思春期娘はめんどくさい



 毎度毎度、娘の話題で恐縮です。しかしね、思春期女子っていうのは、見ていて面白いものですね~。


 先週、長女の学校で学級閉鎖がありました。閉鎖されたのは、娘と同じ学年の二クラス。ってことは、残っているのは娘のクラスだけ、という。なんで一クラスだけ生き残ったんだか。そのおかげで授業を進めることはできませんから、登校していっても、一日プリントや抜き打ちテストをやらされていたようです。


 長女が朝一緒に通っている近所の子は、学級閉鎖されたクラスの子ばかりだったので、彼女は一人で行かなければならなくなりました。もう先週の火曜日は、起きてきた早々、一人で行きたくない~の騒ぎです。たまには一人の時間もいいじゃないかって私は思うわけですが、彼女にしてみれば、かなりの緊急事態。


 で無い知恵をひねり、出した解決策が、「家の前を通る子に声をかけて、一緒に行ってもらおう」作戦。毎朝、一人でとぼとぼと登校していく同じクラスの女の子がいるんですよね。その子に声をかけて一緒に連れて行ってもらおうって思ったようです。


 さっそく先週の火曜日の朝、その子にお願いして一緒に行ってもらうことになった娘。その子は途中で別の子と合流するから、そこまでなら一緒に行ってあげるって言ったそうです。ねえねえ、どうせ同じクラスに行くんだったら、一緒に行けばいいじゃん! って思いますけど、色々あるんでしょうね。娘は嬉しそうに「お願いします」って言ったそうです。


 結局、その子も一緒に行く予定の子がお休みになっていたようで、先週はその子と一緒に登校した娘。一週間一緒に話をしてみると、なんと彼女とは、かなり話が合うということが発覚。二人ともヲタク(好きなアニメのジャンルは違う)でね、推しの話でキャッキャしながら一緒に通えたんですって。ヲタクにとったら、自分の気持ちを分かってくれる仲間はかけがえのない存在です。もう二人は親友みたいになっちゃって、休み時間にまで推しの話で盛り上がったそうです。


 新型コロナウイルスがもたらしてくれた宝物ですね。学級閉鎖がなかったら、きっと二人は友達になることが出来なかったかも。でも、そんな時間は長くは続きません。なにせ学級閉鎖は期間限定。今週からは、全て解除になって今まで通りってわけですよ。


 ヲタク仲間のその子とは通い続けたいけれども、そもそも一緒に行っていた子たちはどうするんだ、って問題が勃発。彼女なりに、気を遣うんでしょうね。どうせ行先が一緒なんだから、みんなで行け! って言いたくなるものですがこれは由々しき事態なわけです。日曜日の夜から月曜日の朝にかけて、神妙な顔つきで、結構悩んでいたようです。


 結局は、ヲタク仲間の子と自宅前で待ち合わせをして、一緒に行き、途中、娘が元々約束をしている子たちと合流したところで、ヲタク仲間の子とは「さよなら」という方法で収まったとのこと。その収め方もどうなんだよーと思いますけれども。思春期は難しいですね。色々な兼ね合いがあるのでしょう。彼女たちの中には。


 そして前回のエッセイで文豪ストレイドッグスにはまって江戸川乱歩の小説を借りてきた娘ですが、今度は谷崎潤一郎「痴人の愛」を借りてきました。


 ストレイドッグスヲタク仲間に「痴人の愛って面白いよ」と勧められたそうですけれども。ああ、ごめん。お母ちゃんも読んだことない。ヲタクの力、畏るべし。そして、横のつながりも畏るべし。次は中原中也を借りてくると宣言しています。


 もう毎日が楽しい彼女。突然世界が広がって、中学生デビューした模様。いいですね。この頃が一番楽しいのかも知れない。人生において。青春を謳歌してくれたまえ。母は嬉しい限りです。


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