第3章 ファントム編
第122話 スタンピード時代
あれっ、今日はモンスターが多いな。
現在、5階層を討伐中。
5階層は花畑フィールドだけど、花の数よりモンスターの数の方が多いような。
そのモンスターも、100種類を超えている。
ええと、この階層はそういう階層なのかな。
きっとそうだな。
【見渡す限りモンスター】
【あっ……
おりょ、コメントが途切れた。
まあいいか。
別にアドバイスは要らない。
叩くだけだ。
「おらおら、アラ、魚のアラで、おらおら、おらは
ふざけないでやろう。
しかし、多いな。
関係ないけど。
1時間ほどで全て倒せた。
「みんなお疲れ」
「大変なことになっているみたい」
「私のチャンネルも配信が途切れたわ」
やはり心配そうだ。
二人とも大げさだな。
ただの通信障害だろう。
それよりシャワー浴びて、ビールを飲みたい。
いい汗かいたからな。
ダンジョンから出ると、街のあちこちから火の手がみえる。
そして逃げ惑う人々。
追うのはモンスター。
あれっ、いつの間にモンスターはダンジョンから出るようになったんだ。
「ちょっと片付けてくる」
相棒のカメラは
全力だ。
「私達もモンスターを討伐するわ」
「もちろん私も」
「そうか、俺は全力を出すから、ついて来ようとは思うなよ。じゃな」
いま走れる最大速度で走る。
靴底から煙が上がる。
そして、窓ガラスが割れるのが見えた。
俺のせい?
えっと知ーらないっと。
まあ、請求書が来たら修理代は出すけどね。
うん、走りながら叩くのも良いな。
手あたり次第、叩きまくる。
「もう駄目だ。俺達死ぬしかない」
ドラゴンと対峙してた冒険者が絶望している。
あらよっと。
俺はドラゴンを全力で一撃。
ドラゴンの体は弾け、クレーターが出来た。
リズムよく行こう。
ターンを華麗に決めて次のモンスターに向かって走り出す。
次の大物は何だ。
たくさん頭があるドラゴンみたいなのがいる。
あいつだな。
出会いがしらに頭をひとつ潰す。
そして、ステップを踏み、次々と頭を潰す。
だが、潰すたびに再生する頭。
おう、無限に再生できるか調べてやろう。
ステップを踏みながらリズムよく頭を潰す。
ステップを踏んだ所が赤くなり火が点き燃え始めた。
アスファルトって燃えるんだな。
リズムに乗って来た。
足元が燃えるなんてなんか恰好が良い。
ところが乗ってきた所で頭の再生が止まった。
無限じゃなかったのだな。
さて次だ。
小山ほどの狼がいるのを見つけた。
襲い掛かると相手はひらりと避けた。
俺とでかい狼はクルクルと回った。
まるでダンスのようだ。
狼が止まってブレスを吐く体勢になる。
馬鹿だな。
そんな隙を与えるかよ。
頭を一撃。
狼の頭は弾けて、冷気が辺りに散らばった。
辺り一面が氷の世界だ。
足が冷えて気持ちいい。
さあ次だ。
でかいイカのモンスターがいる。
俺は足をぶった切ってやった。
全ての足を斬って、そして止めを刺す。
足一本を拾ってアイテム鞄に入れるのを忘れない。
ビールのつまみはきみに決めた。
4メートルはあるオークを見つけた。
オークが吠えるたびにオークが現れる。
無限召喚か。
よし、リズムよくやるぞ。
出現したオークを次々に叩く。
乗ってきた所でオークが品切れになった。
親玉のオークに止めを刺す。
オークも一体貰っておこう。
イカはでかいと大味だって聞くし、その点オークなら、定番の味だ。
5メートルはあるオーガを見つけた。
頭が高いんだよ。
俺はオーガの脛を叩き折った。
絶叫を上げるオーガ。
残った片足も叩き折る。
オーガは跪いた。
そうそれで良い。
オーガの頭に一撃を入れる。
たわいない。
やがて、目に見えるモンスターは全て片付いたようだ。
街で討伐していた、冒険者が喜び合っている。
大げさだな。
帰るか。
ビールが美味いだろう。
七輪を出して、イカの足とオークの肉を焼く。
良い匂いが辺りに漂った。
「うめぇ」
油が乗っていて美味い。
ビールを流し込む。
「ぷはぁ、これだよこれ。今までは全力でってのがなかった。今度から全力で討伐ってのを定期的にやるかな」
相棒のカメラを装着。
イカとオーク肉でビールを飲む映像を流す。
【おっさん生きてた】
【おっさんは死なんよ】
【しぶとさには定評がある】
【なんでそんな美味そうな物を食っているんだよ。ジュウジュウいう音がたまらん】
「モンスターが街中に出たが、平気だったか?」
【なんとかな】
【隠れてた】
【ドラゴンを初めて生で見た。死ぬかと思ったよ】
色々と大変みたいだが、偉い人がなんとかするだろう。
俺は叩いて叩きまくるだけだ。
次があっても同じようにな。
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