第135話 暗闇
さて、暗闇フィールド。
前にも言ったが、この暗闇、ライトの光も吸収してしまう。
【ここからは他のパーティもほとんど進んでない】
【これを突破するのは難しそう】
俺の力をもってすれば楽勝だけどね。
寄生して得たスキルにマッピングとか色々とある。
スキンセンサーなんてのもある。
暗闇の戦闘もお手の物だ。
しかし、暗闇は音だけで実につまらん。
映像がないんじゃ物足りない。
「ここには、何か分からない物質が充満しているみたいね」
考えるだけ無駄だ。
グラトニーマテリアルはどうかな。
グラトニーマテリアルの棒に魔力を込めて振る。
うん、光が届くようになった。
これを振り振り進むのは何かめんどくさい。
【あの棒は何?】
【おっさんの秘密兵器だろう】
【CGくさいな】
【まあな】
ええとワイパーかな。
武器工房にお邪魔する。
「グラトニーマテリアルのワイパー作ってよ」
「車のワイパーか?」
「うんあんな感じ」
「言っておくがそれは武器なのか」
「魔力を込めたグラトニーマテリアルに当たると肉が根こそぎ消える。もはや武器だろ」
「うんうんて。そんなの武器じゃねぇ」
「でも威力絶大だ」
「自走カートに付けりゃ良いんだな」
「作ってくれるの?」
「巨人のダンジョンのダークゾーンだろ。あれを突破できる道具なら仕方ない。次は武器らしいのを頼むぜ」
グラトニーマテリアル搭載の自走カートを引き連れて再度やってきた。
ワイパーオン。
グラトニーマテリアルが何か分からない物質を消していく。
何か分からない物質ではあれだから、ダークマターとする。
どっかでそういう名前を聞いたからな。
まあ俺が呼ぶ名前だから。
【このカートはチート装備だ】
【ここの光子吸収物質は採取して利用できないものかな】
【それは試みられたが、実現してない】
「じゃあ、討伐開始」
「やったるよー」
「はい」
ここの巨人の武器は杖だ。
何で杖なのか分からない。
まあそれが分かったところで何もないが。
ダークジャイアントと命名。
自走カートが動き、暗闇を消して行く。
俺はワイパーのグラトニーマテリアルを補充する役目だ。
【今回はおっさんの出番があったな】
【雑用じゃないか】
【討伐がめんどくさいんだろう】
【酸の水鉄砲には飽きたのかな】
討伐は進み、ダークジャイアントは次々に討ち取られて行った。
暗闇の地の利が無ければこんなもの。
30体は巨人を倒しただろうか。
暗闇が薄くなった気がする。
自走カートのワイパーだけではない気がした。
どういうこと。
「あー、ダークジャイアントは魔法でこの暗闇ゾーンを作り出していたんだ」
【おっさんが謎を解く】
【光子吸収物質は魔法だったのか。となると採取しても時間が経つと消える理由が付くな】
【まあ、どうでも良い謎だな】
「このダークジャイアントが地球を支配すれば、地球は暗闇の世界となるだろう」
【言いがかりだ。巨人だってこの一区画だけだ】
【ダークジャイアントが大繁殖すれば、たしかにおっさんの言葉は正しい】
【大繁殖の可能性は常にある】
「巨人はこういう危険な奴らばかりだ」
【捏造だ】
【おっさん、巨人を悪者にしようと必死だな】
【討伐の正当性を出そうとしているのだろうが、そんなのモンスターだからの一言で済む】
【こういう人がいるから。巨人は友達です】
暗闇の領域を抜けた。
そこは巨人の兵士が陣を張ってた。
塹壕や柵、天幕、投石機などがある。
まあ何か考えるだろう。
今日の討伐はここまでだ。
地上に出ると。
「巨人の住処がまたひとつ潰されました。みなさん手をこまねいていてどうするのです」
「そうだそうだ」
おっ、今回は冒険者が巨人を守る会に加わっている。
どういうこと?
金で雇われた。
「冒険者が何で巨人を守る? 狩るべきモンスターだろう」
「俺達は巨人の保護に目覚めたんだ」
何か。
「彼らにも生活があるのよ。巨人の会話聞き取り依頼は美味しいの。ジャイアントラッシュと呼ばれているみたい」
何だ金かよ。
調査依頼のためか。
「ダンジョンコアを討伐したあとにゆっくり調査したらいい」
「お前達が、浅い階層を荒らすから、調査依頼が難しくなった」
ああ、一階層の巨人はあらかた狩ったからな。
だが。
「そんなのは知らん。俺達を止めたかったら、法律をもってこい」
明日は冒険者バトルの二回目。
ランクアップとファントム争奪戦に出るつもりだ。
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