第137話 結界!

僕、チーとマーが地下に潜って30分ぐらいが経ったのだろうか?HP爆弾が目の前にあるのに、僕らの前には謎の火の妖精が。しかしこの火の妖精、なにか訳ありみたいで、名をエミリ、主人がクラウドと呼ぶらしい。

そのクラウドは最初は居ないものばかりだと考えていたが(死んでいるのではないかと)、実は生きているらしい‥‥‥


HP爆弾を早く、どうにかしないとホクトリアの悲劇がまた繰り返される。いや、今回はそれ以上になるかも。


あ〜つ! も〜う! この世界に来て、僕、乙川 光の前にはどうして、厄介ごとがこうも起きるのだろうか! て、僕は厄介事をなんとかしたい、いや、しないといけない! て、気持ちになるんですよね。まあ、こう言った性(サガ)ですからしょうがないですが‥‥‥。


「この洞窟の先にHP爆弾が、プリム宝石がある場所がある。そこにクラウドの本体‥‥‥体があるのか?」


僕は、チーとマーに聞くと頷きます。

因みに、エミリはまだ僕がクラウドに見えるみたいで、僕に抱きついてます。

兎に角早く行かないと、僕は仕方なくエミリに抱きつかれたまま、洞窟に入った。


ただ、この洞窟、何か違和感の様な、いや、圧迫感て言った方が良いのか‥‥‥そんな感じがする(エミリに抱きつかれたせいじゃないですからね)


「なんなんだろう?」


僕の右肩に乗っているチーが首を傾げます。

で、左肩に乗っているマーも、


「本当に‥‥‥なんだろう?」


その答えは直ぐにでた。


「うわあ!」 「きゃあ!」


僕、エミリはいきなり何かに弾かれ尻餅をついた。弾かれた? 僕は起き上がり手を前に出すが‥‥‥何も無い。手を振っても何も無い。


「なんなんだ? いったい」


が! エミリが手を前に出した時、


「バチッ!」


まるで静電気の強力な様な物がエミリの手に走った。それを見ていた、チーとマーも可愛らしい手を出すと、


「バチッ!、バチッ!」


と、エミリと同じ状態に。

これではまるで、妖精だけが通れない様な、

そう、「結界」がはられている。僕は思った。けど何で?こんな場所に?

これも答えは簡単だった。つまり普通の人がこの様な場所(灼熱地獄見たいな)にはまず来ない。来るとすれば、そう! 妖精ぐらいか。

そして、この結界を張ったのはクラウドではないかと。

で、僕は僕に取り付く、クラウドの魂に問いかけてみる。


「‥‥‥」


答えない。と、言うか僕自身がわからないかも。そもそも、僕はクラウドの魂を感じてはいるが、クラウドの言葉、感情、記憶などは感じないのだ。感じるのは魂のみ。

仕方なく僕は、


「この先は、僕一人で行くよ」


そう言うと、僕は一人で、先へと進んだ。


残された、チーとマー、エミリ。


「あれはお前らの主人か?」


エミリはチーとマーに背を向けながら話します。


「そうだよ。僕らの主人、乙川 光だ」


チーが言うとマーも頷きます。


「そうか‥‥‥だが、私にはあれは、私の主人、クラウドに見える、感じる」


エミリが言うと、マーは一言、「そう‥‥‥」とだけ言った。



僕は一人で、先に進む。そして五十メートルは歩いたか‥‥‥僕の目の前には信じられない光景が目に飛び込んできた。

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