第154話 狙撃の理由
巨人のダンジョンは沼。
出てきたのは半魚人の大きいの。
サギハンジャイアントかな。
俺なら連打で沼の水を全て跳ね飛ばすけどな。
サギハンジャイアントが全部死んで浮かんだ。
【毒か?】
【凄い効き目だな】
【そんなのを規制しなくていいのか】
【おっさんのダンジョン産だろう。規制が必要なのは同意】
「よっこらせと、片付けるのがめんどくさい」
【おっさん、雑用係だな】
【種明かしプリーズ】
【俺も知りたい】
「
「猿のうんち」
「ああ、あの掛かったら死ぬ可能性大のあれね」
「時間が経つと消滅するから、こういう時に便利だよ」
【あれは実在してたのか】
【作りごとだとばかり思ってた】
【規制しなくていいのか】
【規制が必要だな】
片付けるのにだいぶ時間が掛かった。
次のフィールドは砂漠だ。
じめじめした沼の後は、カラっとした砂漠かよ。
とりあえず良い時間だ。
今日はここまでにしておこう。
狙撃された俺の対戦相手を覚えているだろうか。
そいつが俺を訪ねてきた。
「助けて下さい。命を狙われているんです」
「命を狙われているのは分かる。なんで命を?」
「見てしまったんです。Fランクダンジョンで恐ろしいモンスターを」
「どんな奴だ?」
「人型で2本の角があり黒いオーラを身に纏ってました。そのオーラに触れると草が枯れてしまうんです。そのオーラだけでも恐ろしくて恐ろしくて」
「ふん、親玉か。魔王かもな」
「まさにそんな感じです。魔王は他のモンスターに命令してました。それを見てからです命を狙われるようになったのは。それと巨人を守る会という言葉を言ってました」
巨人を守る会が魔王となんの繋がりが。
モンスター全てを守ってくれとか言うんじゃないだろうな。
「何でまた冒険者バトルに出た」
「人のいる所なら襲われないと思って」
「なるほどな」
この男は寄生しているから致命傷はなんとかなる。
だが、絶対ではない。
こいつを救う方法は?
警察に保護してもらうにも魔王を見たというだけではな。
難しいことは分からん。
助けて
「もしもし、前に狙撃された奴がいるだろ、魔王を見てしまって命を狙われているんだって。どうしたら良い?」
『そうね。秘密を一人だけ知っているってのが不味いのよ』
「ふんふん」
なるほど。
カメラと三脚を用意して、準備オッケー。
俺はファントムになった。
「俺の組織はこの男と秘密を共有した。魔王とやら掛かって来い」
男と動画を撮った。
これで少なくともファントムの組織に秘密が伝わったことが分かっただろう。
殺し屋を雇うぐらいだから、情報収集もしてるはずだ。
伝わるに違いない。
こうしておけばこの男を殺しても、魔王の情報は消せない。
動画を拡散して一安心。
「コボルトとケットシー達に警護してもらえ。そこらの冒険者より強いぞ」
「はい」
この男はこれで良い。
問題は魔王だ。
殺し屋に依頼したということは人間の協力者がいる。
それに冒険者バトルの出場の時間も知っていた。
俺にも冒険者協会にスパイがいることは分かる。
大事になってきたな。
魔王の能力は生命力奪取かな。
枯死という可能性もある。
オーラは小技という可能性すらある。
さあ、この状況をどう悪役ムーブに繋げよう。
魔王とは敵対のスタンスは別に良い。
だがそれでは正義だ。
ファントムならそれで良いが、おっさんとしては納得できない。
魔王の称号を略奪か。
悪の大物として魔王の称号は相応しい。
魔王に成り代わるために魔王を倒す。
良いんじゃね。
「おっさんだよ。ファントムの動画を見た。魔王がいるなら、そいつを殺して俺が魔王だ」
【また、わけの分からんことを】
【魔王という称号が欲しいわけね】
【ファントムをやっても、ファントムの称号じゃ正義の味方だからな】
【魔王いるのか? ファントムを疑うわけじゃないけど】
【おい、巨人を守る会が巨人との会談動画を上げてるぞ】
えっ、巨人と和解したのか。
俺も配信をやめてそれを見た。
「クイリリラ」
「クイリリラ。ミニソイ・カラ・モイイカ・ンラナ」
巨人と和やかに話している。
もう巨人は人殺しをしないのかな。
「
いいぞ、こういう展開は大好きだ。
巨人のダンジョンをぶっ潰そう。
「巨人からの宣戦布告は受ける」
俺は配信を再開した。
【おっさん強気だな】
【ヤエちゃん達で大丈夫?】
【いまのところ平気みたいだな。危なくなったらファントムに泣きつけよ。伝手があるって
【それなら安心だな】
「ファントムの手なぞ借りん」
【いろいろと急展開だ】
俺もそう思うが、方針は巨人のダンジョン討伐だ。
よし頑張るぞ。
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