細部まで設定を考えたくなるという思考がそうさせているのだと思います。まあ、細かく設定するということに賛否両論はあるのだと思いますけれども、少なくとも長編を書くのであれば、しっかりと設定することで、キャラがぶれなくていいのではないかと思っています。

 その一方で、短編に登場するキャラたちは思いつきが多く、長編作品のキャラよりも断然、白紙設定が多い。作品の量に合わせて設定をどこまでするかを決めるということも大事なのではないかと思います。

 

 しかしですね、先日このエッセイを書いていて、改めて自分を振り返って気が付きましたが、逆を言えば、「細かく設定しすぎるから、短編では書き切れない」ということなのかも知れない——ということ。「そのキャラをもっと書きたい」「ここも表現したい」。そう思っていると、ついつい長くなる。だから私の作品は長編が多い。これが私の特徴なんだと再確認いたしました。


 一人称の場合、キャラの設定を詳細に出さないほうが効果的な場合があると思います。例えば、読者がその主人公に感情移入しやすいように、容姿などを敢えて最小限に留めるという手法がありますよね。

 「疲れ切った中年のサラリーマンが、女子高校生と恋愛する」、みたいなテーマになると、中年男性の読者は、主人公の「中年サラリーマン」に共感し、同化し、女子高校生との恋愛の疑似体験が出来ます。

 それと同じ効果が期待される媒体は、恋愛シュミレーション系のゲームや、ラノベ系、アニメ系に多数見られますよね。主人公はあなたですよ! と言わんばかりに、イラストも顔がぼやかされていたり、平々凡々などこにでもいるキャラクターという設定が大半です。それが突然、環境が変わったり、異世界転生をしたりして、美少女やイケメンたちにモテモテになったり、実はすごい能力を持っていた——とか、無双になっちゃうとか、そういう話ですよ。あれはもう典型例ですよね。自分も主人公と一緒になって、わくわくする人生を疑似体験するものです。 

 ですから、感情移入しやすい状況にするためには、キャラの輪郭は少しぼやかしたほうがいいということですよね。あまりにキャラが立ちすぎると、「これはおれじゃねえ」「私とは違うのよね」となってしまう。

 一昔前に流行ったドリーム小説(読む前に自分の名前を入れると主人公の名前が自分に変換されるというもの)なんかは、この典型例でもありますね。



 ところがですね。私の取り扱うBLの場合は少し様相が違います。なにせ、読者は女性がメイン(いや、例外もあると思いますけれども)。で、登場するキャラはほぼ男性。となると、女性読者はキャラと同化は出来ないし、それは望んでいないということ。つまり読者は、「他者のなんやかんやを傍観して楽しみたい」という訳なのです。

 ですから、BL作品の場合、キャラの外見は大変重要です。「身長まで」というコメントもいただきましたが、ここ重要。推しカップルの身長差は、読み手としては、ぐっとさせられるかどうかのポイントでもあるからです。

 私の作品の「田舎犬都会猫」の主人公の保住と銀太の身長差は約24センチ。これって、結構重要なもので、読んでくださる方はきっと、保住と銀太が並んで歩くと、どんな感じなのか? 腰に手を回すと? キスするときは? その体格差がエロシーンでどんな雰囲気になるのか……と妄想するネタとして有効に作用しているのではないかと思います。そう、妄想するには材料が欲しい! ってなわけです。

 少し前にTwitterで「理想の身長差は15センチ」というのがトレンド入りしていました。そういう見た目って、結構ぐっとくるのかこないか、のポイントであるということの現れなのだろうと思ってみておりました。


 つまりですね、詳細な設定をどこまで晒すかは、作品の持つ特徴や、ターゲットに合わせて行う必要があるということ、だと思います。

 入り込んで欲しいのか? 

 傍観者として楽しんで欲しいのか? 

 ですから結論。必要な情報は設定するけれども、いらないところはいらないのだ! ということ。作品に合わせて、設定する項目を決めていくということがいいのではないでしょうか。最初から全てを詳細に設定をしようと思うと負担ですからね。って、すでにみなさまにおかれましては、取組んでいらっしゃることではないかと思うのです。ああ、恥ずかしい。これは、自分を振り返るエッセイとして残したいと思います。お付き合いいただきまして、本当にありがとうございます。



 「図表を駆使しろ!」まで話が及ばずにこんなに文字数を重ねてしまいました汗。 それについては次回へ。


 本編のストックがあと数話となりました。推敲してあげないと。下書きが少なくなるのって恐ろしいことですね。連休の疲れがありますが、みなさんもよい週末を!

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