第68話 金で黙らせた
7階層は草原で、モンスターはゴブリンマジシャンに率いられた大軍。
大軍といっても100匹ぐらいしかいないが。
俺達は包囲されたが関係ない。
叩きまくるだけだ。
矢も槍も剣も盾も何もかもが粉々にされていく。
「ヒャッハー」
【絶好調だな】
【確か資料によれば、ここのモンスターは毒も使ってくるらしい】
【さっきからかすっているが、どうなん?】
【毒耐性を持っているとしか】
【やられるところが見たいんだよ。なんで無双する】
【逮捕されろ】
「警察なんか恐れるに足らん」
【ほざいているな】
【暴行罪確定だから虚勢をはっているのかな】
【初犯なら執行猶予つくだろう】
【こういう奴に限って裁判で反省文読んだりするんだよな】
【極刑にしてほしい】
「悪党はしぶといのさ」
【逮捕間近なんじゃないか】
【そうでなきゃおかしいだろう】
「ふふん、お前らのルールに合わせる必要はないんだよ」
【こいつ、鼻で笑ったぞ】
【くそう、警察は何してる。抗議の電話掛けようぜ】
【おう】
【殴られた子供の親は何やってんの。抗議の声を上げたりしないのか】
【この余裕の態度は金で黙らせたな】
「その通りだ。金と弁護士で黙らせた」
【この極悪人が】
【誰かなんとかしてほしい】
【しかし、ゴブリン軍団弱いな。何やってんの】
【ほんとさっきから一撃食らって死んでいく。無双ゲームじゃないんだから】
「負ける気なんかしない。ヒャッハー」
【攻撃が加速して見えない】
【嫌になるぐらい。つええな】
【もう1000は潰しただろう】
【群れを10ぐらいはやったからな】
【ゴブリンの誰か。いいかげん止めろよ】
「正当防衛で叩かれる勇気のある奴は一撃打ち込んでこい。受けてやる」
【そんな挑発には乗らない】
【タイヤボロボロにする動画みたよ。あれは食らいたくない】
【やっぱり。抗議の電話だな】
「意気地のない奴らだ。おっともうボス部屋だ」
【ボスでも止まらないんだろうね】
【もうモンスターには期待しない】
【悪党のしぶとさはどうにもならんな】
【金と弁護士で黙らせたのか。脅迫罪に問えないかな?】
【無理だろ。札束積んで、『分かりますよね。書類にサインを』ぐらいしか言わないだろ。弁護士が交渉しているんだぞ。脅迫罪になるようなことは言わない】
【悪人がはびこる世界に呪いあれ】
「はははっ、笑わせてくれる。呪いの力なら持っているぞ」
俺は鉄パイプから黒い呪いのオーラを出した。
そして鉄パイプの一振りで、目の前にいるボスのゴブリンウイザードを魔法ごと消し去った。
家に帰ると、弁護士から報告があった。
虐めの件で、
親も虐めの事実を知らなかったようだ。
私立に転校する費用を賠償金で賄うという説得に応じたらしい。
足りない分の転校費用は俺が払うことになっている。
だが、計算では足りるらしい。
相手の子供は精神障害を負わせたとして傷害罪でも訴えた。
先生は傷害罪ほう助で。
こっちは刑事事件だから、刑事さん次第だ。
祝杯を上げたい気分のところ、ピザを頼んだ奴が謝りにきた。
「寄生スキルを受け入れれば許してやる」
「ごめんなさい」
「じゃあピザの代金払え」
「食ったのなら払う必要ないだろ」
「いいやあるね。俺は立て替えただけ。ピザは持って帰れとはいえないだろ。廃棄されればゴミなんだから。この場面も録画しているぞ」
「くそう、受け入れればいいんだろ」
「寄生。ほらいっちょ上がり。会社には勤めているのか?」
「今回の件で首になった」
「なら高給で雇ってやるよ。年収1000万はかたいぞ」
「契約書を書いてくれ」
「いいぜ。みんなと交わしている雇用契約書がある。精々、隅から隅まで読むんだな」
「持って帰っていいか」
「いいぞ」
訴えて謝りにきた奴にニートがいたが、そいつも同じように処理した。
どいつもこいつも、ストレス抱えやがって。
みんなまとめて面倒見てやるよ。
来た奴らは、裏切るともれなく若さを吸い取られるのを知っていた。
情報だけは調べやがって。
みんなどこで調べたのか雇用契約書をチェックして、そして名前を書いて判を押して持って来た。
ホクホク顔でだ。
うちのダンジョンの素材は高く売れる。
特にアイアンタイガーの弾丸採りが人気だ。
固定給+歩合給になっているからな。
売った金の半金が手に入る。
盾持って、弾を1回受け止めれば、25万円だ。
人気が出るのも仕方ない。
あとグラトニーの体の採取。
キロ25万で、一回に20キロは取れる。
大儲けもいいところ。
なので一日に1時間も働かせてない。
まあ危険を伴う仕事で、一瞬の油断が命取りだ。
加護というセーフティネットがあるにしてもだ。
酸の採取と毒の採取は人気がないので当番制になっている。
みんな喜んで仕事しているらしい。
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