第7話 千撃必殺
【底辺おっさんが潜っているダンジョンて推定SSSランクって本当?】
【どこ情報?】
【ドラスレチャンネル。最初のザコがアイアンスライムでむちゃ強いらしい】
【ルミちゃんに体要求するクズは氏ね】
【一緒のパーティ組んでるってことは……】
【嘘だ。底辺おっさんは氏ね】
あー、今日も俺のチャンネルを見てくれて、ありがとうと言おうとした。
だが考えた。
悪役になるんだったら、徹底的にやってやろうじゃないか。
「ぐへへっ、その通りだ。
【氏ね】
【俺はもう一人の女の子が気になる】
【もしかしてそっちも】
「そっちもだ。分かったか愚民共。底辺より下になった気分はどうだ。たが、俺は既に底辺じゃない」
通帳を開いて見せてやった。
【くっ、桁が多くて分からん】
【負けた。何でだよ。この前までは底辺仲間だったじゃないか】
【氏ね】
「俺は死なん。憎まれっ子世にはびこるってあるだろあれだ」
【はびこってどうする。分裂するのか。くそワラタ】
【低学歴乙】
【本当に高校出たのか】
【でも意味的には通じる。分かってて言っているんだよ】
【おっさんのギャグは寒い】
【氏ね】
【呪】
「くくくっ。呪うが良い。俺は呪われるほど力が増すぞ」
【みんなで呪ってやれ。呪】
【呪】
【呪】
【呪】
【呪】
【呪】
【呪】
【呪】
【呪われてて草】
「さあ、女達と共に今日は協会に行くぜ」
【あの安い鉄鉱石を売りに行くのか?】
【言うなよ。あれで飯を食っているんだから】
【おっさんは一生穴掘って暮らせ】
「じゃあ行って来る」
アイテム鞄を買うためだ。
一番小さいアイテム鞄は5000万円ほどする。
だが、必要だと思う。
協会に着いた。
「おい、あれ見ろよ。
ここにも俺のチャンネルの視聴者がいたようだ。
歩いている俺の前に男が立ち塞がった。
「邪魔だ。どけ」
俺は軽く男を払いのけた。
男はくの字になって飛んで壁に激突した。
やべっ、やっちまったか。
いつもの調子で力を入れちまった。
謝るとたかられるな。
こういう時は。
「ハエがいたようだな。虫を追い払おうとして当たったみたいだ」
【おっさん強いのか?】
【やべぇ】
【吹っ飛んだぞ】
【女にもてて、金もあって、強いなんて許せん】
【いや吹っ飛んだのはサクラ。あんなに軽々とは飛ばない】
【なんだ、やっぱりな】
「アイテム鞄をひとつ貰おうか。サイズは一番小さいので良い」
「それですと、4987万円になります」
「カードで頼む」
冒険者協会は銀行と提携している。
キャッシュカードが使えるのだ。
やった、アイテム鞄を手に入れたぞ。
「
「この女、いつの間にか名前呼びになってる」
「パーティメンバーなんだし良いでしょ。私のことは
パーティメンバー何だよな。
悪役ムーブのために呼び方を変えるか。
「じゃあ、
「えへへ、呼び捨てかぁ」
【くっ、名前呼びの呼び捨てだと】
【悔しい】
【諦めろよ。みっともないぞ】
【あれが許せるか。ハーレムだぞ】
「
「いやFランクだが。ほらギルドカード」
俺はギルドカードを見せた。
「あれっ。そうよ、協会の中にも協力者がいるのね」
彼女が何を言っているのか分からない。
まあいいか。
「
「いいぞ、金ならあるしな。二人分スキル鑑定頼む」
「お二人ですと、2万円になります」
「カードで」
カードを渡すと道具を向けられた。
「ええと、千撃必殺というスキルがありますね。一撃必殺系のスキルでパッシブのようです。千回ほど攻撃すると殺せるというスキルになります。女性のかたはスキルがありません」
ありがとうとか言うと悪役ムーブから外れるな。
「はっはっは、当然だな。必殺スキルは俺にふさわしい」
「がっくり」
俺にスキルがあったなんてな。
「あの硬いSランクモンスターをどうやって倒していたか、謎がひとつ解けました。私のスキルも教えておきます。火魔法と魔力操作です」
俺のは強いのかな。
低確率で必殺の一撃が出せるんだから、良いスキルなんだろう。
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