第49話 アイアンモンキー
アイアンスネークは、キロ54万で落ち着いた。
マナポーションと不摩耗部品が作れるのが大きい。
抽出は大変そうだが、錬金術スキルとかが大活躍しているのに違いない。
化学実験は嫌いだ。
上手くいった試しがないし、レポートは地獄だった。
錬金術スキルでパパっとやっていると思いたい。
アンアンスネーク乱獲は、コボルトとケットシーに頼んであるから問題ないはずだ。
襲って来るアイアンスネークを倒しながら奥へと進むと、森があって木には銀色の毛並みをしている猿のモンスターが腰かけていた。
樹も銀色をしていてとても美しい。
アイアンモンキーだな。
シロガネが吠えるが相手にされていない。
木の上だから仕方ないな。
【猿か。まあEランクだな】
【このダンジョンを甘く見ない方が良い】
【Aランク以上かもな】
【そんなことはありえん】
さて攻略だ。
木を倒すのはどうかな。
俺は鉄パイプで木を連打した。
「倒れるぞー!」
木が倒れ木にいたアイアンモンキーはジャンプして別の木に乗り移った。
アイアンモンキーが騒がしくなる。
そして、糞を投げつけてきた。
【この攻撃はEランクだな】
【ぷぷっ、糞まみれになってしまえ】
【おっさん、がんば】
【おっさんは負けない】
「こりゃ堪らん。後退」
糞まみれはちょっと勘弁してほしい。
遠距離攻撃が正解かな。
水鉄砲では届かないだろう。
魔法で焼き払うのはどうだろうか。
「火炎扇風機」
【火炎旋風が正解な】
【重箱を突く行為はみっともない】
【壮大な魔法じゃないか】
【最強か】
【Aランクの魔法使いより凄いことはたしか】
【おっさん最強】
炎の竜巻が木を包んだ。
木は燃え上がらなかった。
「ちっ、燃えないのかよ」
「
そうなの。
【なるほど凄いお宝設定なのな】
【実際に儲けているんだよ】
とりあえずさっき倒した木をアイテム袋に収納して、糞はペットボトルに割り箸で採って撤退した。
買取場で木と糞を出した。
「燃えない木なんだ。糞は分からない」
「おう、木の用途は色々と思いつくな。高値が付くだろう。糞か、糞の用途は分からないが調べてみよう」
【夢の素材だな。条約締結の時とかにこの紙が使われるかも】
【虫には強いのかな。虫が食わなければ、凄いと思う】
【糞は何だと思う】
【お茶とかじゃね。絶対に飲まんけど】
【きっと、夢の素材だよ】
帰ったら、たくさんの人が来てた。
弁護士によると訴えた奴ららしい。
捏造番組のプロデューサーとスタッフもいる。
「謝るなら誠意を見せろ。寄生させろ。そして仕事を首になった奴は俺の所で働け」
【恰好いい。優しさが滲み出る言葉だ】
【奴隷が欲しかったんじゃね】
【でも最低賃金は保証しないといけない】
【そういうのは上手くやるだろ】
【おっさんは優しいから高給出すに決まっている】
「おい、お前ら、年収500万は保証してやる。とりあえず防護服着て酸の採取だ」
【あのスライムの酸を採る仕事か】
【何気にきつそう】
【おっさんは、優しいから、時間が短いと思う】
「一日4時間でいい。後はアルバイトでもなんでもするが良い」
【夢の仕事だ】
【本当ならな。実際はブラックだったりして】
【疑うなら試しにおっさんの所で雇われてみたら、昼間からここに張り付いているってことは無職だろう】
【オマエモナー】
【俺は休憩時間がちょくちょく入る職場だぞ。物を教える職業だと言っておく】
【口なら何とでも言える】
【嫌だね疑うしか能のない奴は。そんなので人生楽しい?】
社員が増えた。
人間の社員が欲しかったんだよ。
コボルトとケットシーの仕事ぶりを宣伝してくれると嬉しい。
電話が掛かってきた。
焦ったような買取場のおっちゃんの声。
「緊急事態?」
『お前ら、体調に変化はないか。もっとも病院に行っても手の打ちようはないが』
「ピンピンしてるけど」
『あの糞な、病原菌の塊だ。それも凶悪な奴な。ただ、1分も経つと菌が死ぬから、糞を洗い流して1分平気なら問題ない。たが感染すると1分で死に至る。細菌兵器真っ青だ』
「へぇ」
『空気や水に触れると菌がすぐ死ぬのが救いだな。とにかく感染しなければ問題ない』
「感染したかもな」
『治ったなら、免疫ができているはずだ。血液を採取させろ。新薬が出来るかも知れん』
「まあ良いけど」
防護服を着た人達が来て血液を採られた。
簡単な診断も受けたが問題はなかった。
アイアンモンキーの糞は危険。
認識したから問題ない。
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