第81話 市街戦

 14階層は、石畳みとレンガ造りの家が立ち並ぶ街だった。


 オークの街か。

 俺達は大通りを進んだ。

 少し進んだ辺りで、オークに囲まれた。

 鎧を装備しているのが多いが関係ない。

 鉄パイプで叩いて一掃した。


【市街戦か】

【こういうのは神経を消耗する】

【見えない場所が多いからな】

【敵が銃を持っていないのが幸いだな】


 窓からの弓の狙撃が鬱陶しい。

 まあ鉄パイプで払いのけたが。


【あっ、モチが食らった】

【キナコもだ】

【ついにヤエちゃんも】


 弥衣やえ達が食らってポーションのお世話になった。

 シロガネは矢が刺さらなかったようだ、


 この家があるから鬱陶しいのだ。

 今度こそレールガンの出番だな。

 レールガンを四方八方にぶちかます。

 倒壊していく家。

 そして、辺りは戦場だった街みたいになった。


【パワーは正義】

【おっさんには障害物が関係ない】

【見事だな】


 瓦礫の街を俺達は進んだ。

 やっぱり見晴らしが良い方がいいな。


 ほどなくして、ボス部屋に到着した。

 ボスはオークジェネラルかな。


【オークマーシャルだ】

【強いの?】

【Aランクだ】


 まあ叩けば良いよね。

 鉄パイプでオークマーシャルの脛を叩く。

 オークマーシャルは足を折られながらも俺を捕まえた。

 そして俺を振り回し始めた。

 床に何度も叩きつけられる。

 もう良いかな。


 俺はオークマーシャルの腕をつかみへし折った。


 オークマーシャルが絶叫。

 そして、鉄パイプで頭を殴った。

 オークマーシャルの絶叫が止まり、静かに倒れていった。


【最初やられてたけど、見せ場を作った?】

【おっさんとこのダンジョンに比べればぬるい攻撃だ】

【こんなので、おっさんはやられない】

【アイアンオークの流星打に比べたらね】

【あっちは摩擦熱で火が出るんだったっけ】

【おっさんの説によればな。俺は魔法の一種だと思っている】


「さあ次に行くか」


 15階層は、城の中だった。

 最初が中庭で扉があり、その中に入ると石の床で絨毯が引いてある。


「敵は、何だ?」


【オークシェフだな】

【でかい包丁を持ったオークにしか見えない】

【俺が命名したわけじゃない】


 オークシェフにシロガネが突撃する。

 首を噛み千切って終わった。


 こんなのなら幾体出てきても平気だな。


 オークシェフがシロガネに粉を投げつける。


「キャイン」


 シロガネは目をこすっている。

 目が痛くなる粉を食らったらしい。


 弥衣やえ達がオークシェフにボウガンの矢を放ち、仕留める。

 目潰しが分かっていれば、怖くない。

 俺はシロガネの目にポーションを注してやった。


 シロガネは学習したらしい。

 オークシェフにはブレスで対抗するようになった。


「ありゃ何だ」


 薙刀を装備して、腰には掃除で使うはたきを差したオークが来た。


【オークメイドだな。キングがいるといる付属品みたいなものだ】


 シロガネがブレスを吐くと、オークメイドははたきを抜き、ブレスを払った。

 消えるブレス。


 弥衣やえ達がボウガンで矢を撃つと、やはりはたきで払われた。

 水鉄砲に切り換えたが、やはりはたきで払われた。

 あのはたき、物を消す能力があるらしい。


「間抜けそうだが強いのか」


【オークロイヤルガード並みに強い】

【やるなら接近戦だな】


「はたきは何でも消せるのか」


【いいや、手にある物は消せないぞ。相手の武器は消せないはずだ】


 どういう仕組みか分からないが、まあそういうものなのだろう。


 そうか、接近戦か。

 俺は鉄パイプを振るわれる薙刀と合わせた。

 砕け散る薙刀の柄。


 俺はオークメイドの頭を殴った。

 はたきでガードしようとしたらしいが、俺は構わずはたきごと粉砕した。


 たわいないな。

 オークシェフやオークメイドを殺しながら、ボス部屋に到達した。


【ラスボスの予感】

【そうだな。ここでキングが来ないとがっくりだ】

【オークキングは強いのか?】

【ピンキリだな。特殊能力が何なのかで変わる。パーティの相性もあるし】

【なんでもありなのか】

【魔法系、戦士系、罠師の奴も確認されていたな。ほんとうに千差万別だ】

【おっさんなら力技でなんとかするだろう】

【だな】


「どうやら、ラスボスらしい。気を引き締めていくぞ」

「ええ」

「了解ですわん」

「分かったにゃ」

「わふぅ」


 重厚感のある扉を押すと、軋んだ音を立てながら、扉はゆっくりと開いていった。

 部屋の中央にはひと際大きなオークが腰かけていた。

 あれがオークキングか。

 俺達が部屋に入ると、扉は自動的に閉まった。

 さあやるか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る