第194話 罰ゲーム再来
「好きです、付き合って下さい」
前にも合ったな。
今度も罰ゲームか。
「罰ゲーム?」
「ばれちゃった」
【罰ゲームのターゲットにされる率高いな】
【できない君だからな】
【金持ちなら。それを目当てにする女はいるだろう】
【底辺おっさんの隣はヤエちゃんがいるから】
「じゃあゲームセンターでぬいぐるみ取ってやるよ」
「良いの?」
「罰ゲームの証拠になるだろう」
「優しいのね」
【おっ、脈ありの言葉】
【勉強またはスポーツができない奴は駄目だ】
【そうだなどっちかはできないと】
【そういう所を見ているよな】
【だから成績が良い奴と、スポーツができる奴はもてる】
【くそっ、胸に刺さった。死にそう。もうだめぽ】
【生きろ】
ゲームセンタでなんちゃらキャッチーの前に立つ。
100円を投入。
音楽が鳴り始める。
アームが移動して降りていく。
引っ掛かりもしなかった。
女の子の視線が外れる。
「どっせい」
台を叩いたら、ぬいぐるみが宙を舞った。
そしてそのふたつが取り出し口に落ちる。
【それは違反だろう】
【底辺おっさんらしいな】
【店員さん捕まえて下さい】
「何か音がしなかった」
「いいや。ほらぬいぐるみ取れたよ」
ぬいぐるみをひとつ渡した。
「ありがとう。じゃ行くね」
【ふられてやんの】
【いや最初から脈なしだった】
【店員が来るぞ】
「お客様、台を叩くのはやめて下さい」
「すまなかった。これはお詫びだ」
1万円札を出した。
【受け取るな】
【受け取ったら示談が成立する】
【豚箱にぶち込め】
店員はそれを受け取った。
「もし故障とかあったら報せろ。修理代は払う」
名刺を出した。
名刺出すのは久しぶりだな。
「分かりました」
【くそっ、金持ちが】
【こうやって事件はもみ消された】
【修理代を出すって言われたら引き下がるしかないよな】
【くそっ、正義はないのか。ヤングファントムカモン】
「呼んだ」
俺はファントムの仮面を被り、カメラを頭から外して、顔を映した。
【悪がいるぞ。退治しろ】
【自分自身をどう退治するんだ】
俺は自分の頭に軽くチョップした。
【そんな落ちかよ】
【それより店員は1万円をどうするんだろな】
【ネコババするに決まっている】
【チップだろ。チップを貰う権利はある】
さあ、帰るか。
家に帰ると
「浮気したわね」
「これで機嫌直せよ」
ぬいぐるみを渡すと
「冗談よ。罰ゲームって言ってたのを見たわ」
【チェックしてるのか】
【そりゃ見るだろう】
【粘着している女は気持ち悪い】
【おっさんアンチは見たが、ヤエアンチは初めてみたな】
【底辺おっさん好きです】
【おっさん、もてもてだな】
「だろうと思ったよ」
「もっと大きいぬいぐるみ欲しいな」
「よし好きなのを言え」
「ええ」
【同じというのが気に入らなかったと見える】
【まあね。義理と本命は別なのにしないと】
玩具を扱っている大型店に行った。
ほー、1万円か、安いな。
高いのでも3万ぐらいまでだ。
【これにパーツつけてエッチなのを知っている】
【18禁だからって、その発言はいかがなものか】
【何で知っている。女か】
【男だってエログッズのホムペぐらい見る】
【女性用と男性用では違うだろう】
「お前らいい加減にしろ。
【おっさんが怒った】
【弱点を突いたか】
【逆鱗かもな】
【ブロックされたら嫌だから俺はそんなことは言わない】
【ヤエちゃんが……
【ほら消された】
【そういう攻撃は確かに良くない】
【みんな底辺おっさんを弄ろうぜ】
【底辺おっさんは童貞ですか?】
【おま、勇者だな】
「ノーコメント」
【この反応はどっちだろう】
【童貞に決まっている】
【そうか。魔法使いか】
【天使かもよ】
「お前ら。いい加減にしないとブロックを指示するぞ」
【底辺おっさんだって、散々エロい悪戯しただろう】
【そうそう、ラブホとかマッサージとか】
【底辺おっさん必死だな】
【ということはあれだな。そっちだな】
まったく、視聴者ときたらろくなことを言わない。
ほら、
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