第13話 アイアンオーク攻略完了

 今日もオーク戦だ。

 今度は食らわないぞ。


 オークに遭遇。

 脛を連打。

 手ごたえあり。


 俺は急いで飛び退いた。

 俺のいた所を鉄の棍棒が通過。

 地面をへこませ小さいクレーターを作った。


 オークは水蒸気を出して動かない。

 俺は位置の下がったオークの頭を連打した。

 手ごたえあり、オークは崩れ落ちた。


 オークの攻略法はなったな。


【惜しい。死ねば良かったのに】

【じゅるり、700万】

【もう、とろけそう♡】

【所詮は初見殺しか】

【だな。オーガの一撃とどっちが凄いだろう】

【オーガじゃね。オークなんて精々Cランク。特殊能力を加味してもBランク。Aランクのオーガの方が凄い】

【じゃあ、おっさんはBランク?】

【いや、からくりがあると思う】

【たとえば?】

【出会うモンスターに寄生して能力を上げているとか】

【それだ】

【最初から寄生スキルは持ってたんだよ。でもってモンスターに寄生して能力値を上げた】


 おお。モンスターに寄生するなんて思いもしなかった。

 次のオークに試してみるか。


「寄生」


 ありゃ、拒否られた。

 だよね。

 許可なしに好きに寄生できたら最強だ。

 そんな上手い話があるものか。


【むっ、寄生したのか?】

【恐ろしい奴だ。こんな奴を野放しにしていいのか】

【寄生虫は滅びろ】

【悪党の方が強いんだよ。物語でもそうなっている】

【そうそう、正義を前に悪は滅びる。強かろうがな】


 ええと失敗したとは言いづらいな。

 こういう時は。


「はははっ、いまこの瞬間も俺のパワーは上がっている。力が流れ込むのを感じる」


 俺は弥衣やえに合図を送り、鉄パイプをオークに向かって振り下ろした。


「流星打」


 ナイスタイミング。

 弥衣やえが振り下ろす俺の鉄パイプにスキルを掛けて、オークと同じように打撃が光の軌跡を残した。

 鉄パイプを胸で受けたオークは大きく後退した。

 弥衣やえのスキルがあるとこんな感じか。


 ええと、大技の後の水蒸気。

 そんなもの出せるか。

 ふざけてないで真面目にやろう。


【オークの光る打撃は流星打か】

【ネーミングセンスがないな】


 オークの脛を連打。

 手ごたえあり。

 弥衣やえに合図を送った。


「流星打」


 大技を構えたオークは打撃を食らって不発状態になった。

 だが、体から水蒸気が出ている。

 飛び退かなくてもダメージを与えると大技は不発に終わるんだな。


 俺はサクッとオークを倒した。


【おっさん、しぶといな】

【なんだが好きになってきた】

【ここまで行くとたしかに】

【そんなこたぁない。おっさん氏ね】

【好きになどなるものか】

【恰好良いと思っているんでしょ。うりうり、お姉さんに言ってみそ】

【相変わらず手数が多くて決定打に欠ける】

【パワーが足りてないと思われる】

【千撃必殺スキルがあるから、それが決定打】

【そんなのもあった。低確率じゃ話にならん】

【そうだ。おっさんは、弱い。おっさんは、氏ね】

【でも今の戦闘で700万なのよね。だれか年収でも勝てる方はいまして】

【俺、冒険者になる】


「お前ら、俺様に感謝しろよ」


【何が?】

【ついに狂ったか】

【配信で楽しませてやっているとか言うんだろ】


「俺が採ったオーク素材で薬が作られるんだぞ。お前達の身内が使うことになるかもな」


【誰が使うか】

【そうだそうだ】


「そんなことを言っても死にそうになったら、医者に使って下さいと言うんだろ。分かってるさ。俺様に感謝するが良い」


【感謝など絶対にしない】

【あなたの薬で主人が助かりました】

【ステマ乙】


「俺はサクラなど使わない。悪の美学に反するからな。そうか助かったか。寄生。貴様の力はもらい受けた」


【うわ、コメントしても寄生されるのか。解除方法は?】

【落ち着け。はったりだと思うぞ。攻撃だってハッタリもいいところだ。実際は30回なのに1000回攻撃しているって言ったらしい】

【どこ情報?】

【ドラスレチャンネル。嘘を暴いていたぞ】

【ドラスレが心配。追放して悪口を言うとざまぁ率が強くなる】

【Aランクパーティがざまぁされるって? ないない】

【言い切れるのか】


「俺を追放した器が小さい奴らか。心配しなくても俺はいずれ見返してやる」


【心配してない】

【おっさんは、氏ね。ドラスレは、生きろ】


 オークは楽勝だな。

 2パターンの必勝法が作れたから、もう遅れは取らない。


 とりあえずオーク乱獲だな。

 10億ぐらいは軽いと思う。

 チャンネルの登録者数は2万を超えた。

 順調に行き過ぎて怖いな。

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