ご近所付き合い
このエッセイももう171話なんですって。長すぎますね。そろそろ新しいものに切り替えたいところですが、171で終了ーってなんだか中途半端な気がして。となると、200話まで頑張るしかないか……。
新年度が始まり、色々とせわしない毎日。あっという間に一週間が過ぎ去っていきます。中学生になった長女は、なんとか楽しく通っています。
土曜日にコロナワクチンを打ってきたんですけれども、初めて行くクリニックでした。「痛み」の専門医らしく、接種後、鎮痛剤の処方がない代わりに「ビタミンC」を摂りなさい、とのこと。ビタミンCを摂ると、マクロファージがどうのこうのって、説明してくれたんですが、ちょっとよく分からなかった。ともかく、機序は不明ですが、「ビタミンCで、ワクチンの副反応を局所部痛に抑え込める!」と言いたかったようです。
まあ、よくわかりませんが、ともかくビタミンCのサプリを娘に飲ませたところ、結果、発熱なし。局所部の痛みで済んだようです。私自身も、副反応が少ないタイプなもので、私と似た性質があっての結果なのか、それともビタミンCの効果なのか。よくわかりませんが、これからワクチン接種される方、物は試しでビタミンCを摂取してみてはいかがでしょうか?
今月は、昨年度に担ってきた役割の交代の月です。結構夜の会合に引っ張り出されます。育成会長や、吹奏楽の保護者会役員がそれです。
私の住んでいる場所は、町内会に属している世帯数が少ないです。田舎の割りに、町中なもので、新しい家が建つとか、アパートが建つような場所がない。そのおかげで、元々住んでいる人たちが高齢化する一方、若い世帯が引っ越しをしてくる気配がない。今年度なんて、新入生ゼロ。卒業生4人のおかげで、育成会のメンバーは激減です。そこままいくと、育成会も消滅するか。隣の育成会に吸収されたほうがいいのではないか、というくらいのメンバーなんです。
しかし、会員数が減ったとしてもやることはやらなくちゃいけない。町内会から補助金をもらっている関係で、育成会長は町内会役員に入れられて、役員会に顔を出さなくてはなりません。欠席しようものなら、町内会の事務局の人がわざわざ家まで尋ねてきて資料を説明してくれるんです。そんな手間をかけさせられない、と思えば、やっぱり役員会に行くしかない。二日前の土曜日も致し方ないので、最後の役員会に参加してきました。
町内会の活動をしているのは、高齢の方ばかりです。三役の更新にしたって、結局は同じ人が続投するだけ。まあ、就労して、町内会の役まで担うのは、かなり大変なことだと思いますから、これも致し方ないんですけれども。
この役員会でね、「ちょっといいですか」って手を上げる御仁がいるわけです。この人ね。毎回手を上げる。そしてああだこうだと言い始めるんです。
前回の役員会の時、「道路愛護デーをコロナでいつまで中止にするんだ。うちの町内だけ、雑草が生えていて見苦しい」って言うんですよ。で、突然、来週末にやればいいとか抜かすわけです。若い世帯には厳しいんですよ。週末は大事で、色々な用事が詰まっている。急にやろう! ってわけにはいかないんだ。「やめてー」って意見を言いたくとも、若輩者が手を上げられる雰囲気ではないんです。
じっと黙って様子を見ていると、「それは無理でしょう」って反論してくれる人が。「側溝の土砂を行政が持って行ってくれないんだから、やってもやりっぱなしになるでしょう」って。
——やったー! そうだ、そうだ。
と、心の中でそのおじさんを応援。会場の雰囲気が、「無理だろう」的な感じになっている中、突然。そのおじさんお隣に座っている女性が「はい」と手を上げました。
「私は医療従事者ですけれども、今やるべきだと思うんです。今、まさにコロナ感染症が収まっている今しかないんです! 衛生面から考えてもやるべきです。感染対策をきちんと取って」
——おおい。私も医療従事者の端くれだが、別に感染のリスクを冒してまでやるべきなのか? これから冬に入るんだぞ。
そんなことを思って静観していると、なんと。おじさんと女性が喧嘩を始めてしまったんです。
「お前は黙っていろ」
「あら、私は医療従事者として、当然の意見を述べているだけです。心配ばかりしていたって、なにもできませんよ! あなたはいつもそう……」
——ああ、この人たち。夫婦らしい。
なんと。側溝の掃除を巡って、公然と夫婦喧嘩が始まります。ああ、これだから、田舎の町内会は恐ろしい。
結局、多数決で側溝の掃除はやらないことになりましたが。こうして町内会の集まりに参加してみると、地域のことがよくわかります。そして、相手にも分かってもらえる。
しかし、私より地域のことを熟知しているのは娘たちです。役員会の後、こういうことがあってね……というと、
「ああ、〇〇さんでしょう? 野菜作るの上手なんだよ。葡萄も作っているみたいで。私、この前、御馳走になった」ですって。
ばあちゃんと過ごしている孫は、地域とのつながりもすげー。私よりも地域のことが詳しいです。地域の宝なのかも知れませんね。うちの子たち、地元大好きですもん。地域の人たちと関わるっていうことは、面倒でもありますけれども、まあ、それはそれでいいのかな。
この前も、下の子が外で遊んでいると、知らないおじいちゃんが自転車でやってきて、「これ残ったからあ、あげる」って、フライドポテトのカスをもらったんだそうです。困惑していると、近所のおばちゃんがそれを見ていて、「アレルギーとかあるから。知らない人からもらったものを食べちゃダメよ」って止めてくれて。結局は、食べずに持ち帰ってから、捨てたそうです。
こういう見守りがあるって、親としては助かります。少なくとも、子ども達が安全に過ごせる、という意味では、地域の人に知ってもらっているということはいいことなのかも知れないなーと思っています。
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