第107話 レイプ事件

 新たな敵モンスター、マグネットタイガーが現れた。

 こいつはどうかな。

 今のところ砂鉄を纏う気配はない。

 だが、このフィールドにいる以上、きっと磁気の攻撃を繰り出すに違いない。


【でかくて強そう】

【普通の虎の2倍はあるな】


 一当てしてみようか。

 俺は進み出た。

 そこからダッシュ、マグネットタイガーにアダマン鉄パイプで殴り掛かった。

 マグネットタイガーは赤黒いブレスを吐いた。

 くっ、砂鉄かよ。


 こりゃ堪らん。

 俺は飛び退いた。


【いいぞ。おっさんは手出しできない】

【でもダメージにはなってない。あと少しだトラさん頑張れ】


 鉄パイプの連打でブレスは防げない。

 ブレスを切り裂くことはできるけどもな。

 斬り裂きまくって叩くか。

 うっし。

 両頬を叩いて気合を入れた。


 ダッシュする。

 ブレスが吐きかけられた。

 俺はアダマン鉄パイプを薙ぎ払った。

 ブレスが割れる。

 だがすぐに元通りになった。

 手数で圧倒するまでよ。


「うりゃ、うりゃ、うりゃ」


 ブレスが斬り刻まれる。

 そして俺はマグネットタイガーに一撃を加えた。

 一撃でマグネットタイガーは死んだ。


「次は私達ね」


 弥衣やえが前に出て新手としてやってきた、マグネットタイガーに酸の貫通矢を放った。

 一撃でマグネットタイガーが死んだ。

 俺より簡単にやっつけた。

 なんか負けた気分。


【今回も駄目か】

【砂鉄のブレスじゃかすり傷が良いところ。期待は出来ない】

【おっさんの手下は強いな】

【メタルフェンリルだったっけあれも強いんだろうな】


 シロガネだとブレス合戦になるだろう。

 炎のブレスと砂鉄のブレスじゃ、シロガネの方が分が悪い。

 だから攻撃しなかったんだな。

 賢い奴め。


弥衣やえ達に任せた」

「わふん」


 シロガネがそれが良いと頷く。

 それからやはり100頭ぐらい狩った。

 マグネットタイガーの毛皮はゴワゴワしてない。

 こりゃ高く売れるかもな。


 買取場でマグネットタイガーを出す。


「この手触りだと皮が高く売れそうだな。マグネタリウムが10キロで100万。毛皮が20万てところか。魔石は60万な」


 ええと電卓。

 ピポパと180万。

 1億8千万円なり。


【毎度、捏造動画おつ】

【つまらん。もっと面白い動画を配信しろ】

【低脳のおっさんにそんなこと言うな。知恵熱出すぞ】


「くっくっく、これからショーを見せる」


 そう言ってカメラを切った俺は、綺羅々きららの病室の前に行った。

 そして配信スタート。


 オークの睾丸から作った薬は黄泉がえり丹を手に病室に入る。


「何の用?」

「くっくっくっ」

「手に持っているのは何?」


 俺は綺羅々きららに無理やり黄泉がえり丹を飲ませた。


「体が熱い」

「じゃ脱げよ。良いことしようぜ」


 カメラのスイッチを切った。


「何を飲ませたの」

「精力剤だ体に良い。よし少し着衣を乱せ。そして芝居してもらおう」

「何で」

「やってくれたらポーションをやるよ」

「本当」


 俺はポーション5本、1500万円相当を置いた。

 綺羅々きららは着衣を乱してはぁはぁ言っている。

 俺はカメラを点けた。


「いい味だったぜ」

「くっ、体は自由にさせても、心は屈しないわ」


【何だって】

【くそ、綺羅々きららちゃんがレイプされたのか】

【警察に通報だ】

【あの無理やり飲ませたのは媚薬に違いない】

【嘘だ俺は信じないぞ】


「ふふっ、いい汗かいたぜ。悪を成す事のなんて気持ちいいことよ」


【がぁ、お巡りさんはまだか】

【たとえ汚されようと、俺は綺羅々きららちゃんのファンだ】

【くそっ、世の中正義がないのか】


「ああ飲ませたのはオークの睾丸から作った薬だ。媚薬効果が凄い奴な」


【あの砂鉄使いのオークの睾丸を飲ませたのか】

【高く売れないものだから】


「媚薬にもなるという宣伝も兼ねている。飲ませたら後は分かるだろ。あー、こういう賢者タイムにはコーヒーが飲みたいな」


【くっ、警察が来るぞ】

【現行犯で逮捕されろ】


 パトカーのサイレンが聞こえたので、カメラを切る。

 警察官がやって来た。

 よくこの病院が分かったな。

 ああ、綺羅々きららのストーカーみたいなファンが特定したのか。

 そう言えば花も届いている。


「暴行事件が発生したと通報がありました」

「いたずらでしょう。だよな」


 頷く綺羅々きらら

 だよな。

 裁判しても勝てる自信がある。


 スマホでチャンネル登録者数を見ると凄い勢いで増えてる。

 過去動画の再生回数もうなぎ上りだ。

 きっと俺の弱点を探しているに違いない。

 いいぞ、この調子だ。

 綺羅々きららが警察官に事情を説明して帰ってもらった。

 くっくっくっ、面白くなってきた。

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