第116話 デモ
朝から家の外が騒がしい。
さっそくデモか。
窓から外をみると100人ぐらいいる。
少ないのか多いのか。
俺は手を振ってやった。
罵声が凄い。
99%が悪口なんだろうな。
まあ気にしないが。
デモを呼び掛けた
デモ隊は出発地点の俺の家を出て、冒険者協会に向かうようだ。
冒険者協会は動かないだろう。
刑事告訴すればいいだけだからな。
まあ、裁判になったら返り討ちだが。
あー、マグネットラークの攻略法を思いついてしまった。
砂津波は集団だ。
集団は些細なことで固まる。
固まればもうどう言うことでもない。
どうやって固まらせるかだ。
接着剤かな。
うん、バケツ一杯程度じゃ駄目なのは俺にも分かる。
じゃあなんなら行けるのかは分からない。
買取場のおっさんに相談するか。
冒険者協会に行くとデモ隊が協会の前で声を上げてた。
「埼京の冒険者資格をはく奪しろ」
「埼京の所有のダンジョンを閉鎖しろ」
「奴隷がまかり通るのか」
「寄生スキルを規制しろ」
うん、ご苦労様。
俺は裏口から協会に入った。
買取場に行くとおっちゃんが苦虫を噛み潰したようだった。
「あいつら、お前がどんだけ利益を出しているのか知らないらしい。下手な上場企業並みだぞ」
「でもえこひいきなんかしないだろ」
「まあな。暴行動画もみたが、あれは合成だったな。お前の姿は配信映像から取ってる」
「調べたの? 暇だね」
「協会の監査部がな」
「そんなことより砂鉄の砂漠を大規模に固まらせたい。接着剤じゃ無理そうなんだ」
「そんなのマグネタリウムを使えよ。魔力を込めて、バケツ一杯ほど撒けば、カチンコチンだ」
「へっ、そんなのでいいの」
「金食い虫の方法だがな」
キロ10万円か。
50万円ほど撒けばいいのか。
安い安い。
散布するにはバケツじゃなくてカプセルがいいな。
100個ぐらい投げるのは人数さえいればどうってことはない。
協会から帰ってさっそく実験だ。
「マグネットラークを攻略するぞ」
【待ってた】
【おっさん氏ね】
【協会に意見書を出したから、すぐにダンジョンも封鎖される。震えて眠れ】
【さてどうなるか。おっさんはしぶといからな。まあ
【スキルの使用禁止はどうなん】
【合意の上だからな。じっさい相互に利益のあることだから】
【そんなわけないだろ。奴隷化のスキルだぞ】
【そうだそうだ】
おっ、マグネットラーク発見。
「投げるぞ」
マグネタリウムが入った10センチぐらいのカプセルに魔力を込める。
そしてそれを投げまくった。
マグネットラークは砂津波を起こそうとしているみたいだが、疎外されているようだ。
地味な攻防だな。
シロガネが走っていってマグネットラークに止めを刺した。
ええと、散らばったマグネタリウムはしばらくすれば磁力がなくなるから、回収してと。
リサイクルできるらしい。
次のモンスターは何だろうな。
マグネットラークを倒しながら、進むと蜘蛛の巣が見えた。
磁場で巣を作っているらしい。
蜘蛛の姿も見える。
マグネットスパイダーだな。
「一当てするか。バリスタ用意」
バリスタがマグネットスパイダーに向けられる。
「発射」
バリスタの矢は、砂鉄の蜘蛛の巣に絡めとられた。
酸付きだとどうかな。
「酸付きバリスタ用意」
バリスタの矢に酸が塗られる。
「発射」
蜘蛛の巣のいくつかは突破したが、やはり巣に絡めとられた。
また難題だな。
俺ならアダマン鉄パイプで薙ぎ払える。
でもそれじゃだめだ。
攻略法を明日までに考えよう。
買取場でマグネットラークを出す。
「前に貰った奴で解体したから、どのぐらいにになるかは分かってるぞ」
「1体いくら?」
「2000万円は超えるな」
「そんなに高いの?」
「背中のこぶがあるだろ。あれに高純度のマグネタリウムが詰まっている」
「マグネタリウムっていま何に使ってるの」
「リニアモーターカーだな。魔力駆動で動かすらしい。まだ実験段階だが、実用化は遠くないと聞いている」
「ふーん」
「それと魔力自動車だ。魔力で磁力を発生させれば、モーターを動かすのは簡単だからな。今まで魔力発電の電気自動車はあったが、それより効率が良い」
「じやあ、需要はあるね」
【サクラおつ】
【こんなことやってられるのも今のうちだけだ】
【それより警察は何してる】
【聞いても捜査中としか返ってこないぞ】
【無駄なんだよ。合意の上でやってるのに違いない】
【
コメントは通常運転だな。
さて、マグネットスパイダー対策を考えよう。
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