第106話 マグネットオーク

 マグネットウルフの領域を抜けると、現れたのはオーク。

 マグネットオークだな。

 身に砂鉄の鎧を纏い、馬鹿でかい砂鉄で出来た剣を担いでる。

 強そうなんだが、どうだろう。


 まず、キナコとモチは浸透撃を食らわすのには接近しないといけない。

 剣が邪魔だな。

 弥衣やえの武器強化された矢は通るだろうか。

 シロガネは問題なさそうだ。


 俺も問題ない。


弥衣やえ、試し撃ちだ」

「武器強化、それっ」


 ボウガンの矢は砂鉄の剣で叩き落とされた。

 おう、強いな。

 弥衣やえ達だと苦戦する。


「むー、キナコ、モチ、酸の水鉄砲よ」

「はいですわん」

「了解にゃ」


 3人が水鉄砲を撃ちまくる。

 酸が掛った所はみるみる溶けたが、オークは周りから砂を集めて元通り。


【今度こそおっさん死んだか】

【いや、一撃で終りだって】


 俺はアダマン鉄パイプをしごくと構えて一撃。

 マグネットオークの頭はミンチになった。


【くっ、今度こそだと思ったのに】

【しぶといな】

【ことごとく予想を外す】

【お前ら綺羅々きららちゃんを基準に考えているだろ】

【それがどうした。おっさんはFランクだぞ。綺羅々きららちゃんの上なわけないだろ】


「オークなどいくらきても問題ない」


【オーク達、集結せよ。おっさんを物量で負かすのだ】

【おっ、集まって来たぞ】

【この調子だ】


「シロガネ」

「がうっ」


 俺はオーク達を叩いて回った。

 シロガネもオークを一撃で倒している。


【あの犬強いな】

【メタルフェンリルだからな】

【くそう。今度こそと思ったのに】


「今度は大丈夫任せて」


 弥衣やえがそう胸を張った。


「よし任す」


 オークが見えたので任すことにした。

 弥衣やえはミスリルメッキの矢じりに酸を塗ると発射した。

 矢は見事砂鉄の剣を突き抜け、砂鉄の鎧も貫通した。

 そう言えばこれがあったか。


「どんなもんよ」


【くっ、手下も強い。あの酸はチートじゃないのか】

【チートだよ。今更分かったのか。過去動画見て来い。全てはそれからだ】

【何、仕切っているんだよ。過去動画なんか見てられるか】

【そうそう、綺羅々きららちゃんの動画ならまだしも】


 それからオークを100体ぐらい仕留めた。


「今日はこれぐらいで良いだろう」


【今日も終わったか。でサクラの買取動画を見せるんだな】

【何だかんだ言って見てるじゃないか】

【これ見て馬鹿にするのが正しい楽しみ方】


 俺は買取場でマグネットオークを出した。


「マグネタリウムが2キロで20万。毛皮はまあ5万ぐらいか。魔石が50万な」

「買取お願いしゃあす」

「了解」


【ワンパターンで面白くない】

【睾丸はどうなった。オークの睾丸て薬になるんじゃなかったのか】


「睾丸の値段は?」

「そこは効能を確かめないとな。普通のオークでも1万にはなる」

「あざっす」


【オークの睾丸て高いのな】

【精力剤だからな】

【おっさんはそれ飲んでヤエとかいう女とやってそう】

【いや、手あたり次第やってるだろ】

【それって悪口なん。ハーレム築いていたら勝ち組だろう】

【うるさいな。あっさんは精力過多で禿げる】

【今も禿げてかつらだと診た】

【はげはげはげ】


「俺は禿げてないが何か」


【反論するってことは禿げてる】

【ぷぷぷ】

【禿が許されるのは赤ちゃんまでですよねー】


「好きに考えたら良い。そんなことで優位に立てたと思うなら、貧しい心だな。身体的特徴で差別するのは最低だぞ」


【おっさんが正論言ってる】


「もとい、悪には禿が似合う。禿のない悪党は3流だ」


【認めたのか】

【わーい、はげはげはげ】

【うんこを持って喜んでる奴と一緒だな】

【おっさんを擁護しても事実は覆らない】

【そう言えば、このおっさんは、別名うんこおっさんだったな】


「睾丸の成分分析が出たぞ」

「早いな」

「ここの買取場は成績がいいから、鑑定系スキル持ちが多数いる」

「そんなことより結果は?」

「精力上昇、鉄分吸収、人間磁石。まあ2万か。人間磁石は宴会芸に良いけどな」

「がっかりだ」


【ぷぷぷ、いい気味だ】

【でも100体で200万だぞ】

【実際は200円】

【おっさんは見栄を張りたいのさ。それぐらいしか目立てない】


 ふっ、明日を楽しみにしてろよ。

 明日、俺は綺羅々きららを無茶苦茶にする。

 きっとさらに炎上するな。

 今から楽しみだ。

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