第36話 殺害予告
今の俺の仕事はグラトニーの体採取。
ゴミは消えるし、グラトニーの体を使えばどんなゴミも消える。
これ一本に絞ってくれても良いと言われたが、そんなの何か嫌だ。
そんなこんなで1週間。
コボルトとケットシー達に感謝状が出され、テレビ―ニュースになった。
でも相変わらずあのマンションの周りでは排斥運動が展開されている。
そして、郵便で殺害予告が届いた。
モンスターは許せない、近々殺しに行くといった内容だった。
なぜかニュースになった。
コボルトとケットシーは注目されているらしい。
そして、3日。
警察から犯人が捕まったと電話があった。
ネットでアンチ発言をしてた一人が犯人だった。
だが聞いたところ、別にアンチでも何でもないそうだ。
うっぷんが晴らせれば何でも良いと。
ブラック企業で働いていて、精神的にまいっていたらしい。
そして、1週間後、本人が謝りにきた。
「すみませんでした」
「被害届は取り下げたよ。警察も人の殺害予告ならまだしも、コボルトとケットシーだとテイムモンスター扱いで器物破損予告になるそうだ。起訴猶予にすると言ってた」
「あの、お金貸してもらえませんか。もう3日も食べてないんです。会社は首になるし、首にした会社が悪評をばら撒いているのでどこも雇ってくれません」
「名前は?」
「
「雇ってやるよ」
「ほんとですか」
「こういっちゃ何だか。俺ははみ出し者だ。今は金銭的に豊かになって充実しているが、前は酷かった。お前を見ていると昔の自分を思い出す。どこも雇ってくれなくて、世間の色々を羨ましい人達を、羨ましいを飛び越して、恨んでいたと言ってもいい。ただ俺はストレスを吐き出すモンスター連打があった。何も無かったら犯罪に走っていただろう」
「ありがとうございます」
「もう人様を恨むようなことをするなよ」
「ええ、しません」
「大体、一年で500万ぐらいは給料を出してやる」
「それだけ貰えれば」
「やる仕事はコボルトとケットシーの相談役だ。彼らの要望を解決してやってくれ」
「はい」
グラトニーの採取は麻痺スキルを持っているコボルトとケットシーに任せることを考えたい。
やっと解放される。
「悪の仲間が加わった。
「
うん、キャラが作れている。
【よく起訴されなかったな】
【予告だけなら起訴猶予や不起訴になることもあるんじゃね】
【そうかもな】
【しかし、犯罪者を雇うとしても凶悪度がないな】
「起訴は俺がなんとかしたに決まっているだろ」
【もしかして賄賂】
【うわ、悪党というより悪代官だな】
【小物臭が消しきれてない】
「賄賂かもな。
「へい、ボス」
【しょうもない悪事だ】
【俺だったら嫌だな】
【だな、カップ麺が食えない生活は嫌だ】
【貧乏人はこれだから】
「泣きわめく、コボルトとケットシーの姿が目に浮かぶ。刺身やステーキ肉を嫌になる程食わせてやろう。それとサラダな」
【極悪人だな。ポテチとコーラも禁止したれ】
【くそっ、俺より良い物を食わせやがって。コボルト達が羨ましい】
「今から手品を見せてやる」
【どうせ編集してるんだろ】
【手品の種は売ってる】
【一生懸命練習したんだから見てやろうぜ】
【早くやれよ】
俺はそう言ってグラトニーの体の破片を取り出した。
「よく見てろ」
俺は机の上に置いた石をグラトニーの体の破片で消した。
【消えたね】
【編集乙】
【スキルの類とかだったら、最終兵器だな】
「生き物は消せない。そういう物質だ」
【生き物は動くから、動画編集が難しいんだろ】
【ああ、そういう】
【これがなんなの】
「うちのダンジョンで採れる新物質だ。その名もグラトニーマテリアル」
俺はグラトニーの破片をカメラに映しだした。
【また僕の考えた最強か】
【なんでも消せるなら確かに最強だな】
【本当なら用途は無限大だな】
「これの採取でもう数億稼いだ」
【吹かしてるな】
【言ってやるなよ。嘘を言うのがストレス発散なんだから】
【数億ですって。お嫁に行きたい】
【でたな守銭奴】
【貧乏人はブラックな職場にお帰り】
あとでコボルトとケットシーがグラトニーマテリアルを採取するところを撮影しよう。
この物質は日本の役に立つはずだ。
彼らの評価も上がるに違いない。
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