第52話 結界!?

城の下に落ちた僕とマー。

で、今は城の地下にある鍾乳洞にいます。

にしても、こんなに巨大な空間の鍾乳洞が、城の下にあるとは驚きです。


で、僕とマーは今、微かな風が吹く方へと歩いている所です。

なぜかて?

良く言うじゃないですか、洞窟とかに閉じ込められた場合、風が吹く方に行くと出口があるって。

けど‥‥‥確実にあるわけではないですが。


と、言うわけで僕は風が吹く方へと歩いてます。


「所で光?」


「うん?」


「連絡とかしないの?」


「誰に?」


「ライミとクリエラに」


「ライミさんとクリエラさんに?‥‥‥‥あっ!」


そうでした。ライミさんとクリエラさんにこのスマホで連絡取れるんでした。

プリム小国を出る時に万が一て、事でライミさんとクリエラさんにスマホを持たせたんでしたっけ。


で、僕はクリエラさん‥‥‥は気まずいのでライミさんに連絡を入れます。




◇◇◇◇




その頃、城の地下に入る出入り口では‥‥‥


魔法石火を灯し火に兵を数名従え地下の階段を降りて行くアルベルとチィーユ。


そして階段を降りながらチィーユが魔法を使いアルベルの頭の中に話しかけます。


”「アルベル、今回の城の崩落‥何かおかしくない?」”


“「うん?どうしてそう思うんだ」”


“「兵の話ではあの男、三周も屋上を回ったそうよ」”


“「うん、それが‥」”


“「考えられる?もし普通に彼が落ちるなら下の階で止まるはず‥‥‥わざわざ下の階の吹き抜けの場所に狙て地下に落ちる様に落ちるなんて」”


“「それでは光がワザと‥‥‥」”


“「それはあり得ないわ。彼が城の構造を知らないから。それにあなたを信頼していたから‥‥‥」”


“「チィーユ、使ったのか?魔法を」”


“「ええ、ごめんなさい‥魔法で彼の心を‥‥‥」”


“「そうか‥‥‥では今回の件は‥‥‥やはり奴らなのか?」”


“「ええ、多分‥‥」”


“「そうか‥奴らか‥‥」”


そう言うとアルベル達は地下へと続く扉にたどり着きます‥‥‥が、扉の前では数名の兵が右往左往しています。


「どうした!何をしている!」


1人の隊長とおもしき兵が、


「はっ!扉が開かないのです」


「扉が開かない?」


「はっ!」


「どけ、私が開けてみる」


アルベルは扉に手やり開けようとするがビクともしない。因みに扉は左右に引くタイプ。

アルベルは体当たりをするが‥‥‥それでもダメだった。


“「アルベル!無理よ!」”


またアルベルの頭の中話しかけるチィーユ


“「どうしてだ!」”


“「今、透視魔法で見たの‥扉の向こうは瓦礫の山よ!あれでは扉は開かないわ!」”


“「!!!、やはりこれも奴らか!」”


“「ええ、多分。彼に‥‥‥乙川 光にあれを見させる為に‥‥‥」”






◇◇◇◇





僕はライミさんにスマホで連絡を取ると


《ザザザザザザザアアア》


「うん?」


もう一度掛けます


《ザザザザザザザアアア》


「おかしいな?なんで繋がらない?」


僕がスマホを見ながら考えてるとマーが


「どうしたの?」


「うん、ライミさんに繋がらないんだ」


「繋がらない?‥‥‥う〜ん?」

何かがおかしい?と言う顔をするマー


「どうかしたのかい?」


「このスマホはチーの魔法で使える様になっているんだよね」


「そうだけど‥」


「だったら、この地下にいても使えないとおかしいんだよね」

マーはない首を捻ります。

(ぬいぐるみですからね)


「そうなんだ、地下にいても使えるんだ」

僕が感心しているとマーが、


「‥‥‥‥光、もしかしたら‥‥」

歯切れの悪い言い方をするマーに、僕は何かあるのかとたずねます。


「あくまでも僕の考えだけど‥‥」


「うん」


「この辺り結界‥‥魔法で結界が貼られてるんじゃないのかな」


マーは首を横にしながら話します。

(だからマーはぬいぐるみだから、顔と体が繋がっているから首はないんだって)


で、僕が


「なにか確証があるかい」


「うん‥‥それ‥‥そのスマホ」


と小さな指をスマホに指します。


「これ?」


「そう。スマホ、魔法で話せる様にしてあるんだよね。で、今はそれが出来ない」


「!、だから結界があると‥‥」


「うん」


確かに理屈は通りますよ。

魔法で話せる様になったスマホが使用できないのだから。


けど‥‥なぜこんな何もないとこに魔法で結界をはるんだ?と、暫く歩くと‥‥‥


「アタッ!」


と何かに当たりました‥‥‥が‥‥

目の周りは何もありません。

ライトを照らしますが‥‥‥ありません。なにも。

すると今度は、


「‥‥‥誰?誰かいるのですか?」


と、女性の声が。


僕もマーも驚いてライトで辺りを照らしますが‥‥‥やはりなにも。


まさかあ!‥‥‥幽霊いいいい!!!?

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