第213話 ファンクラブ、イベント企画
「はい、会員カード」
ヤングファントム・ファンクラブとある。
会員ナンバーは7だ。
縁起の良い数字を俺のために用意してくれたんだな。
【本人がファンクラブに入るのか】
【良いんじゃね。禁止する法律はない】
【恰好悪いから、普通はやらないけどな】
【そこが底辺おっさんクオリティ】
「ありがとよ……」
あまり嬉しくないがな。
何が悲しくて自分自身のファンクラブに入らないといけない。
「会員ナンバーの一桁は幹部なんだから」
「幹部の特典は?」
「ヤングファントムグッズが半額」
要らねぇ。
そんなの要らねぇよ。
【半額なら転売し放題じゃないか】
【ヤングファントムは結構人気だからな】
【底辺おっさんがそれしても意味ないだろ】
「うんうん……」
「幹部はイベントの企画会議に出席できるわ」
ますます要らねぇ。
でもイベントは楽しそうだな。
何か思いついたら、実行するか。
【エロい姉ちゃんを呼んでパーティ希望】
【中学生がそんなことしたらいけないだろ】
【中身は大人だから問題ない】
【ミスヤングファントムぐらいに収めとこうぜ】
【水着審査はあるんだよな】
「ところで他の幹部は?」
「ナンバー2はモチ。ナンバー3はキナコ。ナンバー4は縁起が悪いので欠番ね。ナンバー5は
幹部は全員身内じゃないか。
イベント企画か。
「イベント企画募集。エロいのは駄目だぞ」
【ヤングファントム仮装大会】
【握手会】
【ヤングファントム・リサイタル】
【バール武闘大会】
みんなでヤングファントムの仮面被って楽しいか?
握手会は俺が疲れるだけだ。
替え玉にやらせても良いが、憧れているのに騙すのは良くない。
俺は悪党だがそんなみみっちいことはしないのだ。
リサイタルは俺に歌って踊れと言うんだな。
そんなことできるか!
バール武闘大会は怪我人続出だろう。
許可が下りないと馬鹿な俺にも分かる。
「ヤングファントム仮装大会、良いわね」
「まあいいけど」
【仮面を被っただけじゃ面白くない】
【そこはヤングファントムの必殺技の真似だろう】
【コンテストにするのね】
というわけで、必殺技を開発することになった。
ファントムからも受け継ぐ。
ファントムの基本必殺技はたしか7つぐらい作った。
それを思い出しながらやる。
手を高速でこすり合わせる。
そしてタッチ。
スタティックエロクトロニック。
【ただの静電気じゃないか】
【でもスタンガンぐらい大きな音がしているぞ】
【威力もそれぐらいあるのか】
【CGと効果音だよ。ドラマだから】
俺は正拳突きの風圧でぶっ飛ばすファーブラストヒット。
【風圧で木が葉っぱが揺れるのは面白い】
【漫画で見た技だな】
素早く近寄り、両手を打ち合わせると、轟音がして風が吹き荒れる。
キャットトリック。
【猫騙しじゃないか】
【風が凄いけどな】
【衝撃波が出ているんじゃないか】
バールを地面につけ、ぐるりと回転した。
バールが火花の円を描き、バールの先で対戦相手を引っ掛けて、投げる技ファイナルサークル。
【火花は関係ないよな】
【演出だよ。硬いこと言うなよ】
マッハファイヤーパンチ。
これはパンチの風圧で相手を吹っ飛ばすものだ。
その時、フニッシュとして炎が出るがこれは魔法を使った演出で、攻撃力はない。
【ファーブラストヒットの上位互換だな】
【これも漫画で見たぞ】
ティレックスファングスパーク。
両手から電撃魔法を放ち、手でガブっとやる動作をする。
電撃魔法は演出だ。
ただのアイアンクロー。
【電撃は見せかけね】
【アイアンクローだって言ってたな】
【懐かしい。ファントム帰って来ないかな】
幻影魔法でバールを分裂させたように見せるグレートディビジョン。
【残像攻撃はちょっと格好いい】
【CGだから】
【CGでもちょっと良い】
この7つの技だ。
新技を考えるのはめんどくさい。
とりあえずこの技の動画をヤングファントムチャンネルに流した。
そして、ヤングファントム仮装大会の告知。
仮装大会ではオリジナル技もありとした。
その方が面白いからね。
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