第4章 厨房編
第184話 若返った
あれっ、なんかおかしい。
髭が少なくなったような。
朝起きてみると体に異変が。
鏡を見るとだいぶ若返っている。
15歳ぐらい?
もう少し下か。
参ったな。
原因は思い当たるふしはある。
害獣の生命力を吸い取りまくった。
コボルトのキナコに電話する。
『もしもし、生命力吸収ってやり過ぎると若返ったりする』
『そう、ですわん。狂った貴族の娘とかがやり過ぎて人間を殺して、指名手配されたりするですわん。だからドレイン系は嫌われるスキルですわん』
『ありがとな』
原因は分かった。
考えてみたら寄生スキルもドレイン系か。
前に、生命力を吸収して若返ったものな。
さて、姿なんか変わっても問題ない。
死ぬ病でもないし。
「おっはー」
おっはーとは古いネタだな。
「おはよう」
俺は扉を開けた。
「やだ、
「俺が分かるとはさすがだな」
「うーん、そこは僕って言ってほしいな」
「絶対に着せ替え人形にはならないぞ」
先手を打った。
服なんか3着もあれば良い。
そんでもって切れたら買い替えればいいだけだ。
「えー」
「あのー」
如何にも事務員という女性が来た。
「ええと何?」
「教育委員会から伺いました」
新手の詐欺か。
まあ良い。
面白そうだ。
「さあ、みんな入って」
3人でテーブルに着く。
お茶を淹れた。
「あの、お父さんはご在宅でしょうか」
「お父さん?」
「
「それは俺ですけど。スキルの影響で若返ってしまったんだ」
「それは都合が良いですね」
都合が良い。
なんのこっちゃ。
「ええと」
「中学校に監査が入りまして、
「何だって?」
「もう一度、中学生からやり直して下さい」
「良い事、思いついちゃった。私も
「大学はどうするんだ」
「休学期間を延ばす」
「どうなの。
「そこは特例で認めましょう。
ああ、
教育委員会の人が帰って、
俺から付与スキルで生命力を送ることは容易い。
いま、この瞬間も害獣対策のコボルトとケットシーから生命力が流れ込んでいる。
「凄い、若返った」
「
「いやん」
スカートが落ちてなくてよかった。
「若返りの商売したら儲かるだろうな」
「医療行為とか言われて捕まるんじゃない」
「世知辛いな。俺に医者は無理だ。そんな頭はない」
「勉強、頑張ってみようよ。がんば」
ぐーして、言われてしまった。
くそっ、中学生の
母星本能がくすぐられる。
あれっ、なんか違うような。
「
さて、配信をどうしよう。
辞めるって手はないな。
CGで通そう。
「えー、この度、動画配信をリニューアルします」
【おー、ヤエちゃん若い】
【これで、おっさんの動画はCGだってはっきりしたな】
【ヤエチャンネルのおっさんも若返っているな】
「重大発表、どんどんどんパフパフパフ。なんとおっさんは中学に通います」
【学校配信か。つまらんだろう】
【エッチなら需要ありかも。着替えシーンキボンヌ】
【おっさんは法律違反はしない】
【モチとキナコは出て来ないのか】
「放課後、討伐動画も上げるよ」
【冒険者部に入るのか】
【美少女の活躍なら見たい】
【冒険者部なんて野郎しかいないだろう】
「冒険者部なんてあるんだな。面白そう」
【どうせCGだろう】
【CGでも美少女なら許せる】
【みんな、なんでおっさんが中学に入れたのか疑問じゃないのか】
【CGですしおすし】
「うん、親が死んで、お金がきつかったんでバイトしてたら、出席日数が足らなかったらしい」
【何年前の話だよ】
【おっさんの歳だと20年ぐらい前】
【今更だな】
【設定に文句言っても】
【まあな】
【なぜ若返ったのか聞かないのか】
【前に一度30代から20代になってる○○○○.html】
【サンクス】
「じゃあ、そういうことで明日からよろしく」
【おお、面白い動画、期待してる】
制服が、吊るしの物で足りて良かった。
ついでに学校に1億円寄付しておいた。
こうしとけば問題を起こしても大丈夫だろう。
教科書を見てみたがチンプンカンプン。
先が思いやられる。
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