第143話 巨人の街
理由は分かってるチアフルの平治と一重からメールが届いたのだ。
タネをばらしたら激怒するんじゃないだろうか。
まあ、良いメル友でずっといよう。
問題は結婚式だな。
そうなったらばらさないと。
時間が経てば許してくれるさ。
さあ、巨人の街の攻略に取り掛かろう。
市場の背景にギリースーツは目立つ。
どうやって街の城壁に取り付こうか俺は頭を悩ませたが、
それはバイクだ。
アイテム鞄に収納して持ち込んだ。
これで特攻する。
【バイクで突撃。不良ドラマみたいだ】
【おっさんは鉄パイプだしな】
【即刻やめなさい】
【おっさんは例によって雑用係か】
俺達はバイクのエンジンを吹かせた。
巨人は街の城壁の上で待ち構えている。
「行くよー」
【
【よし、散って来い】
【バイクの機動性なら、投石機とか矢とか当たらないだろう】
俺達はジグザグにバイクを走らせた。
シロガネも真似しているのか、軽快なステップを踏んでいる。
壁の近くまできたら、煮えたぎった油が落とされた。
バイクに障壁が当たると、ぽっかりと穴が開いた。
グラトニーマテリアルを使ったな。
無事穴を通過した。
【煮えたぎった油が掛からないな】
【動いているからね】
【市街戦に移行か】
【ああ、巨人の街が破壊されていく。やめるのです。これは暴挙というしかありません】
「さて、お宝を取るぞ。根こそぎだ」
【勇者プレイ再び】
【金目の物をモンスターが持っていたら奪うよな】
【あっちは人を食っているから、報復だ】
「ノミの市の売り上げは巨人被害者の人に寄付されます」
【おっさん良い人だな】
【盗品を売り捌いて寄付するなんて、どこが善人ですか】
【まあ、良いんじゃね】
【俺も良いと思うぞ】
街の巨人は少し弱いみたいだ。
その代わり数は多い。
粗方片付けるのに夕方まで掛かってしまった。
そして、街の砦の中にボス部屋の扉を見つけたが、ボス部屋だとは思ってなかった。
入ったらボスがいた感じだ。
ボスはズボンに吊りベルト、上半身裸だ。
変態ルックだな。
【ムキムキマッチョだな】
【ちょっと変態だ】
【上半身に服を着ると言う考えはないのか】
【下半身ズボンがあるだけまし】
ボスは腕を広げると、うがぁと言いながらクルクルと回転し始めた。
【回転は強そうだな】
【こういうのは足元か、真上から狙うんだぜ】
【
【バリスタも真上からは撃てない】
大剣は跳ね飛ばされた。
それも弾かれた。
シロガネは隙を窺っている。
それだけかと思ったら、回転が止まり、
「おっさん、お触りは禁止です」
俺は素早く動いて、ボスの腕を打ち据えた。
骨折するボスの腕。
【むっ、何が起こった。カメラがぶれたら巨人が骨折してた】
【説明プリーズ】
「すべては念力のおかげです」
【誰の念力だ?】
【そうだ】
「シロガネだよ。そうだよな、シロガネ」
「わふん」
【シロガネの仕業か。じゃあ仕方ない】
【そんなわけあるか】
ボスは、
さあ、ポータルに登録して今日の討伐は終わろう。
「ああ、ノミの市開くから」
【待ってる】
【掘り出し物とかありそうだな】
【巨人サイズだと2倍はあるんだよな】
【それがいい。インテリアに最適だ】
ダンジョンから出て、ノミの市を開く。
今回は色々とあるぞ、大工道具から、食器、調理道具、タンス、ベッド、椅子、テーブル。
硬貨も多数ある。
金貨と銀貨は地金として売って寄付する。
銅貨は子供の遊び道具だ。
8センチ近くあると銅貨でメンコが出来る。
変わった物と言えば、楽器だな。
結構いい音がでる。
ただ、演奏は難しいが。
文房具なんかもあったが、こちらも2倍サイズ。
まあインテリアに良いかも知れない。
意外に好評だったのは鉢植え。
見たことのない草だからな、きっと見たことのない花が咲くのだろう。
巨人を守る会は市の様子に憤慨して声を上げている。
だが、買って行く人は関係ない。
モンスターだから、当然だと思っている。
俺も巨人が人食いを辞めれば、関係を持つのも良いかもぐらいには思っている。
だが、それはありえないだろう。
そんな気がする。
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