第189話 胡散臭い
次の日、何気ない顔で登校。
「おはよう」
元気に教室に入った。
「おまっ。何で?」
「ヤングファントムに助けて貰ったんだ」
【ヤングファントムは草】
【不良たちがこのチャンネルに、気づく展開希望】
「ヤングファントム?」
「ファントムの息子らしいよ」
【嘘、言っちゃって】
【底辺おっさんがファントムの息子は草】
【なんかちょっと面白いな】
底辺おっさんのチャンネルには辿り着けないはずだ。
なぜかとというと18禁設定にしておいた。
ちょっと前までは15禁だったんだけどな。
残虐さが凄いと言うので、18禁設定になったんだよ。
中学生にはこのチャンネルは見つけられないはず。
親のIDでも使わない限りはな。
「見つからないぞ。嘘、言うなよ」
「そうだ」
「ふかしこいてんじゃねぇぞ」
「証拠を見せろ」
「ヤングファントムは俺が名付けた名前。ファントムの仮面を被っていて若そうだったから」
「ファントムレプリカは一時流行ったからな。今も着けている奴はだくさんいる。そいつもそうだったのかもな」
【息子の話はどこから出て来た。ストリーリーが破綻してるぞ】
【なんとなくドラマが始まりそう】
【面白くなるかは分からない。脚本が底辺おっさんではな】
【AIを使えば低予算でフェイク映像が作れるんだって】
【おお、そんな世の中だよな。底辺おっさんの所もそうしているはず】
「もう良いかな」
俺は自分の席に行こうとした。
「拘束ボールを投げて逃げたことは絶対に言うなよ。喋ったらちょっと酷いことになるかもな」
「分かった」
面白いから今はまだネタばらしはしない。
まだ始まったばかりだ。
【おお、口留めするのな】
【配信してるのは草】
【しーで出来てるドラマだから】
席に着くと隣の
「配信みたわよ。不良で遊んでいるのね」
「まあな。学校生活の楽しみのひとつだ。毎日来る楽しみがないとやってられない」
「ほどほどにね」
「犯罪は犯さないよ」
「十条さんを虐めてた奴らの骨を折ったでしょう」
「あれはヤングファントムがやったんだよ」
「そうね。ヤングファントムがね」
【裁判になると前科付くでしょ】
【証拠があればな】
【折った映像もない】
【カメラがぼろいんだよ。コマ送りしても写ってない】
【まあ、折られた相手も、訴えたりしてないがな】
【暴行は親告罪ではない】
【ただ現状では被害届が出されないと立件はほとんどされない】
授業はつまらん。
既についていけてない。
出席だけしてれば卒業させてくれる約束だ。
追試は受けないとだけども。
追試は優しくしてくれると聞いている。
これは特別待遇ではなくて全員にそうみたい。
放課後になった。
「冒険部に行くぞ」
へいへい。
部室に入ると、見知らぬ顔がいた。
こいつが
「君が
不良にひとり良い子ちゃんが混ざっているのか。
実に胡散臭い。
【うわ、なんか裏でやってそうな奴登場】
【だよな。そんな匂いが漂ってくる】
【タバコの吸い殻をまずは先生にチクれよ。話はそれからだ】
【うん、何でそうしないのかな】
コメントも裏があるという意見だ。
「虐めてなんてないよな」
「うん、仲良くやっている」
「また、休み時間にタバコを吸って」
「先生に注意したりしないのかな」
俺は聞いてみた。
「前に言ってみたんだけど、先生が怪我をして退職してしまって。それから何度も言っているんだけど」
【うわ、レベルが高い乱暴者は始末に負えない】
【世間に出ると粋がっている奴は高レベルの冒険者に締められ消えていく。チンピラとかもそう】
【まあな。そう言う奴を許さない冒険者は多いから】
「
「はい。綺麗好きですから」
【底辺おっさんは綺麗好きなのか】
【部屋は汚いぞ】
【所有のダンジョンは綺麗だけど】
【ダンジョンはゴミを吸収するから当たり前だ】
私立探偵を雇うかな。
俺は
さて、どんな話が出てくるか。
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