第82話 召喚と共食いのコンボ
さて、オークキングの能力は何かいな。
オークキングは立ち上がると、広間一杯のオークを召喚した。
数は凄いけどこれだけなら、
叩いても叩いてもオークの数は減らない。
無限召喚か。
いや魔力が尽きるはずだ。
【ただの召喚系じゃないぞ。オークキングが大きくなっている】
【オークキングがオークを食っているぞ】
【よりによって召喚と共食いのコンボかよ】
【もしかして共食いすると強くなるのか】
【ああ、レベルが上がり、魔力も回復する】
【永久機関じゃないか】
どこまで大きくなるか確かめてやろう。
オークキングは片手でオークを鷲づかみできるまでに大きくなった。
そして天上の高さになり成長が止まった。
いよいよか。
【あー、限界に達したがどうなん?】
【推定Sランクはあるかな】
【まあダイヤドラゴン一撃だからな。おっさんなら平気】
【今回ばかりはやばいか】
俺はザコオークを薙ぎ払った。
面白いように吹っ飛んでいくザコオーク。
オークキングに肉薄。
踏まれた。
俺は片手でそれを支えて持ち上げた。
軽いな。
実は弱いのか。
鉄パイプを足の裏に突き刺す。
【片手で持ち上げてて草】
【大きさイコール強さじゃない】
【そうだな。おっさんをみていると良く分かる】
【酸とかも何気に最強だからな】
「ぶひっ」
少し痛かったらしい。
何度も俺を踏みつけに掛かった。
鉄パイプの連打で跳ね返す。
【うひっ、血の雨】
【おっさんの血?】
【カメラが血で見えない】
【ヤエチャンネルでもどうなっているか分からない】
やがてオークキングの足の裏は真っ赤な血で染まった。
もちろん俺の血じゃあない。
でかいのも考え物だな。
踏みつぶす攻撃が一番やり易い攻撃なんだろうが、踏みつぶせない相手にとっては悪手だ。
そして、オークキングの膝が血を吹いた。
【オークキングの膝が逝ったか】
【おっさんの反撃が成功したらしい】
【おっカメラが拭かれて復活した】
ダメージが膝にいったか。
オークキングは転がった。
俺はオークキングの頭に飛び乗ると、額を連打した。
やがてオークキングはぴくりとも動かなくなった。
【でかいだけだったな】
【見掛け倒し?】
【いいや、Sランクはあるはずだ】
【この体重で踏まれればペシャンコだよ】
【ならないおっさんがおかしい】
【変態だな】
「人を変態扱いするなよ。今回はちょっと苦労した。血でベトベトだ。早く帰って風呂に入りたい」
【感想が風呂に入りたい。とても苦戦したようには思えない】
【言うなよ。それも苦戦だ】
「
【ヤエちゃんに嫌われたな】
【臭いのはしゃあない】
「今洗う。水球」
水魔法で水球を作りその中に飛び込んだ。
そして水を動かした。
洗濯機で洗われるとこんな感じかな。
息が続かなくなったので魔法を解除する。
「くしゅん」
「ほら、タオル。拭いてあげる」
【くう、いちゃいちゃしやがって】
【羨ましくなんかないんだからね】
【俺は羨ましいぞぅ】
「服は、乾燥と」
【乾燥スキルがあるなら、ヤエちゃんに拭いてもらわなくてもいいだろ】
【それは野暮ってものだ】
扉をくぐるとダンジョンコアがあった。
ふたつ目ゲットだな。
そこの隠し扉にやはりコボルトとケットシーがいた。
彼らを引き連れて凱旋だ。
ダンジョンから出るとやはり報道陣。
そうなるのも仕方ない。
ダンジョンコアを取るとポータルが使えないから、えっちらおっちら歩かなくてはならない。
帰るまで時間があるので、報道陣が待ち構えるというわけだ。
「ふたつ目のダンジョン制覇。おめでとうございます。ダンジョンコアの金額は推定50億にもなるそうですが、使い道は?」
「うん、そうだな。悪を成す」
「具体的には」
「犯罪を一掃する」
「それは悪ではないのでは」
「俺以外の悪は許さない。これが悪と言わずにどう言うのだ」
「インタビュー、ありがとうございました」
ちなみにダンジョンコアを取られたダンジョンはどうなるかと言えば、ダンジョンはモンスターを新たに補充しなくなり、全てのモンスターが討伐されると、消えてなくなる。
残されたモンスターが人間をたくさん殺せば、ダンジョンコアが復活するらしいが、都市伝説とされている。
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