第60話 ミリア=デ=ガルバディ

今だ、地下へと繋がる扉が開かないでいた為

アルベルは一つため息をするとチィーユが


「どうしたの?」


「いや、昔の事を思い出していた」


「えっ?どんな?」


「うん?ああ、お前との初めて会った時のことを」


アルベルが言うとチィーユは恥ずかしそうに


「///ギ、ギッシュ、な、なに思い出してたのよ///」


顔を真っ赤にして下を向いて、なにやらブツブツと独り言を言っているチィーユ。


そんなチィーユを見てアルベルは薄っすらと笑顔を浮かべた。


「アルベル様!間も無く扉が開きます!」


1人の兵がアルベルに言うと


「ああ、ご苦労。扉を開ける時、扉の向こう側に瓦礫があるので気を付けろ!」


「ハアッ!」


兵はアルベルに敬礼すると持ち場に戻った。




◇◇◇◇




ミリア=デ=ガルバディ姫が僕の五人目の婚約者‥‥‥


いやね、いいんですよ。別に僕としては。

けどね、けどですね、いきなりってのはどうかと‥‥‥


だってですねえ、僕、まだミリア姫から”好き”とか''愛してます''なんて言葉は一言もされてないばかりか、まだそんなに僕自身がミリア姫と話してないんですよ。


けどですね、ブレイク王は冷静で助かりましたよ。


「この度は、助けていただき感謝する」


と、で僕は


「いえ。 けど何故この様な場所に‥‥‥」


「うむ、とりあえずはこの地下から出たら話す」


そう言うとブレイク王はベッドから立ち上がろうとするが、まだ体力がしっかり戻ってなくふらつき倒れそうになった。


「だ、大丈夫ですか?」


僕は直ぐにブレイク王に駆け寄ると肩を貸した。


「す、すまない‥‥‥」


「お父様、大丈夫ですの」


「こ、これぐらいで‥‥‥」


ブレイク王は立ち上がろうとするが、やはりまだ足元がおぼつかなくフラフラとしていた。


で、僕は


「ブレイク王、僕におぶさって下さい。上までお連れします」


ブレイク王は一旦躊躇するが、


「‥‥‥頼む」


と僕におぶさります。

けど、ブレイク王は僕より少し身長が低いだけなんですけど、やたら軽いんですよ。やはりあれだけ痩せ細ってましたからね。


「ミリア姫は大丈夫ですか?」


「はい、光様」


「では、ここから出ましょう」


ブレイク王とミリア姫は頷きます。

て、僕ここの出入り口知らなかったけ。

だって風が吹く方に向かって歩いて来ましたからね。


「それなら大丈夫ですわ。王族しか知らない抜け道がありますので」


「それは助かります。 けど‥‥‥何故上に上がる出入り口を使わないのですか?」


僕はミリア姫に聞いて見ました。


「上に戻りましたらその事もお話しますわ」


う〜ん、やはり何か2人を狙っている物がいるのか?と、僕が考えているとおぶされているブレイク王がですね、


「ミリアとの婚約の話なら歩きながらでもできるぞ!」


なあ!なにを急に言うのですか、ブレイク王は!もしかして、ブレイク王もあの、オヤジーズ王、二人と一緒か?


「///お父様‥‥‥///」

ミリア姫、僕の方を恥ずかしそうにチラチラ見ますよ!


て、言うか、て、言うか、て、言うか!

その話こそ、上に上がってからでしょうが

でしょうが、でしょうがああああ!!!


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