第136話 イレイの逆鱗

「私達を光様の所に連れてって下さい!」


メイル、ミリア、ミレン、エレムの四人は悪亜に頼みます。悪亜の性格からだと、「ええ、いいわよ」 と、言うと思っていた四人ですが、悪亜は腕を組んで、「う〜ん」と悩みます。


「どうかしたのですか?」 エレムが聞きます。


「えっ? あっ、皆んなを光の所に連れて行く事はいいんだけどねぇ‥‥‥」


悪亜は4WD車の方を見て言います。四人は「?」とした顔をして悪亜を見ると、今度は悪亜は四人を見ると、


「この中に光が今いる場所が分かる人はいる?」


と、聞いてきます。

で、悪亜が真剣な顔をして、


「今、光はかなり危険な場所に居るのよね?、だったら私がもし、光の立場なら、貴女達を連れてわいけないわ!」


そう言う悪亜に四人は、最初、驚きます。

そして悪亜は言います、


「何故光がこの様な事、4WD車を強制的に安全な場所まで貴女達を戻したか、考えた?」


この悪亜の言葉に四人は、シュ〜ンとした悲しい顔をしてしまいます。そんな四人の顔を見た悪亜は、


「はあ〜っ、て、建前はそう言う事」


「「「「えっ!」」」」


「本音はね、貴女達を私も含めて、光のいる場所に連れて行きたいわ‥‥‥けどね」


言葉を詰まらせる悪亜。

何故、悪亜はそう言ったのかは、僕が現在居る場所は、地震による磁場の影響や魔法の結界などで、居場所が特定できないと。何がどうなっているか分からない場所に悪亜達が来れば、僕の足手まといになる。と。


「道案内でもいれば‥‥‥」


悪亜が溜息混じりに呟くと、


「では、その道案内、私がします!」


その言葉の声にエレムが、はあっ!と気づくと


「お姉様!」


悪亜達の後ろに、黄緑色の美しいロングの髪をなびかせて、スタイル抜群の、顔の美しい、あのイレイが立ってました‥‥‥


仁王立ちで。しかも怒りのおまけ付きで。


そんなイレイを見たエレムは、


「どうなされましたの?お姉様」


心配そうに聞いて来ます。


「どうしたも、こうしたもないです!私も必ず光の所に行きます!」


怒るイレイに、横に居るクリエラがイレイを宥めてます。そんなイレイを見たメイルが、


「イレイ、いったいどうしたの?」


メイルが心配したのか、イレイの顔を除くと、イレイは「キッ!」とキツイ目をしてメイルを睨みます。

で、メイルがエレムを見て、


「光様‥‥‥イレイを怒らせたみたいね」

と、メイル。


「ええ、光様、無事に帰ってこれてもお姉様の前ではどうなるか‥‥」


恐ろしい事を言うエレムですよ。


ミリア、ミレン、悪亜が「?」な顔でイレイを見てますと、


「また出ましたねぇ」


「また出たのねぇ」


エレムとメイルは「ハア〜ッ!」とイレイを見て溜息をつきますよ。

で、訳がわからないミリア達は、メイルにききます。


「また、とはどう言う事でしょうか?」


メイルはエレムの顔を見ると、「まあ、言ってもいいか」的な顔をすると、


「イレイは可愛い物を見ると、抱き癖があるのは知ってますわよね」


「ええ」と頷くミレン


「ええっ! そんな癖があるの!」と驚くミリアと悪亜。


「ええ、あるのですわ。で、もう一つあるのです。こちらは問題がある癖だったので、私とエレム以外知らない事なんですが、この際ですので‥‥‥」


と悩みながらメイルは言います。


「イレイは好きな人から雑に扱われると、怒るのです」


「えっ? 怒るのですか」ミリアが何か不思議そうな顔して聞いて来ます。


「けど、それって当たり前じゃないの?」

悪亜もミリアと同じ様な気持ちで聞いて来ます。


「度がすぎるのです。イレイの場合は」

メイルは軽い溜息を一回すると、


「好きな人かに抱きついて、『どうして、どうして』を一日中聞いてくるのです」


メイルの横に居たエレムも、


「それで、婚約寸前までいった話がなくなった経緯があるのです‥‥‥けど‥」


「「「けど‥?」」」


「今回はあそこまで態度をあらわにしたお姉様を見たことありません。ですからダーリンがどうなるか‥‥‥」


エレムが、またまた僕にとって、恐ろしい言葉を言ってきますよ。で、イレイ以外は静まりかえってしまいましたよ。その場に僕は居ませんでしたから、良かったんですがね。て、良くないです! 後に伸びただけですよおおお。


まあ、つまりはイレイを僕は守るつもりの行動が、イレイの逆鱗に触れてしまった訳で。


で、結局、悪亜の4WD車にイレイ、メイル、ミリアの四人で行く事に。後の三人はお留守番です。


「では、行きますわ」


「「「はい!」」」


そして、4WD車は、僕が居る所へと走り出した。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る