第138話 宝石箱?
僕の目の前に現れたのは、辺り一面が、ホクトリアのクリスタルに覆われた部屋。 広さはテニスコート半面だろうか。まるでこの空間だけが別世界に感じるほど。そして、この辺りだけが異常に高温になっていた。
「こんなにクリスタルがあるなんて‥‥それにしても【クール】の魔法を掛けてもらわなかったら、焼死状態だな」
僕は一瞬クリスタルに見とれていたが、事情を知っている者からしたら、こんなに恐ろしい光景が目の前に広がれば、こんな場所から早く出て行きたいだろうと、そう思う僕。
そして、僕は床に目をやると、何箇所かはクリスタルが崩れて床にバラバラになっていた。
「これもさっきの地震の影響か‥‥‥」
そのバラバラになった一箇所に、手のひらに乗るぐらいの箱? いや、宝石箱みたいなのが落ちていた。僕はそれを拾うと中身を見たが、中は空っぽだった。それに、
「この箱に何が? それに頑丈そうな箱だ‥‥‥」
そう思いながらその箱を見ていると、僕の正面から異様な程の熱が伝わって来た。
そこにはバラバラになったクリスタルの山が30センチ程に積み重なっていた。が、そこの山だけは今にもクリスタルが溶けてしまいそうな程に真っ赤になっていた。
「あそこだけ‥‥‥まさか! あそこに!」
僕はそこに手を出そうとしたが、かなりの熱が僕を襲う。だけど、ここで引き下がれないと、手をまた伸ばすと、
「バチッ! バチッ! バチッ!」
僕の手に電気が走った。
「なんで、こんな所に結界が‥‥‥」
そう考えた時、僕の心の中に何が語りかける。
『‥‥プリム‥宝石‥‥結界‥‥‥』
「誰? 」
僕は呟くが返事は返ってこなかった。
心の中の語りも。
そして、僕は思った。これはクラウドの魂なのではと。
僕は一呼吸置いて考える。
「プリム宝石は、このクリスタルの山の中だ! しかし‥‥‥この熱と結界では」
だが、時間がないと、僕はクリスタルの山を見ると、その山の向こうの壁側にあるクリスタルに目をやると、何かがうっすらと見えた。そしてその下には、無数の数の人骨があった。
「な、なんなんだあ!」
僕が叫ぶと、次の瞬間、
「ヴオオオォン!」
と音と共に、火のカマの刃の様な形の刃が、僕目掛けて飛んで来て‥‥‥気づくと、
僕の左腕が、床に転がっていた。
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