第61話 普通の男なら
「やはりか!」
アルベルは言います。
「ギッシュ‥‥‥」
不安そうにアルベルを見て言うチィーユ。
扉を開けると目に飛び込んで来たのは、扉を覆い尽くすほどの大量の瓦礫だった。
そんな光景を目の当たりにしたチィーユは
「いったい誰が?」
「‥‥‥‥‥‥‥」
開いた扉を黙って見ているアルベルに、
「ギッシュ?」
「‥‥‥あっ!すまん。とにかくこの瓦礫を早く片付けるんだ!」
兵に指示を出すアルベルにチィーユは
「‥‥‥ギッシュ?」
と、アルベルに何か違和感を少し感じた。
しかしそれ以上に違和感を抱いたのはアルベル‥‥‥
『これは‥‥‥これではまるで‥誰かが意図的に‥‥‥まさか!」
アルベルは兵に瓦礫の撤去を急がせる。
「まさか‥‥‥まさかあいつが!‥‥‥」
アルベルに不安がよぎる。
◇◇◇◇
僕らはブレイク王の案内で地上に出れる王族しか知らない抜け道の入り口に向かってます。
僕はブレイク王をおぶさりながら、スマホのライトを点け右手に持ちながら歩いてますとブレイク王は
「そのスマホとかのライトはかなり明るいが‥‥どうなっているのだ」
と、聞いてきたんですがね、僕はスマホの構造とかはわからないんですよ。
ですので、正直に
「すみません、僕が作ったのではないのでわからないんです」
「そうか‥‥‥」
残念そうに話すブレイク王。
そしてですね、ブレイク王はミリア姫の話をまた持ち出してきましてね
「光よ、ミリアとの結婚は‥‥‥」
「ブ、ブレイク王、そ、その話は地上に戻ったらゆっくりと‥‥‥」
「なにを言うか!ミリアは、光!お前の事を気に入っているのだぞ!気に入った男と結婚させない親が何処にいるか!」
あーー、そうなんですねぇぇ。この国て言うかこの世界は気に入った男がいれば即、結婚させるんですよねええええ。
「なあ、光よ。もしミリアと結婚すればこの国の王にもなれるのだぞ」
僕におぶさりながら少し力を込めて言うブレイク王に
「僕は王とかそのような物はいらないんです。なんて言うか‥‥‥そう!普通に結婚して普通の幸せな家庭を作りたいだけなんです」(これ、婚約者が4人いる時点で無理ですけど)
「普通の男なら喜んで飛びつく話なんだがな‥‥‥」
ブレイク王は考えてますよ。
だいたい僕は、すでに三人のお姫様と婚約しているんですよ。ミリア姫と婚約なんて許容範囲をオーバーしますよ。(すでにオーバーしてますけど)
「光、本当にお主はよくのない男だな」
「あ、ど、どうも‥‥」
「うむぅぅむぅ‥‥‥うむ!気に入った!」
と、ブレイク王がいきなり言いますから、一瞬、僕はビクッ!としましたよ。で、
「えっ?なにがですか?」
「地上に上がったらミリアとの婚約を大々的に発表しようぞ!」
はあ?いやいやいやいや『発表しようぞ!』じゃないですよ。横で歩いてるミリア姫は顔を真っ赤にして下向いて頷いてますよぉ〜
てか、ブレイク王はあのオッサンズ王2人と性格、似てないかい?
と思っていた時マーがいないのに気づき
「マー?」と探すと‥‥‥
マーはミリア姫の左肩に乗っています。
「あなたは光様に付く妖精さん?」
「うん、そうだけど」
「だったら‥‥‥」
と、ミリア姫はここぞとばかりにマーに僕の事を聞くんですよ。
「結婚してないの?」とか、
「光様はどんな人が好きなの?」とか、
しまいにはですね、
もう「ピー」←(放送禁止用語)
を連発して聞いてきて、マーが適当に答えてますよ。
おい!マー!いつ僕が「ピー」とか「ピー」なんてしたんだよ!
で、この「ピー」の答えがマーから返ってきた時、ミリア姫は顔を赤らめて///僕の方をチラチラ///見るんですよお。
ミリア姫、僕はそんな「ピー」とか「ピー」なんてしてないんですからね。
まだ///チラチラ///と僕の方を見ますよお〜
ミリア姫、しつこいようですがあ!ほんとーに「ピー」とか「ピー」はしてないんですからねえ〜〜!
しかしマーは地上に出たら「ピー」だな「ピー」←これも放送禁止用語。
ピーーーーーーーーーッ!!!
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