後ろのおじさん
怒涛の週末が終わろうとしております。日曜日の夜七時。すっかり夕食もデザートも食べさせて、風呂の入れて……お母さんの役割はそうそうに終了。後はそれぞれの時間。
娘たちは一週間撮り溜めしたアニメの鑑賞会。最近は「入間くん」、「黒執事」、「SSSS DYNAZENON」にはまっている娘たちです。「SSSS DYNAZENON」は、昔懐かしい、超合金ロボのアニメ。飛行機や車が変形して合体する系のね。だけど、内容は今風。脱力系の高校生や、ニート、母子家庭でバイト三昧くん、いろいろ抱えているキャラがロボで戦うって話です。怪獣もなかな乙。大人も楽しめるアニメでした。最終回になっちゃいましたけれども。
修学旅行から帰ってきた娘。にこにこで帰ってきました。同室の女の子三人で、トランプしたり、テレビみたり。なかなか楽しかったとのこと。
「お母さんにお土産」と某美術館から、所蔵絵画のポストカードを買ってきてくれたんですけれども、なんと——私の好きなシャガールじゃないの。彼女には、「好き」なんて教えたことないんですけれども、「お母さん好きそうだから」だって。
あの呪術的な不思議な雰囲気が子供のころから好きなんですよね。血は争えませんね。「私もいいかなって、思った」という娘を見ていると、「私の子だ」と思います。
まあ、一回り大きくなった彼女。今日の英語のテストも「んー、楽勝」だそうです。これ、合格できたら英検に挑戦するんですって。小学生で英検とか。今時ですね。
今日は、そんな娘のテストに合わせて、在宅でのんびりデイ。午前中は各々勉強タイムと称して、小説を書こうと思ったのに。パソコンがずっとプログラムの更新ばかりしていて、使い物にならないという。残念。半日以上かかってプログラム書き換えって、キミは別人に生まれ変わろうとしているのか——!?
で、仕方なしに、家の周りの除草作業をいたしました。私の家は平屋で小さい一軒家。比較的築年数は新しいので、洋間もあったりして、住みやすい狭さ。難点はこの時期、除草を自分でやらねばらないということなんですが。
先週末に、あらかた除草をしたところに、今日は除草剤の散布をしていたんです。すると、必ず登場するのが、後ろの家のおじさん。
彼ね。去年、関東圏から引っ越してきました。彼の家も一軒家。我が家よりは少々広い間取りです。しかし、引っ越し段階で、もうトラック三台分くらいの荷物持ってきたんですよ。もう、田舎の町は騒然です。
私、昨年は班長だったんですが、彼が越してきてすぐに町会長さんが我が家を訪れたんです。
「ねえねえ、雪さん。裏の方、どんな人? もしかして——これ(指で頬を斜めになぞるしぐさ)?」
「いやいや。そっち系ではないかな。なんだか大柄でふくよかな方ですけど」
「おれ、怖いな。ねえねえ。挨拶に一緒に行ってよ」
——か弱き女子に同行させるなんて、どんだけ小心者なんだよ!
ということで、町会長さんと、理事さんと一緒に挨拶に行った訳です。
訪問してみると、見かけた通り、後ろのおじさんは気弱そうな、人の好さそうな人。田舎の訛りはひとつもなくて、ちょっとスカしたお姐みたいな話し方。
「私、実は職場の都合でこちらにお邪魔しているんですう。まだ住所変更してなくて、いろいろお世話になりますう」
そんな衝撃的な出会いから。おじさんはことあるごとに声をかけてくるんですよね。地震があれば、率先して周囲の見回り。停電になった時も「大丈夫ですかあ?」なんて。ひどい時なんて「私、仕事忙しくて。寝ちゃっている時があるかもしれませんが、ご心配には及びませんので……」。いや、心配はしていませんから!
今日も除草剤を散布していると、
「草って、どんどん生えてきますよねえ。私、諦めちゃいました(テヘペロ)!」。
いや、とってもいい人なんです。きっと。でも娘たちはことあるごとに窓を少し開いては、後ろのおじさんを監視。今日なんて、
「お母さん! 後ろのおじさんが車の下に寝ながら、電話しているよ!」ですって。
車いじるのが趣味みたい。車体の下に入り込んで電話中のおじさんがおかしく見えたんでしょうね。人間ウォッチングに余念がない彼女たちは、やっぱり私の娘。
そう今日は、我が娘たちは、やはり私の子って話でした。
あ、そうでした。OGB第二弾「重症恋煩い」公開中です。えっと。こちらは短編? 三万文字程度で終わる予定。ドS、ソフト鬼畜系なんで、取り扱い注意です。とかいいつつ、藤光さんが読んでくれている模様で、正直、こちらがハラハラしているんですけど。「もー、BLは嫌!」ってなるように、過激なの仕掛けていきたいと思います笑
「重症恋煩い」
https://kakuyomu.jp/works/16816452220878213670
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