キャラクターづくり その④【図表を使う】最終回



 昨日は長女のエッセイに、いろいろなコメントを頂きまして本当にありがとうございます。美容室でセットしてもらい、新しい眼鏡も購入してご満悦な彼女は、今日も朝から卵焼きを焼いておりました。いや、嬉しいんですよ。でも連日の卵焼き攻撃に、少々疲れている母です。


 長女を見ていると、自分の幼少期を思い出します。そうです。私の子供の頃にそっくりなんです。彼女が成長すると私みたいになるんだと思うと、今から心配になります。なんとか大きくなってくれ。そして、世間を騒がせるような事件だけは起こさないでくれ。人並に生活が出来ればいいんだ……と、心の中で唱えながら、子らの成長を見守っていきたいと思います。


 さて、長々と書いてきたキャラクターづくりについてですが、今日で最終回です。先日は家系図を書くということについて触れましたが、今回はその他の図表についてです。


 一つ目は、あいるちゃんも「私も書きます」とおっしゃっておりました、間取りです。間取りは書くかた多いのではないでしょうか。そもそもが漫画書きから出発した私。文章を書く際にも、頭の中は漫画やアニメ調のイメージがぐるぐるとめぐっている状況です。なので、妄想を一貫性のあるものにするためには、間取りが結構大事です。

 とはいいつつ、間取りの書き方にもルールがあるようですが、私の場合はテキトー間取り。雰囲気がわかればいいかな? と思っている程度です。市役所内部については、ネットなどであちこちの庁舎見取り図を見ては、イメージに見合ったものを採用します。

 個人の家については、ネットの間取りを採用するというよりは、自分の経験した間取りを活用することが多いです。若いころは引っ越しが大好きで二年に一回、引っ越しばかりして、引っ越し貧乏になっていた経験が活かされます。今までに住んだアパートは六ケ所になります。一戸建てについては、仕事柄、いろいろなお宅をお邪魔するもので、雰囲気がよさげな家を作中で想像して取り上げることが多いです。

 間取りにも人間性が出るんだと思います。家の中で、どこの部屋を当てが割れるかで、その人の家族での立ち位置がわかるものです。例えば、南向きの一番いい部屋に位置する人間は、その家族の中で権力を握っていることが多い——ってな具合です。

 長編の場合は、自宅内でのやり取りも多い。特に私の「音楽ホール」では主人公の二人は同棲をしておりまして、自宅内でのやり取りが多い。必然的に間取りが必要になりました。


資料3「間取り図」:音楽ホール/関口と蒼の家

https://twitter.com/ki_usako/status/1392661937788395521?s=21


 二つ目の図表は「時系列表」です。時系列とは、時間軸を見ていくときに活用します。私の長編は時間的経過が結構重要です。父親の代の登場人物が息子にも関わってきたりするわけです。そうなると、時間軸がごっちゃになって、書く時に整合性が取れなくなるんです。なので、時系列を現す表を使う場合があります。


資料4「時系列表」:田舎犬都会猫の場合

https://twitter.com/ki_usako/status/1392662145628741634?s=21


 最後に。これは私の趣味で番外編。市役所を舞台に長編を書いているんですけれども、そうなるとキャラがどんどん増えていくんです。で、市役所って異動も多くて、どのキャラがどこに配置されていて、どんな役職で……とか、いつからいつまでどこにいたのか? とか。ここが一番の悩みどころでして、それで編み出したのがエクセル管理。過去から未来へ、あらかたのキャラの経歴をこちらで設定しています。もう人事課の仕事をしているみたいで楽しい。趣味ですね。ほとんど。


資料5「役職、配属先管理表」:田舎犬都会猫の場合

https://twitter.com/ki_usako/status/1392662485300170756?s=21


 ということで、キャラクターにまつわる色々でした。キャラクターづくりに没頭してしまうと、それだけで終わる——なんてことも結構あるわけで。あくまでも物語の核となる部分だという線引きが重要なのだと思います。


 私はキャラクターづくりに必要なものはリアリティだと思っております。三十代男子。サラリーマン。恋人もいない、コンビニ弁当ばかりの寂しい生活の男子が、急にモテモテになるとかね。そういうのはラノベ転生モノでは受けるんでしょうが、少々私には違和感があるんですよね。


 やっぱりキャラは実生活に居そうなキャラがいいと思うんです。これ私の好みですが。ふと振り向いたら、「ああ、そこにいたじゃん」みたいなね。ですから、日々の生活で出会った人、一人残らず観察しまくりで、「お、このキャラ面白いねえ」「使えそうじゃない」という要素をいろいろな人からいただいて、そして足して、割って、キャラを作っているというところです。


 昨日も、オカメインコに似ている男性にお会いしました。色白でほっぺがオレンジ色なんです。かわゆいでしょう? これ、なかなかいいキャラ。どこかで使おうと思っております。電話口で「スー、スー」鼻息の音がする男性がおります。「電話口の向こうの人の匂いをかぎ取ろうとしているんじゃないか?」って思うくらいすごいの。「ストーカーかよ」って職場で話題になりましたが、そういうエピソードも面白い。慣れない場所に行くと不安になっちゃって、私の後ろをくっついてくる人がいます。カルガモみたいで面白い。アニメの画像を待ち受けにしたり、フィギア飾っちゃったりして、上司に説教を食らった職員さんも知っています。これ、採用。作中で実際にアニメヲタクの職員を作って、このエピソードを入れ込みました。


 事実は小説よりも奇なり——。世の中にも面白人材であふれております。もう、キャラにしたい人盛りだくさんです。面白キャラが出来上がると、創作意欲も掻き立てられるし、物語の展開が広がると思います。ある事象が起きても、キャラの色で物語の展開が違ってくる。キャラが勝手に動き出す——とはそういうことではないでしょうか。ぜひ面白キャラ、愛すべきキャラを作成して、楽しく執筆活動を展開していきましょう。


 日々の中で人に興味を持つ。これがキャラづくりの基本なんだろうなと思います!






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