第192話 冒険者大会
「おっし、大会だ。気合い入れろよ。
冒険者部の大会らしい。
【中学生冒険者大会ね】
【今やっているからタイムリーな話題】
【底辺おっさんとしてはどうするのかな】
俺は小石を集めた。
会場のFランクダンジョンに入る。
ゴブリンが出て来てたので俺は小石を投げる。
ゴブリンは体勢を崩した。
そんな感じで俺はサポートしてやった。
【つまらん。展開だ】
【これから面白くなるんだろう】
【だよな。そうでなきゃ糞配信だ】
「今日は調子が良いぜ。ボスに挑戦するぞ」
「おうやったるぜ」
【過信させてから落とす作戦か】
【中学生の俳優は演技が上手いな】
【AIだったりして】
【底辺おっさんが大根なのは、自分が出たいんだな】
【底辺おっさんはモーションキャプチャーかな】
ボス部屋に入った。
ボスはホブゴブリン。
お手並み拝見。
大剣で殴りかかる
余裕でボスの棍棒の一振りで弾かれた。
痛めたか。
その隙に
鞭は足に絡みついて、矢は鎧に当たって刺さらない、投げナイフもだ。
ボスが足元の鞭を掴み、引っ張った。
これで戦力的には二人脱落か。
【ピンチだな】
【底辺おっさんの活躍いかに】
【あー。滅多打ちだ】
やっぱり
俺は頭のカメラを外して地面に置いた。
ファントムの仮面を被る。
そして、バールでホブゴブリンを一撃でミンチ。
「君は誰だ?」
誰だってか、そうです私が底辺おっさんです。
「ヤングファントムだ。悪のある所には必ず現れる」
「悪とはホブゴブリンのことか?」
「いいやお前だ」
俺は
間違っていたらごめん。
そんときは冗談だと言って笑ってごまかすつもりだ。
「尻尾を出したつもりはないけど、何で分かった」
「悪党レーダーが反応したのだ」
「へぇ」
「さらばだ」
【えっ、ヤングファントム帰るの】
【悪党を成敗しないのかよ】
【この脚本を書いた奴はだれだ(某グルメおっさん風)】
【ないな。この展開はない】
だってさ、
ボロが出るに決まっている。
私立探偵の報告書はまだか。
でも胡散臭い奴というのは当たってた。
「
「ううん、離れて震えてたから」
「なら良いよ」
大会は優勝できなかった。
ヤングファントムという部外者が入ったので反則負けになった。
予選敗退か。
「ボスを倒せたのは俺達だけだ。その事実は変わらない。これで喜田中には大きな顔ができる。」
【中学生がビールって】
【ノンアルコールだよ】
【それかCG】
「僕はアルバイトがあるから帰らせてもらうよ」
こいつはどんな悪党なんだろうか。
「飲めよ」
俺の所にビールをもってきた。
俺はそれを一気飲みした。
その様子をしっかりと動画に取られた。
SNSでビールを飲む中学生としてアップロードされた。
俺は中年だから問題なし。
ただ校長に他の生徒の手前、控えて貰えると嬉しいと言われた。
【警察は動かないよな】
【底辺おっさんは前に警察をおちょくって要注意人物になっているから】
【そうだな。高校生とのラブホ動画とかあったな】
次の日、けろっとした顔で学校に行った。
「何で停学にならないんだ。先こうにチクったのに」
「絶対におかしい」
「おじさんとやらが圧力を掛けたのか」
「まあ、そんなところ」
【ヤエちゃんの親はヤクザ設定かよ】
【ヤクザだったら警察に逮捕されるよ。警察はヤクザに屈しない】
【なら国会議員とかの設定か】
【ボッタクリバーを壊滅させる国会議員か。どんな設定だ】
【脚本に穴があり過ぎる】
【底辺おっさんの趣味にそこまで言っても仕方ない】
ちょっとシナリオが進んだ感がある。
どういう展開に持って行こう。
キナコとモチに怖い人役をやらそうかな。
500円硬貨を手で曲げたりさせて。
目が怖くないからサングラスだな。
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