第159話 エレムとミレン
「とりあえずは、カイトの服は良しかな!」
僕は腕を組んで、うんうんと頷きます。
だってですねぇ〜、カイトの寝室の服や下着までもがですね、
「全部女性物!?」
いやあ〜、目移りしちゃいますよねぇ。どれをカイト君に‥じゃあなくて!
男物が一着も無いのに疑問がわかなかったかな?と、思わずカイトにツッコミをいれたくなりましたよ。(汗)
で、仕方ないので僕が着ている、紺のジーパンと無地の白のトレーナーと、黒のダウンジャケットをコピーで出してチーとマーの魔法でサイズと色をカイトに合わせてもらったんです‥‥‥
が‥‥‥
「あかん、何着ても美少女になってしまう」
僕は頭を抱えてその場にしゃがみましたよ。
やはり、カイトに合わす色にするとピンク系になってしまうんですよ。
やはいですよ! やはいですよ! やはいですよおお! このカイトの姿、思わずギュッと抱きしめたくなりますよおお!
「お兄様♡この服、動きやすくてしかも暖かいです。//////(照れ)」
「えっ? あっ!よっ、よかったね(焦)」
「うん/////モジモジ//////(照れ)」
「うん? カイトどったの?」
「お兄様と同じ服♡嬉しい、ポッ♡//////」
えっ?アーーーーーッ! そうだったあ!コピーで出したから同じになるのは当たり前だあ!
しゃがみこむ僕の背中にカイトが抱きついてきましたよ。
「ありがとうございます。お兄様♡」
「あ〜っ!」僕はこの後撃沈しました。しましたよ(泣)
てか、早く話を進めましょうよお!
◇◇◇◇
で、何とか無事? カイトの寝室から出れた僕は、着替えたカイトと共に、城の前にある庭園に停めてある4WD車の何処まで、城内を移動しています。
「本当にカイトは何着ても合うよね」
と、僕の右肩に乗るチー。
「本当だよ! ちょっと羨ましいよ僕は!プンプン!」
と、僕の左肩に乗る、少しご機嫌斜めのマー。
で、なぜにマーがご機嫌斜めなのかは、カイトが僕の左腕に自分の腕を絡めて、今歩いているんですよ(焦)
側から見るとペアルックを着たカップルに見てとれてしまいますよ。
けどいっときますけど! カイトは男の子ですよ!男の子! 美少女に見えても男の子!
「お兄様♡お兄様♡♡♡」
けどですねー、悲しきは男の性(さが)。カイトの言葉と行動に反応してしまいますよおお。
で、で、で、こんな時ほど、こんな時ほど
「「「あっ!」」」
会いたくない人達に会ってしまうんですよね。廊下を曲がったとこでバッタリ会ってしまいましたよ‥‥‥
エレムとミレンに。朝から同じ私服で色違いのを着て。
「ダーリンおはようございます」
「旦那様おはようございます」
「あ、ああ‥おはよう。二人ともどうしたの?こんな朝早くから‥‥」
僕は二人に会った焦る気持ちを押さえて、何事もないような感じで挨拶をしたが、やはり二人は僕から何かを感じたんでしょうか、
「「??」」
的な顔をしてきましたよ。
カイトはと言うと、二人を余り見ない顔だったので、僕の背中の後ろに隠れましたよ。
やはりこの辺りはまだ、幼さがありますねカイトは。
ただですね、エレムとミレンは僕の婚約者の6人の中で、勘が鋭いんですよ二人共。
「旦那様、誰かいますか?」
ミレンが僕の正面に来ると、エレムは僕の背中の後ろをヒョイと覗きますと、カイトとエレムの目が合います。で、カイトは恥ずかしさの余り下を向きます。
「あっ! カイトさん? 」
「‥‥お‥おはよう‥ございます」
僕の服を掴み恥ずかしそうに挨拶をするカイトの姿、背中越しだから見れませんけど、思わず想像しちゃいますよ、想像。
「ダーリン、カイトさんとどこに行きますの? しかもお揃いの服で!」
「えっ! あっ! あのね‥‥‥」
エレムが僕に質問してきましたよ。
しかも何だか顔が怖いですよ。顔が!
僕は仕方なく(エレムの顔が怖い訳ではないんですよ。うん。けして。)
「エレム、ミレン。あのね‥‥そのね‥‥」
「‥‥ド、ドライブですぅ‥‥」
「「「えっ?」」」
「‥‥お兄様とドライブですぅ‥」
恐る恐る僕の背中から顔を少し出して小さな声で、カイトが言ってきました。
もうですねぇー、そのカイトの姿がすご〜く、すご〜く可愛いんですよ。
だってですね、あのエレムとミレンが
「「か、可愛い//////」」
と、言うぐらいですからね。
で、エレムが、
「ダーリン、私達も一緒に行きます!」
横にいるミレンも頷いてますよ。
まあ、ここで断ると後が怖いので心置きなくオッケーを出しましたよ。
にしてもカイトの美少女の姿は、女性をも釘付けにするもんなんですねぇ〜。
しかしカイトは男の子だよ。うん、男の子だよ。
「お兄様♡♡♡」
うん、男の子‥‥‥あ、いかん。またも撃沈寸前ですよ。僕はああああ!。
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