第62話 イレイに似ているんです

人が通れるほどの瓦礫の撤去が出来たと、兵の連絡を受け、アルベルとチィーユは瓦礫を通り抜け、地下へと潜って行った。


『もし、奴が‥‥‥ブレイク王を狙っているとしたら‥‥‥迷う事なくまたブレイク王を殺すだろう。奴はデーブル=ジ=ゲルバはそう言った男だ』


心の中で呟くとチィーユと共に地下へと続く道を歩いて、


「なぁ、チィーユ。私が王に行った行為は間違いだっただろうか?‥‥‥王を‥‥‥あんな姿にしてしまった私は‥‥‥」


チィーユはアルベルの手を取ると


「ギッシュ、貴方は間違ってはないわ。間違いがあるならあいつが‥‥‥デーブルよ!」


そう言うとチィーユは握っていたアルベルの手を離すとアルベルの前に出て、離した手をまた取るとアルベルを見つめます。

アルベルはそんなチィーユとは目を合わさず暗い地下へと続く道を見上げ、目を閉じると


『私は‥‥‥私は、ホクトリアを助けたいだけなんだ‥‥‥』



◇◇◇◇



「成る程‥‥‥すでにここはもぬけの殻か」


デーブルがニタニタしながら独り言を言っています。

するとノウスが


「ディー、まだ王を殺るき‥‥‥」

無表情のノウスがデーブルに聞きます。

因みに「ディー」とはノウスがデーブルと2人だけの時に使用するデーブルの名前である

ノウスのその問にデーブルはニタニタした顔から急に真剣な顔になり、


「当たり前だ!王を‥‥ブレイク王を!そして僕がこの国を動かす!」


ノウスと身長差はあまり変わらないデーブルはノウスに振り向くと左手でノウスの顎下を取りと、そう答えた。

因みにデーブルとノウスの身長は160あるかないか。しかしデーブルのが少し太っていますね。あっ!だからでぶルか?


「おい!誰がでぶルだ!だれが!」


「誰と話してる?ディー」


「いや、それよりもあのブレイク王の状態ではそんなには遠くには行ってないはずだ」


「だったら、今すぐに追い掛けますか?」


無表情でノウスが言うとデーブルは、


「王の行き先は見当がついている。多分、王族だけしか知らない抜け道だ」


「では‥‥‥」


「ああ、行くぞ」


「はい」


ブレイク王よ抜け道はお前達だけしか知らないとは限らないぞ!

で、デブじゃなく、デーブルはノウスと抜け道出入口へと移動した。

おい!誰がデブだ!誰が!



◇◇◇◇



僕らはあと少しで抜け道の所まで来ていました。

で、相変わらずブレイク王は


「ミリアと一緒にならないか」を連呼してますよ。しかも僕がブレイク王をおぶさりながら歩いてますから、僕の耳元で言うんですよ。

これ、上に行くまでに洗脳されて、あ〜僕はミリアと、て、なりそうで怖いですよ、ハイ


けどですね、正直ミリアは結構綺麗なんです。髪がフワフワして少しウェーブがかかって顔もなんて言うか‥‥‥そう!イレイに似ているんです。

だからかな?最初見た時ミリアに見惚れたのは。

身長もイレイと然程変わらないし(僕が175あるんですがイレイは160ぐらいかな?)

で、で、で、容姿は‥‥‥すみません、ほんの少しミリアの方が‥‥胸、大きいんです。

あっ!けどね、けどね、僕はイレイが一番ですよ(こう言っておかないと後でどうなるか)


で、漸く歩くと僕らは抜け道の出入口迄来ました‥‥‥‥

ブレイク王とミリアの様子が変ですよ。

そう!出入口のとこに誰か立ってます。


「‥‥‥デーブル‥‥」


「えっ?デブる?」


おい!誰がデブだ!誰が!

(二度めの同じセリフに怒っちゃダメですよデブるさん)


だからデブじゃねええええ!!!

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